Inter BEE Online Inter BEE 2020  11.18-20

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Special 2019.11.09 UP

【INTER BEE FORUM 基調講演2】スポーツ・エンターテインメントにおけるデジタルテクノロジー活用の最前線 世界最大のスポーツ、ライブコンサート運営企業AEG 日本代表の北谷氏が日本の課題と展望を語る

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基調講演2のモデレーターを担当する、日本テレビ の佐野徹氏(左)がAEG アジア担当エグゼクティブ副社長兼日本代表の北谷賢司氏(右)を訪問し、講演テーマであるスポーツ・エンターテインメントにおけるデジタルテクノロジーについてインタビューした

 Inter BEE 2019の初日の午後に開催される基調講演2「デジタルテクノロジーでさらに輝くこれからのスポーツ」は、スポーツ・エンターテインメントでの最先端のデジタルテクノロジー導入について、前回のオリンピックなど、具体的な事例を紹介しながらのセッションが開催される。

 登壇者には、世界最大のエンタテイメント施設、スポーツ、ライブ音楽コンサート複合企業AEG アジア担当エグゼクティブ副社長兼日本代表の北谷賢司氏が登壇する。

 基調講演2の開催に先駆け、この基調講演2のモデレーターを務める日本テレビ放送網株式会社 スポーツ局スポーツ事業推進部(兼)社長室企画部 部次長でプロデューサーの佐野徹氏が北谷氏を訪問し、基調講演2での北谷氏の講演内容について打ち合わせを兼ねたインタビューを実施した。

 Inter BEE 2019は入場無料。基調講演の聴講には入場登録、および予約が必要です。公式Webサイトで⼊場事前登録受付中。
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日米でスポーツ、音楽エンタテインメントの大型案件を数多く実現

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日米のスポーツ、音楽エンタテインメント業界で、数々の超大型案件を手掛けてきた北谷氏

 北谷氏は、米国の大学にて通信法、メディア経営の修士号と博士号を取得。母校ワシントン州立大学助教授となり放送報道、制作、メディア経営を担当。80 年代初期から日本の放送産業、商社から北米のメディア・エンタテイメント産業における実務を伴う顧問を委嘱され、日本テレビ放送網では「鉄腕アトム」や「バチカン・システナ聖堂壁画修復ドキュメンタリー」英語版の脚本監修と制作を行った。また、TBS米国法人、オランダ法人、TBSメディア総合研究所の設立と経営にも携わっている。

 さらに、東京ドームでは本社取締役兼米国法人社長に就任し、ローリング・ストーンズやマイケル・ジャクソン、マドンナなどの大型音楽興行やNFLアメリカンボウル、NBA公式戦などを自社招聘するなど、国内最大の国際興行事業者としての地位を獲得。SONYでは、執行役員兼米国本社エグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任され、米州に於ける映画、音楽、電器事業のマーケティング統括を務められたほか、SONYグループのイベントである「ドリーム・ワールド」や「PGAツアー・ハワイアン・オープン」などの企画、運営を担務するなど、日本のスポーツ、メディアにおいて多岐にわたる活躍をしている。
 00年からワシントン州立大学の財団理事、05年からコミュニケーション学部栄誉教授に就任し、現在でもメディア・エンタメ経営学の講義を続けており、数多くの書物も手掛けている。


 以下は昨日、パネルディスカッションでモデレーターを務める、日本テレビ放送網スポーツ局スポーツ事業推進部 部次長の佐野徹氏による北谷氏のインタビュー。

日本には「デジタリゼーション」が足りない

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基調講演2のモデレーターを務める日本テレビ放送網株式会社 スポーツ局スポーツ事業推進部(兼)社長室企画部 部次長でプロデューサーの佐野徹氏

 佐野(敬称略、以下同)「北谷さんは、スポーツ・エンタテインメント・ビジネスの世界でさまざまな実績を重ねられ、現在はAEGで、アジア担当エグゼクティブ副社長兼日本代表として活動されていますが、世界のスポーツ・エンタテインメント・ビジネスにおけるデジタルテクノロジーの導入状況と比べ、日本スポーツ・エンタテインメント・ビジネスが足りない部分はどのようなところだと思われますか」
 
 北谷「今回の講演でも触れさせて頂くキーワードですが、一言でいえば『デジタリゼーション』です。スポーツ興業はこれまで、開催される会場にお客様を集め、チケット収入を得るという、一過性のビジネスでした。米国では、スタジアムなどの建造物をスマート化し、さらにモバイル・アプリケーションを情報提供のツールとして加えることで、劇的な変化をもたらしています。スポーツファンの日常生活における消費活動全体にすっかり入り込んでいる状況です。日本はまだ、そうした状況になっていませんね」

