Inter BEE 2025 幕張メッセ:11月19日(水)~21日(金)

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Special 2025.11.14 UP

【INTER BEE MEDIA Biz】企画セッション「一周まわってテレビ~コンテンツ価値創造の現在地と未来」事前レポート

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左から、松岡氏、竹内氏、内山氏、奥氏

「一周まわってテレビ」とは奥律哉氏が2010年代から唱えている、テレビと人との新しい関係をとらえた言葉だ。放送を視聴するデバイスとしてのテレビが、配信サービスの普及によりスマホ視聴を経て”一周まわって”テレビに回帰し新たな価値を持つようになることを予言していた。コロナ禍が明けて人びとにとってのテレビは多様な使い方をされるようになり、まさにこの言葉通りに定着している。INTER BEE MEDIA Bizの「一周まわってテレビ~コンテンツ価値創造の現在地と未来」は、恒例となった奥氏がモデレーターを務める企画で、3人の登壇者が「一周まわってテレビ」をキーワードにコンテンツ価値の現在地を確認し、未来へも視点を向けるセッションだ。登壇するのは、青山学院大学教授の内山隆氏、関西テレビ・コンテンツビジネス局の竹内伸幸氏、そしてビデオリサーチ・新規ビジネス開発グループの松岡逸美氏だ。テレビコンテンツが配信でも流通するようになったいま、その価値はどう高まっているのかを、視聴データも紐解きながら議論する。本稿ではその事前打合せの様子をお届けしたい。

SoDAから見えてくる日本コンテンツの新たな価値

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打合せではまず、今年ビデオリサーチが日本で提供を開始した新しいデータソリューション『SoDA』からのデータを松岡氏が示した。日本と世界のSVODの視聴実態がわかる『SoDA』では、例えばNetflixで日本国内コンテンツと海外コンテンツが視聴されている割合がわかる。近年、日本のテレビドラマがNetflixで続々配信されるようになっており、それに呼応する形で日本コンテンツの視聴が増えているデータが示された。作品個別でもデータを出せるそうで、ここまでSVODの視聴実態がわかるデータは初めて見た。打合せではデータを見ながらさっそく内山氏、竹内氏の感想や見解が錯綜し、当日の議論の盛り上がりが予感できた。
松岡氏はセッションの後半から登場し、『SoDA』のデータをたっぷり紹介してくれる。

学識者と実務家、2つの視点での「一周まわってテレビ」

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セッションの前半では、内山氏、竹内氏からそれぞれ20分程度の講演が行われる。
内山氏は「コンテンツ戦略の必然性」と題して発表する。総務省の「放送・配信コンテンツ産業戦略検討チーム」で主査として議論を進行してきた内山氏は、日本コンテンツの海外展開についても課題意識があるようだ。打合せでも「新しい海外番版のKPIを作らなければいけない。すでに日本の海外収入は830億円に達しているが、次はどうするのか。」との問題提起もあった。
竹内氏は「テレビ局(≒ローカル局)はコンテンツ軸のビジネスにどのように向き合うべきか?」のタイトルで発表を行う。「放送局はやはりコンテンツビジネスの観点から新しいビジネスモデルを開発しないと危ない」との危機感は切実だ。関西テレビは早くからNetflixなどにドラマを配信しており、特に質を重視している。「Netflixはクリエイティブファーストの評価軸を持っているので、質を評価してくれる。」と言い、放送ではビジネスになりにくい作品の質が配信ではプラスになることにも言及してくれた。

コンテンツビジネスの現在を確認し、未来を見通す議論

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ディスカッションパートは奥氏の進行のもとで、『SoDA』の視聴実態データを松岡氏が示し、国内コンテンツ産業の拡大・成長に向け、作品の「量」と「質」の向上が求められる中、何から取り組むべきかを議論する。さらに、「コンテンツ流通価格の高騰」や「アニメに続く実写ジャンルの海外展開」といったテーマについても、データを踏まえてアジェンダとして展開される。

視聴データを基にした分析と学識者、実務家の生の声が交わるこのセッションは、テレビと配信の新たな関係性を探る貴重な機会となりそうだ。業界関係者からも高い関心が寄せられているようだ。Inter BEEの来場登録を済ませた上で、下記リンクから申し込みを。

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