Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金) Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金)

キャプション
Industry Curation 2026.04.10 UP

【Inter BEE CURATION】【ひと研究所26年最新調査】「推しがいる」人はついに4割超!推し活に月10万円以上使う人は20代が最多

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

IMG

※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

1. はじめに―ますます広がりを見せる<推し活>

<推し>や<推し活>という言葉は、いまや一部のファン文化にとどまらず、生活者の日常語として定着しつつあります。アイドルやアニメキャラクターを応援するといった従来のイメージを超え、最近ではジャンルを問わず、推しのグッズを身に着けたり、SNSで推しに関する投稿や"切り抜き動画"を共有したりと、日常生活の中に推しを自然に組み込む行動が広がっています。

ビデオリサーチの生活者シンクタンク「ひと研究所」では、2024年以降、推し活に関する継続的な調査を実施してきました。昨年の分析では、いわゆる"沼っている"人ほど、「時間を使う」「発信する」「交流する」という行動を組み合わせて推し活を楽しんでいることが明らかになっています。

では現在、推し活はどのくらいの人に広がり、どれほどの時間とお金を使われているのでしょうか。2026年2月に実施した「推し活・ファンエンゲージメント調査2026」の速報結果から、最新の推し活実態を読み解きます。

2. すべての世代で拡大中!推し活は"若者だけ"の文化ではない

まず、推し活をしている人の割合を2024年、2025年調査と比較すると、すべての年代で上昇していることがわかりました。全体(15〜69歳)で見ると、推し活をしている人の割合は40.9%と4割に達しています。特に20代では、2024年から+10.7ptと大きく伸長し、約6割が推し活をしている状況です。
注目したいのは、40代以上でも右肩上がりで推し活人口が増えている点です。推し活はもはや特定世代のカルチャーではなく、ライフステージを問わず浸透する行動様式になりつつあると言えるでしょう。人生の中で「熱量を注げる対象」を持つこと自体が、生活の質を高める要素として再評価されているのかもしれません。

IMG
【図1】 <推し>がいる・ある人の割合(2024年、2025年、2026年比較)※図1に掲載の2024年調査データは、2025年、2026年の調査データと厳密に比較するために、住民基本台帳の性年代別構成比を基に、新たにウェイトバック集計を実施したスコアを掲載しています。

3. 最近人気の<推し>は?

では、生活者にとってどのようなジャンルが推しの対象になっているのでしょうか。以下のグラフは、<推し>がいると答えた人に、「最も推しているもの」のジャンルを質問した結果の上位20項目を、2025年調査と比較して示したものです。

2025年に引き続き、1位は「日本のアイドル」となりました。
一方で、「歌手・ミュージシャン・バンド・音楽家」「スポーツ選手・チーム」「キャラクター」「ゲームのキャラクター」といったジャンルはいずれも前年から伸長しており、推しの対象がより幅広い分野へと広がっている様子がうかがえます。

推しジャンルの具体例をみると、「Mrs. GREEN APPLE」「大谷翔平」「ちいかわ」「ポケモン」などの名前が多く挙がっており、2025年から2026年にかけて話題性や露出の高まった存在が、推しとして選ばれやすくなっていることが読み取れます。

これらの結果から、日本のアイドルを中心としつつも、音楽、スポーツ、キャラクターといったジャンルへと支持が分散・拡張しており、その時々の話題性や共感性が、推し選択を後押ししている可能性が示唆されます。

IMG
【図2】<推し>のジャンル(最も推しているもの TOP10 2025年、2026年比較)

また、最新の<推し>ジャンルを年代別にみると、10〜30代では「日本のアイドル」が最も高く、若年層を中心に、アイドルが推し活の中心的な存在であり続けていることがわかります。

一方で、40〜60代では「歌手・ミュージシャン・バンド・音楽家」が最も高く、年代が上がるにつれて、アーティストや音楽そのものへの支持が強まる傾向が見られました。これまでの人生経験や嗜好の積み重ねの中で出会ってきた作品や表現者を、長く味わい、向き合う対象として推している様子がうかがえます。

IMG
【図3】<推し>のジャンルTOP5(最も推しているもの。年代別詳細)

4. 推しは"見る"だけじゃない、他者とつながるためのサイン

推し活行動を65項目に分けて分析すると、全体で最も多かったのは「公式の動画・配信コンテンツを見る(YouTube等)」でした。特に10代では約7割に達しており、動画プラットフォームが推し活の入り口として大きな役割を果たしていることがわかります。

さらに注目したいのが、10代では「YouTubeや配信の再生回数を増やす」という行動が60.9%と、他の年代と比べて高い点です。単に視聴するだけでなく、再生回数を意識した行動が多く見られることから、若年層ではプラットフォーム上での反応や数値を通じて、推しを支える関わり方が選ばれている可能性が考えられます。

一方で、50〜60代では「テレビ番組を見る(リアルタイム)」の割合が高く、若年層とは異なる傾向が見られました。若年層ではYouTubeなどの配信サービスを中心に推しと接しているのに対し、50代以上ではテレビのリアルタイム視聴を通じて推しに触れる行動が比較的多く、推し活におけるメディア接触のかたちには年代差があることがわかります。

