Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金) Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金)

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Special 2026.11.05 UP

【INTER BEE MEDIA Biz】企画セッション「ローカル局バラエティ番組の可能性」事前レポート

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ローカル局のコンテンツが、配信の時代に新しい居場所を見つけ始めている。地元のニュースはYouTubeで再生数と収益を伸ばし、かつては見られないとされた長尺のドキュメンタリーがチャンネルの柱になる例も出てきた。では、バラエティ番組はどうか。TVerではローカルコンテンツが埋もれやすいと言われ、権利処理の煩雑さもあって、配信での展開は難しいとされてきた。INTER BEE MEDIA Biz「ローカル局バラエティ番組の可能性」セッションは、この問いに正面から向き合う。パネリストは、「水曜どうでしょう」を生んだ北海道テレビ放送シニアクリエイティブフェローの藤村忠寿氏と、山陰中央テレビで「かまいたちの掟」を制作する山陰中央テレビジョン放送コンテンツプロデュース部担当部長の川中優氏。さらに、FBS福岡放送「福岡くん。」の演出・プロデューサーである羽田野雅裕氏も登壇を予定している。モデレーターはTVQ九州放送営業局業務推進部の永江幸司氏が務める。オンラインで行われた事前打合せの様子をレポートする。
(メディアコンサルタント 境治)

「テレビ番組だと思ってやっていない」 かまいたちの掟が達成したこと

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企画者の永江氏は、TVQで配信業務に携わってきた。TVQはローカル局としては多い4本のレギュラー番組をTVerで配信している。新規事業の場では従来型のCMビジネスの限界がよく語られるが、番組そのものを題材にした議論は最近少ない。だからこそ「番組というフィルターを通して、一番王道なところからもう一度攻めてみたい」と、企画の狙いを語る。
川中氏の「かまいたちの掟」は、もともと「水曜どうでしょうのような番組を作りたい」という思いから始まった。立ち上げ時から、イベントの開催、DVDとグッズの販売、サブスクでの配信、他エリアへの番組販売という目標を掲げていた。そして3年前にイベントを始めた時点で、そのすべてを達成したという。地方の局でありながら、イベントには全国からファンが集まる。
川中氏は「テレビ番組だと思ってやっていない」と言い切る。「グッズもコンテンツだし、イベントもコンテンツ。それを最初からトータルでやりたかった」。番組は現在、FODやU-NEXTのほか、Amazon、Leminoでも配信されている。TVerについては「お金を稼ぐより、ファンを獲得するための手段」であり、「全国の人に見てもらえるのが大きい」と位置づける。興味深いのは視聴者層だ。地上波では50代がよく見ている一方、TVerでは30〜40代が中心で、「逆の山になっている」という。今の課題は、達成した成果をいかに継続していくかだと語った。

30年目の「水曜どうでしょう」と、福岡でしか見られない番組

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藤村氏の「水曜どうでしょう」は、今年30周年を迎えた。DVDの売り上げで成功して以来、ローカル局の制作者は「低予算で作って二次利用を」と呪文のように言われてきた。当時はDVDしか手段がなかったが、今は外に出る環境がいくらでも揃っている。「それを先にどれだけつかめるかの勝負」だと藤村氏はいう。
藤村氏自身は、地上波での放送にそれほど重きを置いていない。収入のほとんどは、すでにテレビ以外から得ている。「今、『水曜どうでしょう』をローカル番組だと意識しながら見ている人はもういないんじゃないか。『かまいたちの掟』も同じで、工房がたまたま島根や鳥取、北海道にあるだけ」だと話す。スポット視聴率でスポンサーを集める従来のビジネスモデルにしがみつく業界には、「沈みかけてる船、いつまで漕ごうとしてんの?」と手厳しい。それでも「テレビの力は依然として絶大」とも言う。だからこそテレビをやめていないのだ。
川中氏も、テレビ局を「地上波の電波を持っている、すごいアドバンテージのあるコンテンツ制作会社」ととらえる。スタジオも機材もあり、無料で電波に流せる。藤村氏は「こんなYouTuberいないよ」と応じ、地方で暮らしながらものを作れる恵まれた環境を生かすべきだと続けた。
一方、対極のスタイルで勝負するのが福岡放送の「福岡くん。」だ。TVerにも出さず、見たければ福岡で見るしかない。永江氏によれば、地元では別格の人気を誇るという。福岡出身の筆者も帰省時に見たことがあるが、「福岡県民以外は1ミリも面白くない」というキャッチコピー通りの、私にはものすごく面白い番組だった。藤村氏も「真逆のやり方も、話を聞いてみたい」と関心を示した。
外へ打って出るか、地域に絞り込むか。対照的な戦略が並ぶ当日の議論は、ローカル局の番組づくりに携わる人にとって多くのヒントになるだろう。
17時30分の閉館後には、軽食と飲み物を楽しみながらScreens編集部とローカル局の活動を語り合う「After Hours」も予定しているが、藤村氏と川中氏も参加してもらえる。興味ある方は、INTER BEEの来場登録を済ませた上で、下記リンクから聴講予約をどうぞ。

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