Inter BEE 2025 幕張メッセ:11月19日(水)~21日(金)

本年の来場事前登録が完了していないか、
ログイン有効期限が切れています。

2025年来場事前登録はこちら
キャプション
Special 2025.11.17 UP

【INTER BEE MEDIA Biz】基調講演「メディアの<信頼>を考える」事前レポート

IMG

メディアの<信頼>がいま、問われている。インターネットからの多様な情報の出現により、従来のマスメディアへの無条件の信頼は揺らいでいる。私たちはいま、メディアにとっての<信頼>とは何か、真摯に向き合う必要があるのではないか。INTER BEE MEDIA Bizでは「メディアの<信頼>を考える」と題して基調講演を行い、この難しいテーマに挑む。登壇するのは、東京大学教授の林香里氏、慶應義塾大学教授の津田正太郎氏、そして博報堂メディア環境研究所の山本泰士氏。モデレーターはこのセッションを企画した日本テレビ報道局の三日月儀雄氏が務める。学識者と実務家が一堂に会し、構造変化の読み解きから具体的な回復策まで、メディアの信頼について多角的な議論が展開される。

メディア不信の構造を明らかにし、解決の方向性を探る

IMG

「信頼」には「価値としての信頼」と、社会を円滑に機能させるための「社会的機能としての信頼」の二つの側面が存在すると林氏は言う。かつてマスメディアは唯一無二の情報インフラであり、人々は信頼を意識することなく、「そんなもんだよね」という無意識の慣れ親しみの中で情報に接していた。しかし現代では、メディアの多様化・多元化により、「どのメディアを信じるか」という問いが常に人々に突きつけられるようになった。これにより信頼の性質は無意識下の「機能」から、意識的な「価値判断」の対象へと変化しているという。

IMG

津田氏は、より具体的な現代的課題、特に「意図的に作られるメディア不信」に焦点を当てる。現代のメディア不信は単なる受け手の変化だけでなく、一部の政治的アクターによる方針や策略の一環として意図的に煽られている側面がある。
複雑な社会要因が重なる中で、特効薬が存在しない現実もあるが、信頼回復の方向性として津田氏は、メディアが社会との連携を深める「エンゲージメント・ジャーナリズム」を示唆する。現代のメディアが信頼を再獲得するには、完成品としての情報だけでなく、それが出来上がるまでの思考プロセスや選択の理由を開示し、「オーセンティシティ(真正性)」を高めることが不可欠だという。

裏付けとなるデータも示しながら、信頼回復の道筋を見出す

IMG

博報堂の山本泰士氏からは、生活者への調査や各種統計データなどを踏まえた分析が提示される。。例えば、若者層において、ほかの世代と比較して「インフルエンサーの情報」や「拡散されている数が多い情報」をより信頼する傾向があるという。

当日の基調講演では、多様で複雑化するメディア環境に関する現状認識、「信頼」の捉え方などについて各登壇者からそれぞれ10分ほどの説明があり、それをもとに具体的な課題を掘り下げ、信頼回復の方法と今後の展望へと議論が進められる。
メディア業界の未来を左右する重要なテーマについて、第一線の識者による示唆に富んだ討論が期待されるだろう。Inter BEE 公式サイトから参加登録を済ませた上で下記リンクから早めの申込みをお勧めする。

  1. 記事一覧へ