また、上位には「『○○(推しの名前)』の推しであることを周囲に公言する」という行動もランクインしました。20代や60代で最も高く、推し活が自分らしさを表現する手段として機能している様子が読み取れます。推し活は「個人的な楽しみ」にとどまらず、「他者とつながるためのサイン」として、周囲との関係性の中で自分を示すコミュニケーションの一部としても機能しているかもしれません。

このように、推し活の基本的な行動には共通点がある一方で、どのメディアを起点とし、どのような関わり方を選ぶかは年代によって異なっています。推し活は、それぞれの生活環境やメディア接触習慣に沿ったかたちで実践されている様子がうかがえます。

IMG
【図4】推し活行動TOP10

5. 「時間」も「お金」も推しへー推し活に"月10万円超"最多は20代、約14万人規模と推計

推し活に、生活者はどのくらいの「時間」と「お金」を使っているのでしょうか。

推し活に使う「時間」を見ると、全体では1週間の自由時間289.4分のうち、94.2分が推し活に充てられていました。つまり、自由時間の約3割が推し活に使われている計算になります。

年代別に見ると、10代・20代がいずれも約4割と高く、推し活が日常中で大きな位置を占めていることがわかります。推し活は単なる娯楽にとどまらず、気分転換や心身を整えるための時間として、生活の中に組み込まれている可能性が考えられます。

IMG
【図5】自由に使える時間(週平均)/推し活に使う時間(週平均)

次に、推し活にかける「お金」を見てみましょう。
1か月あたりの推し活支出について、金額の分布を踏まえて中央値でみてみると、全体では3,000円となりました。年代別では20代が5,000円と、他の年代に比べて高く、推し活への支出水準が相対的に高いことがわかります。

また、支出額の大きい層に注目すると、20代で推しがいる人のうち、月に10万円以上を推し活に使っている人は1.9%にのぼり、推計で約14万人規模※と見込まれます。多くの人が少額から中額の範囲で推し活を楽しむ一方で、推し活を最優先の消費先とし、まとまった金額を投じている層も一定数存在していることも、今回の調査から明らかになりました。

※総務省「住民基本台帳」(2025年)に基づく全国20代人口推計(12,868,207人)に対し、「推し活・ファンエンゲージメント調査2026」における
①推しがいる人の割合(57.4%)
②そのうち、月10万円以上を推し活に使っている人の割合(1.9%)
を掛け合わせて算出した推計値です。
(12,868,207 × 0.574 × 0.019 ≒ 140,341人)

IMG
【図6】推し活に使った金額(1か月平均)

支出の内訳を年代別に見ると、10〜40代では「グッズ」への支出が最も高く、若年層ほど、推しを身近に感じられる"モノ"としての消費が中心になっている様子がうかがえます。

一方で、50〜60代では「鑑賞のための作品購入(CD・DVD・配信映像・書籍・ゲームなど)」が最も高く、年代が上がるにつれて、作品そのものをじっくり味わうコンテンツ鑑賞にお金をかける傾向が強まっています。

さらに、50〜60代では「ライブ・イベントチケット(リアル参加)」や「遠征費(交通・宿泊など)」も他の年代に比べて高く、推しに直接会う、作品にリアルに触れるといった"その場で体験する価値"にお金を使う傾向が見られました。

こうした結果から、推し活における支出のあり方は一様ではなく、若年層では"所有する楽しみ"が中心である一方、年代が上がるにつれて、時間的・金銭的な余裕を背景に、"体験し、味わう楽しみ"へと重心が移っていると考えられます。

IMG
【図7】推し活支出の内訳

6. 推し活から読み解く、これからの生活者理解

今回の調査から、推し活は一過性のブームではなく、生活者の時間配分や消費行動に深く組み込まれた行動様式であることが明らかになりました。推しは単なる「好きな対象」にとどまらず、人の感情を動かし、行動を生み、さらには人と人とをつなぐコミュニティを形成する存在でもあります。

企業やメディアにとって重要なのは、単に<推し活>という文脈を取り入れることではありません。推し活をする生活者がどのような気持ちの流れの中で行動し、時間やお金を使っているのか。その背景を理解したうえで、共感を得られる接点をどのように設計していくかが、より一層問われています。

今後「ひと研究所」では、推し活をする人の深層心理にも踏み込みながら、さらなる研究・発信を行っていく予定です。推し活という行動をヒントに、これからの生活者理解を一歩先へ進めてみてはいかがでしょうか。

【ひと研究所 推し活・ファンエンゲージメント調査2026 調査概要】
調査日 :2026年2月9日(月)~2月12日(木)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :9,112(スクリーニング調査)、2,639(本調査)
対象者属性 :男女15~69歳

【ひと研究所 推し活・ファンエンゲージメント調査2025 調査概要】
調査日 :2025年1月31日(金)~2月2日(日)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :13,786(スクリーニング調査)
対象者属性 :男女15~69歳

【ひと研究所 推し活調査2024年2月 調査概要】
調査日 :2024年2月6日(火)~2月7日(水)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :4,234(スクリーニング調査)、1,437(本調査)
対象者属性 :男女15~69歳

  1. 記事一覧へ