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【ビデオリサーチ調べ】視聴率でみるサッカーワールドカップ~視聴率で過去6大会分の日本戦を振り返る~

首都圏ユニットリサーチアナリシスグループ 山根祥汰 VRダイジェスト+

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【この記事はこんな方にオススメ!】
✅過去のサッカーワールドカップの日本戦を振り返りたい方
✅サッカーワールドカップの視聴率に興味のある方
✅サッカーワールドカップの影響力を知りたい方

1. はじめに

2022年11月20日(日)から12月18日(日)にかけて、カタールにて「FIFAワールドカップカタール2022」が開催されます。7大会連続で出場権を得た日本は1次リーグE組をドイツ、コスタリカ、スペインと対戦します。前回大会に続いて1次リーグ突破、そして初の8強入りが期待されます。
今回は開幕直前のサッカーワールドカップに向け、当社が保有する「視聴率」データにて過去6大会分、それぞれの大会の日本戦における視聴状況を確認していきます。
※記載の放送日、放送時間はすべて日本時間

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視聴率

2. サッカーワールドカップ予選・ドーハの悲劇(1993年)

日本のワールドカップを語るうえで欠かせないのが、Jリーグ開幕イヤーの1993年に行われたアメリカワールドカップ・アジア地区最終予選のvsイラク戦です。
日本代表は初のワールドカップ出場を目前にしていましたが、1点リードの後半ロスタイムにショートコーナーから得点を許し、試合は引き分けに終わります。試合前はグループリーグ首位でしたが、数分先に試合が終わった他会場での結果により3位に転落し予選敗退となり、今なお「ドーハの悲劇」として語り継がれています。当時リアルタイムで視聴できなかった方でも、敗退する場面をスポーツ番組等で目にしたことがあるのではないのでしょうか。

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図1:1993年ワールドカップアジア予選vsイラク戦(関東地区)

そんな「ドーハの悲劇」となったアジア予選vsイラク戦の視聴率は48.1%。
ワールドカップ初出場を賭けた戦いに国民の注目は大きく集まりました。

3. 初出場!フランス大会(1998年)

ドーハの悲劇で出場を逃したアメリカ大会から4年、日本はアジア予選を勝ち残りフランスワールドカップへの切符を掴みました。
初出場となったフランス大会では、それまでの予選を中心メンバーとして戦ってきた三浦知良と北澤豪が登録メンバーから外れるといったことが大きな話題となりました。
初のワールドカップはグループリーグ敗退と悔しい結果となりましたが、そんなフランス大会の視聴状況を確認してみます。

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図2:1998年フランスワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

日本にとってワールドカップ初試合となったvsアルゼンチン戦の世帯視聴率は60.5%、2戦目のvsクロアチア戦では、それを上回る60.9%を記録。
世帯視聴率が60%を超えたのは、1985年の「NHK 紅白歌合戦」以来です。
3戦目のvsジャマイカ戦に関しては、放送開始が22:52と他の2試合と比べての遅い時間帯のスタートとなりましたが、それでも世帯視聴率は52.3%。改めてワールドカップの注目度をうかがえる結果となりました。

4.自国開催で初の決勝トーナメント進出 日韓大会(2002年)

アジアで初めてワールドカップが行われた本大会は、日本と韓国の共同開催となりました。2度目の出場となった日本代表は、トルシエ監督のもと第2戦でワールドカップ初勝利の快挙を成し遂げ、グループリーグを1位で突破。初の決勝トーナメントへと足を進めました。決勝トーナメントでは1回戦で敗退となりましたが、2大会目にして初の母国開催となった本大会に日本中が熱狂の渦に包まれたことでしょう。

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図3:2002年日韓ワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

日本が初勝利を決めたvsロシア戦の世帯視聴率は66.1%。「第14回NHK紅白歌合戦」(1963年、81.4%)、「東京オリンピック大会(女子バレー・日本vsソ連 ほか)」(1964年、66.8%)に次ぎ、ビデオリサーチが1962年12月3日に視聴率調査を開始して以来歴代3位の視聴率を記録しました。

5. 中田英寿引退 ドイツ大会(2006年)

3回連続でワールドカップ出場を果たした日本代表は、グループリーグで強豪ブラジルと対戦。試合開始早々に玉田圭司が先制点を決めましたが、終わってみると1-4で大敗。グループリーグも敗退し、大会後には世界を舞台に活躍していた中田英寿が29歳の若さで現役引退を発表しました。

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図4: 2006年ドイツワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

vsクロアチア戦の世帯視聴率は52.7%、vsオーストラリア戦の世帯視聴率は49.0%でした。
vsブラジル戦に関しては、日本戦の中でもっとも視聴しづらい時間帯での放送となりましたが、それでも前半は22.8%、後半は37.2%と早朝にもかかわらず多くの視聴を集めました

6. 深夜にも関わらず異例の視聴率 南アフリカ大会(2010年)

4大会連続出場を決めた日本代表は、スナイデル、ファンペルシーなどスター選手擁するオランダ、エトー率いるカメルーン、期待の新星ベントナーに注目が集まるデンマークと同じグループでグループリーグを戦いました。デンマーク戦での本田圭佑の無回転フリーキックを1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。本大会では2002年の日韓ワールドカップ以来2度目の決勝トーナメント進出を果たすも、1回戦でパラグアイにPK戦の末惜しくも敗れ、初のベスト8進出にはなりませんでした。

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図5:2010年南アフリカワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

