Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金) Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金)

キャプション
Special 2026.08.18 UP

【Hollywood Report】ピクサーで108人規模のレイオフ/ディズニー全社のコスト削減の一環

鍋 潤太郎 / Inter BEEニュースセンター

IMG
画像:ピクサー・アニメーション・スタジオのメインゲート。(筆者撮影)

〇はじめに

7月末のある朝、コーヒーを飲みながらSNSを見ていたら、ピクサー・アニメーション・スタジオ(以降、ピクサー)で勤務している筆者の友人のアカウントに「自分はレイオフされる運命に直面している」(英語)という投稿があり、仰天した。

すぐにオンラインで検索をしてみたところ、確かに、ハリウッドの各メディアがこのニュースをこぞって報じていた。

〇108人規模のレイオフ

これらの報道によると7月21日、ディズニーはグループ全社的な人員削減を発表し、その影響がピクサーにも及んだのだという。

カリフォルニア州エメリービルにあるピクサー本社で約108人が対象となった。プロダクション・マネージメント部門/オペレーション部門/クリエイティブ職・技術職など広範囲に及び、クリエイティブ職・技術職では、テクニカルディレクター、ストーリーアーティストなど、様々なポジションのクルーが含まれている。

ただ、7月末で即解雇という訳ではなく、多くの人は9月26日が最終出勤日とされているそうで、友人の「レイオフされる運命に直面」という書き込みの真意が、ここから伝わってくる。

〇ディズニーの全社的なダウンサイジングの影響

今回のレイオフはディズニーの全社的なダウンサイジングの一環で、その対象にはディズニー傘下にある企業:ピクサー、ナショナルジオグラフィック、スポーツ専門局ESPNが含まれているという。

ディズニー・アニメーション・スタジオとILMがその対象に含まれなかったのは、不幸中の幸いであろう。しかし、圧倒的人気と予算が潤沢にあるスポーツ業界の専門局であるESPNが、対象となったのは意外と言えば意外である。

そういえば、今年の5月頃だっただろうか。ディズニー系列のスタジオで勤務している友人から、「”この夏にレイオフがあるかもしれない”という噂が出ていて、みんな心配している」という話を聞いていた。残念な事に、その噂が現実のものになってしまったという事なのだろうか。

〇ピクサーは2年前にも大規模なレイオフ

実は、ピクサーでは2024年にも大規模なレイオフがあり、その時は全体の約14%にあたる175人が対象となった。
今回はそれに続く、比較的大きなレイオフとなる。

ピクサーの現在の全クルーは推定で1,100人とされ、今回の108人のレイオフは、全体の9%にあたる。10~11人に1人くらいの比率である。

〇今年公開されたピクサー作品2本を解析してみたが

ピクサーは、2026年度は長編アニメーション作品を2本もリリースしており、これは筆者個人としては大変驚きであった。その理由は単純だ。なぜなら、公開時期が近い長編映画2本のプロダクションを同時期に同じスタジオ内で走らせるのは、大変だからである。

まず映画『私がビーバーになる時』は今年3月6日に全米公開され、ワールドワイドで約$389ミリオンを売り上げる強力な数字を弾き出している。

続いて映画『トイストーリー5』は間髪を入れず3ヵ月後の6月19日に全米公開され、ワールドワイドで$1ビリオンを超える売り上げを達成している。

これらの数字を見る限りでは、レイオフを実施しなければならない要素はあまり見えて来ないのだが……
親会社の、昨今をとりまく様々なビジネス事情により、今回のようなレイオフが実際に行われたことについては、大変残念である。

特に筆者にとっては、今回は友人が影響を受けていることもあり、身近な出来事に感じている。

IMG
画像:ややピンボケだが(汗)、映画『トイストーリー5』を公開中の、LAのセンチュリーシティにあるAMCシアターにて。5月に撮影。(筆者撮影)

〇おわりに

ディズニー関連の話題としては、今年4月にも、グループ全体で1,000人規模のレイオフが実施され、中でもマーベル・スタジオのビジュアル開発部門がニューヨークとバーバンクの両方のオフィスで、マーベル・スタジオ全クルーの8%にあたる人数(実際に影響を受けた人数は不明)が解雇されるなど、業界を震撼させるレイオフが続いている。

今後も、業界の動向からは、ますます目が離せない、今日この頃である。

  1. 記事一覧へ