Inter BEE 2022

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Special 2021.12.21 UP

【Inter BEE CURATION】アフターコロナ:誰がテレビスクリーンを制するのか~INTER BEE CONNECTED 企画セッションレポート(後編)

編集部 Screens

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、InterBEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、Screensに2021年12月17日に掲載された「アフターコロナ:誰がテレビスクリーンを制するのか~INTER BEE CONNECTED 企画セッションレポート(後編)」記事です。お読みください。

アフターコロナ:誰がテレビスクリーンを制するのか~INTER BEE CONNECTED 企画セッションレポート(後編)

日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2021」(主催:一般社団法人電子情報技術産業協会=JEITA)が、11月17~19日、リアル会場となる幕張メッセとオンライン開催の両立てで開催された。

今回は、その中から放送・ネット・ビジネスの“CONNECT”がテーマとなっているイベントの目玉企画のひとつ「INTER BEE CONNECTED」より、企画セッション「アフターコロナ:誰がテレビスクリーンを制するのか」の模様を、前後編にわたりレポート。後編では、注目が集まっているコネクテッドTV(ネット接続されたテレビ、以下CTV)の話題を中心にレポートする。

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CTVでのネット動画視聴が急激に増えている

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電通の森下氏は、メディア接触が急激に伸びて注目されているCTV利用の現状について、電通メディアイノベーションラボの調査をひも解きながら説明を行った。この調査は「テレビ受像機でネット動画サービスを過去1カ月以内に利用した」「テレビ受像機をネットに接続しているが、ネット動画サービスは利用していない」の2つの系列で行われた。

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まず森下氏は、「前回調査を行った2年前と比べると2つの傾向が顕著に表れた」と言って、CTVとテレビ受像機との関与データを提示。「CTV利用率が2年前の32.7%からは39.4%に伸びた。その一方で、CTVを利用しているがそのテレビでネット動画を視聴していない層は8.8%で、レアと言っていい存在になった。ネット接続されていないテレビの比率は45.5%まで下がってきている」と伝えた。

まず森下氏は、「前回調査を行った2年前と比べると2つの傾向が顕著に表れた」と言って、CTVとテレビ受像機との関与データを提示。「CTV利用率が2年前の32.7%からは39.4%に伸びた。その一方で、CTVを利用しているがそのテレビでネット動画を視聴していない層は8.8%で、レアと言っていい存在になった。ネット接続されていないテレビの比率は45.5%まで下がってきている」と伝えた。

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そしてもう一つのポイントは、テレビ受像機でのネット動画サービス利用状況のデータにおいて、過去の調査では一貫してボリュームゾーンが大きかった共有系動画サービス利用率(15.6%)を、有料動画配信サービス利用率が17.2%と初めて上回ったこと。「コロナ禍により自宅で過ごす時間が増える中、有料動画サービスの契約率が上昇し、また、そのサービスを家の中にある大画面のテレビ受像機で観ようという方が増えたと考えられる」と森下氏は分析した。

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誰と一緒にCTVでネット動画を観ているのか、というデータでは「少し面白い傾向」が確認されたと言う。全体的には自分一人で視聴する比率と、複数人で視聴する比率は拮抗している。20代、50代においては自分一人で視聴する傾向がやや強い。この点についてモデレーターの奥氏は、「大型テレビはリビングルームにあるのがほとんどで、ファミリー視聴に向いているコンディションにあるからではないか」と指摘した。

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そして、テレビ受像機で視聴されるネット動画のジャンル別分析では、「YouTubeに代表される共有系動画サービスではミュージックビデオやゲーム系などのジャンルも大画面でよく視聴されているのは面白い傾向」だと語った。

さまざまな事象が読み取れる時系列・調査データの大切さを改めて確認する

続いて日本放送協会の渡辺氏が、NHK放送文化研究所のデータを紹介し、この中で面白い調査として、幼児(2~6歳)のインターネット動画の視聴機器(2021年)を取り上げた。

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この調査は幼児の保護者が回答しているが、「お子様は動画を何で見ていますか?」という問いの結果は、テレビが65%と圧倒的に多く「この数字には、本当にびっくりしました」と渡辺氏は言う。スマートフォンとタブレットはともに39%(複数回答のため重複あり)で、奥氏は「我々の常識とは違うことが起きている」と所感を述べた。

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スピーカーはABEMAの山田氏に替わり、ABEMA視聴におけるデバイス別構成比のデータが示された。年次は2017年から2年おきのもので、テレビ(CTVでの視聴)が4%、7%、14%と順調に伸びていることが確認された。

山田氏は、「リモコンのボタン装備などテレビデバイスへの対応も済んでいますので、これからテレビ受像機が新しく買い替えられるたびに、CTVでの視聴は大きく伸びていくと考えられます」と語った。

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次に提示されたデータは、ABEMAの視聴時間帯利用傾向。地上波のように朝や昼の山はなく、早朝から地上波のプライム帯の時間まで右肩上がりのグラフとなっている。地上波から離れた層がデジタルメディアを利用していると見えるが、山田氏は「(朝~昼までの地上波の強さを勘案して)朝の時間帯をより一層活用するのがいかに大事かということが分かりました」と述べた。

一方で、ABEMAなどのサービスについて奥氏が「いつ観ても必要なニュースなどが観られること、事件・災害報道では時間尺に縛られずに編成できるという期待感があります」とその意義を語ると、山田氏は頷き、「ビジネスマンの方々はいつもテレビの前にいるわけではないので、必要な時はスマートフォンでABEMAを観るという文化ができ始めている」と続けた。

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セッションの締めくくりとして、登壇者が次のようにまとめのひと言を述べた。「弊社のサービスとしては、CTVの普及は大きなチャンスポイントです。サービス展開をもっと広げていきたい」(山田氏)。「CTVでの動画視聴はこの1~2年のコロナ禍で普及率も上がり様相が変化しています。引き続き注視したいと思います」(渡辺氏)。「このセッションタイトル(誰がテレビスクリーンを制するのか)に対する明確な答えはないです。普及も含めて、群雄割拠の状態に入っていると思います」(森下氏)。

最後に奥氏が、「自宅にいる時間が増えてきているのは確かで、それに合わせてメディア行動もかなり変化しています。視聴率とネット状況も含め、今回紹介したような時系列データもぜひ参考にしてほしい」とメッセージを伝えセッションは終了した。

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