本大会の視聴率で注目すべきは、決勝トーナメント1回戦のvsパラグアイ戦でしょう。延長戦に関しては放送時間が深夜1時であることにもかかわらず、世帯視聴率は53.5%を記録しました。最後まで戦い抜いた日本代表への関心の高さが表れていると言えます。

7. 海外勢を多数擁するも厳しい結果に ブラジルワールドカップ(2014年)

5大会連続の出場となった日本代表は、南アフリカ大会でも活躍した本田圭佑、長友佑都、内田篤人、ブンデスリーガやプレミアリーグで優勝を経験した香川真司などヨーロッパの強豪チームで活躍する選手たちがチームを牽引。日本代表として初のベスト8入りが期待されました。グループリーグ初戦のvsコートジボワール戦では日本が先制点を決めますが、コートジボワールの英雄ドログバが途中出場すると一気に流れが相手側に変わり1-2と逆転負け。相手選手の退場もあり数的有利で戦ったvsギリシャ戦も引き分けに終わり、後がなくなった日本代表はハメス・ロドリゲスの活躍著しい強敵コロンビアに挑みますが、結果は1-4で惨敗。グループリーグ最下位で幕を閉じました。

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図6:2014年ブラジルワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

本大会はブラジル開催であったため時差が12-13時間と大きく、日中・早朝に試合が行われました。仕事や学校などで見たくても見られなかった方も多いのではないでしょうか。そのような中でも初戦のvsコートジボワール戦は日曜日の開催ということもあり、前半で世帯視聴率42.6%、後半で46.6%を記録しています。日本代表が先制点を決め、後半にかけて勝利への期待が高まったことが想像できます。

8. 初のベスト8進出が目前だった ロシア大会(2018年)

6大会目の出場となった日本代表。大会直前の監督交代を経て迎えたグループリーグ初戦は、4年前のブラジル大会で惨敗を喫したコロンビアでした。試合開始早々に相手選手が退場すると、そのまま優位な状況を活かし、見事勝利を収めました。アジアのチームが南米のチームに勝利するのは大会史上初めての出来事でした。
2戦目は当時リバプールに所属していたマネ擁するvsセネガル戦。マネに先制点を決められてしまいますが、直後に乾貴士のゴールで同点。その後リードを許してしまう場面もありましたが、酒井宏樹がマネを抑え込むなどの活躍があり結果的に引き分けに持ち込みました。
3戦目は世界的ストライカーのレヴァンドフスキ擁するvsポーランド戦。試合は0-1のまま終盤を迎えますが、別会場のコロンビアvsセネガルの結果から日本が決勝トーナメント進出の可能性が見え、負けている日本がボールを回して時間を稼ぐという異様な時間が流れました。ポーランドには敗れましたが、結果的に日本はグループリーグを2位通過、南アフリカ大会以来の決勝トーナメント進出を果たします。
決勝トーナメント1回戦の相手はvsベルギー戦。こちらもアザール、デ・ブライネ、ルカク、クルトワ等ヨーロッパリーグで結果を残すスターが集まるチームでした。前半は0-0のまま試合が進みましたが、後半に入ると原口元気、乾貴士がゴールを決め2-0とリード。初のベスト8進出が目の前に見えてきましたが、後半終了間際に同点に追いつかれると、ロスタイムに逆転を許してしまい惜しくも敗退。初のベスト8進出は次回大会へ持ち越しとなりました。

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図7:2018年ロシアワールドカップ・日本戦世帯視聴率(関東地区)

初戦のvsコロンビア戦では前半で世帯視聴率42.8%、後半で48.7%を記録。後半に関しては本大会で最も高い視聴率となり、前回大会で悔しい敗北を喫した相手に勝利する姿は大いに注目を集めたことでしょう。決勝トーナメント初戦のvsベルギー戦は平日早朝と視聴が集まりにくい時間帯での開催となりましたが、それでも後半は36.4%を記録。最後の最後まで結果が分からないドラマチックな試合展開に、テレビの前の盛り上がりも加速していったと言えそうです。
また、本大会は在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)が運営する民放公式テレビポータル「TVer」やNHKの特設サイト・アプリでも一部試合のライブ配信が行われ、テレビだけの視聴に限らない新たなワールドカップの視聴の形が生まれました。

9. そして初の8強入りが期待されるカタール大会(2022年)

2022年4月にカタールワールドカップの組み合わせ抽選会が行われ、日本はスペイン、ドイツ、コスタリカと同じグループEとなりました。スペイン、ドイツはそれぞれ南アフリカ大会、ブラジル大会で優勝を経験しており、コスタリカもパリ・サンジェルマン所属のGKナバスを擁するなど今まで以上に厳しい戦いを強いられるとは思いますが、日本代表初のベスト8、さらにはそれ以上の結果を期待したいところです。
日本戦のスケジュールに関しては、1試合目のvsドイツ戦が22:00、2試合目のvsコスタリカ戦が19:00と視聴が集まりやすい時間帯です。3戦目のvsスペイン戦は早朝の4:00ではありますが、強敵相手に戦う姿に注目が集まりそうです。(※すべて日本時間)

10. 最後に

今回はワールドカップの歴史を視聴率とともに振り返ってみました。いかがでしたでしょうか?
今大会も、地上波放送だけでなく動画配信サービスでのライブ配信も行われます。視聴する場所を問わなくなったワールドカップにおいて、テレビと配信の相乗効果がどのように生まれるのか楽しみです。
4年に1度の祭典に向けて選手たちが努力する姿は、私たちにも夢や希望を与えてくれます。日本代表の活躍、そして日本国内が大いに盛り上がることを期待しています。

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