5Gが新たなスポーツ・エンターテインメントの契機に

 佐野「日本がそうした展開を実現するには、どうしたらいいでしょうか」

 北谷「きっかけとしては、来年からの5Gの導入ですね。通信の遅延がなくなり、圧縮技術が改善されることにより、動きの速いスポーツでも、よりなめらかな映像を楽しむことができるようになります。映像の品質向上に加えて、チャットなど利用者の独自の情報交換がテキストや静止画から動画主体になっていくでしょう。欧米では、スポーツファンが独自に立ち上げたチャンネルが、多くのスポーツファンに注目され、さらにそこに大手のスポーツ関連企業が広告を出稿するという動きが盛んになっています。スタジアムや自宅でのスポーツ観戦においても、実際の競技をファーストスクリーンとすれば、こうしたファンによるチャンネルをセカンドスクリーンとして楽しむ傾向が主流になっています」

権益確保よりファンを取り込む方策を

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熱のこもったインタビューから、本番の基調講演2では、さらに踏み込んだ、具体的な討論が展開されることが期待される

 佐野「日本でも今後、そうした動きが起きるとすると、メディアはどうするべきだと思われますか」

 北谷「メディア、特に放送は許諾事業という中で既得権益を確保しています。しかし、放映権などの権利をかざしてそうした動きを押しとどめようとするよりは、共に盛り上げる側になるほうが大きな利益につながるはずです。英国のマンチェスターユナイテッドには、グラウンドの外でファンによる実況中継をするライブ配信が15チャンネルもあります。実際のスポーツの映像を長時間流すのではなく、自分たちの解説やコメントを主体に流しているわけです」

 北谷「プロスポーツの運営についても同じことで、ファンは本音で語り合えることが重要で、公式サイトでチームの都合の良いように編集された映像や情報はもう見てもらえなくなっているのです。チームやスポンサーも、こうしたファンサイトを裏から支援する形で盛り上げる方向にシフトしています。欧米の大手スポーツメーカーも、そうしたところに目を向け始めています」

日本のスポーツ・エンタテインメントの未来について討論 

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インタビュー当日、同じく基調講演2のパネルディスカッションに登壇予定の東京大学アメリカンフットボール部 監督の三沢英生氏(中央)も同席し、基調講演の打ち合わせが行われた

 北谷氏による、スポーツにおける世界のデジタルテクノロジー導入の最新動向についての講演をベースに、日本における今後のスポーツ・エンターテインメントのあり方、メディアを含めた日本のICT関連企業の課題、方向性について討論する。

 パネルディスカッションには、ラグビーワールドカップ日本大会の成功を様々な形でサポートし続けてきた元ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗氏、スポーツブランディングジャパン株式会社 代表取締役社長で、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 開会式・閉会式担当 エグゼクティブプロデューサーの日置貴之 氏、株式会社ドーム 取締役常務執行役員CSOで、東京大学アメリカンフットボール部 監督の三沢英生氏が参加し、アスリート視点、ラグビーワールドカップで得た知見、東京オリパラ大会に向けた動向を交えながら議論が交わされる。

【基調講演2「デジタルテクノロジーでさらに輝くこれからのスポーツ」】

■開催日時:11月13日(水)15:30〜17:00
■会場:幕張メッセ 国際会議場「コンベンションホールA」
■パネリスト
○廣瀬 俊朗 氏
元ラグビー日本代表主将
株式会社HiRAKU代表取締役
俳優

○北谷 賢司 氏
米アンシューツ エンタテイメント グループ (AEG) 
アジア担当エグゼクティブ副社長兼日本代表
ワシントン州立大学栄誉教授
金沢工業大学教授

○日置 貴之 氏
スポーツブランディングジャパン株式会社 代表取締役社長
(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
開会式・閉会式担当 エグゼクティブプロデューサー
イージープロダクション株式会社 取締役

○三沢 英生 氏
株式会社ドーム 取締役常務執行役員CSO
東京大学アメリカンフットボール部 監督
筑波大学客員教授

■モデレーター
○佐野 徹 氏
日本テレビ放送網株式会社
スポーツ局スポーツ事業推進部
(兼)社長室企画部 部次長、プロデューサー

◆Inter BEE 2019 開催概要◆

■会期:2019年11月13日(水)~11月15日(金)〔3日間〕
■展示時間:11月13日(水)・14日(木)10:00-17:30/15日(金)10:00-17:00
■会場:幕張メッセ(展示ホール1~8、イベントホール、国際会議場)千葉市美浜区中瀬2-1
■入場:無料(登録制)
■主催:一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
■後援:総務省、経済産業省(建制順)
NHK、一般社団法人日本民間放送連盟、一般社団法人電波産業会(順不同)

 Inter BEE 2019は入場無料。基調講演の聴講には入場登録、および予約が必要です。公式Webサイトで⼊場事前登録受付中。
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