Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金) Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金)

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Special 2026.10.08 UP

【INTER BEE MEDIA Biz】基調講演「テレビの次のテレビの形」事前レポート

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(キャプション:左から、飯塚氏、三日月氏、森下氏、水谷氏)

テレビ受像機で見るものが変わりつつある。では10年後、テレビはどんなサービスになり、テレビ局はどんな役割を担っているのだろうか。INTER BEE MEDIA Bizの基調講演として11月18日12時30分から国際会議場で開催するセッション「テレビの次のテレビの形」では、この捉えどころのない問いに正面から取り組む。
パネリストには、電通メディアイノベーションラボ研究主幹の森下真理子氏、マルチメディア振興センター調査研究部の飯塚留美氏、日本テレビ報道局デジタルグループ リードコンテンツプロデューサーの三日月儀雄氏、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所准教授の水谷瑛嗣郎氏を招いた。モデレーターはメディアコンサルタントである筆者、境治が務める。先日、パネリストのみなさんに集まっていただき事前打合せを行ったので、その様子をレポートする。立場の異なる4人の話が次々につながり、当日の議論の広がりが予感できた。(メディアコンサルタント 境治)

ニュースはどこで見られているか 生活者と現場からの報告

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筆者がこのセッションを企画したきっかけは、欧州各国がこれからのテレビの形をめぐって意外なほど紆余曲折していると知ったことだ。日本は遅れていると思いがちだが、どの国も答えを探している最中にある。そこで当日は、海外の動向と、日本で進むTVerの展開を手がかりに議論を進めたい。中でも焦点になるのは、ニュースをどう流通させるかだと考えている。
電通の森下氏には、生活者の側から見た情報空間について報告をお願いしている。メディア利用の調査研究を長く続けてきた森下氏は「真偽のわからない情報がネットにはあふれている。これまではメディアがある程度情報を整理して届けていたけれど、今は情報を見極める責任や負担が、個人の側に移ってきていると感じる」と現状を説明した。その負担感からデジタルデトックスのような現象も起こりうるという。また、子を持つ親への調査から、30代以下ではテレビを持っていても朝つけない家庭が出てきていると紹介。「今は本当にギリギリのタイミングではないか」と、世代交代がもたらす変化への危機感を語った。森下氏は欧州の放送機器展IBCのカンファレンスにパネリストとして登壇しており、そこでの議論も紹介してもらう予定だ。

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日本テレビの三日月氏は、報道局でデジタル展開を担う。日本テレビはTVerでのニュース配信を始めており、筆者はこれを重要な一歩だと受け止めている。三日月氏にはその現状とともに、テレビニュースが放送以外の場でどう見られているかを話してもらう。打合せで印象に残ったのは、YouTubeについての指摘だ。「テレビ受像機でYouTubeを見るユーザーの割合シェアがどんどん高まっている。テレビ局
がYouTubeで配信しているニュースも、スマホやPCだけでなくテレビモニターで見られている」。放送ではない経路で、ニュースがテレビ画面に戻ってきているわけだ。三日月氏は前職でYahoo!ニュースのトピックス編集を経験している。ニュースを誰が選び、どう並べるのかという論点にも、実感を伴った話が聞けるだろう。

欧州の模索と「プロミネンス」 編成の力は誰の手に

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マルチメディア振興センターの飯塚氏は、海外の放送・通信制度の調査研究を専門とする。当日は欧州各国の動向を報告してもらう。地上波放送をいつまで続けるかの議論が進む英国、放送局が米国の配信サービスに番組を出し始めたフランス、一方で法律によってローカル局を維持し、国が資金面でも支えているイタリアやスペインと、国ごとに事情は大きく異なる。
その中で共通の論点になっているのが「プロミネンス」だ。コネクテッドTVが中心となる世界で、信頼できる放送コンテンツをどう目立たせ、視聴者に届けるかという考え方である。飯塚氏は、チャンネル番号の上位表示、自国の文化的作品の優先、そしてオンライン上での表示と、プロミネンスの流れを整理して示してくれるという。さらにAIエージェントを搭載したテレビにも話は及んだ。「結局、ホーム画面やAIエージェントを誰がコントロールするのか」と飯塚氏は問いかける。そのうえで、伝統的なテレビと、個人の好みに合わせた視聴とは「どちらかを選ぶわけではなく、両方併存すると思う」と私見を述べた。

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慶應義塾大学の水谷氏は、情報法、メディア法の研究者である。発表資料は用意せず、3人の報告を受けて論点を広げる役回りをお願いした。打合せでも早速その役割を果たしてくれた。水谷氏によれば、放送はかつて「コンテンツを流す力」と「(視聴者に)どの情報を見せるかを選ぶ力」の両方を持っていた。ところが「選ぶ力の方はプラットフォームにもっていかれてしまった」。YouTubeで同じ番組が見られても、そこには放送局の編成の力は及ばない。この整理は、TVerが持つ意味を考えるうえでも有効だ。放送局はこれまで、ニュースもドラマもバラエティも流し、その「流れ」を一覧性のある「番組表」で視聴者に示してきた。この「一覧性が果たす役割は結構大きかったんじゃないか」と指摘した。さらに、茶の間でみんなが見るマス向けのスクリーンと、一人ひとりが別々のものを見るパーソナルなスクリーンの、どちらに向かうのかという問いも投げかけた。「テレビの次の形」はそこにもかかってくるという。
打合せは、時間が足りなくなるほど話が弾んだ。生活者の変化、ニュースの現場、欧州の制度、そして編成の力のゆくえと、論点は多岐にわたるが、当日はそれらが一本の線でつながっていくはずだ。興味ある方は、InterBEEの来場登録を済ませた上で、下記リンクから聴講予約をどうぞ。10年後のテレビを一緒に考える場にしたい。

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