Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金) Inter BEE 2026 幕張メッセ:11月18日(水)~20日(金)

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Industry Curation 2026.07.08 UP

【Inter BEE CURATION】動画広告の効果を高める「伝え方」とは?〜成功CM事例から学ぶ3つの改善ヒント〜

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

動画広告制作における「誰に」「何を」「どうやって」

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テレビCMやWEB動画など、動画広告は生活者に情報を伝える「手段」です。

そのため、この「手段」を活用するにあたっては、
まずは「誰に(Who)」、そして「何を(What)」伝えたいのかを整理し、そのうえで「どうやって(How)」表現するかを考えていく・・・という流れで設計することが一般的です。

本記事をご覧いただいている皆さんも、すでにターゲット(誰に)や訴求内容(何を)が固まっている状態で、「どうやって(How)」表現するのか、具体的な動画広告クリエイティブ制作における改善・改良のヒントをお探しの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、3つの高評価を獲得したテレビCM=成功CMの事例からそれぞれ理由を考察し、動画広告の効果を高める「伝え方(How)」について、実務に活かせる改善のヒントをご紹介します。
【出典データソース:5,000素材以上採録、テレビCM評価データベース ビデオリサーチ「クリエイティブカルテ」】

*「誰に」「何を」の整理が不十分なまま進めてしまうと、表現の工夫だけでは想いを伝えきれないケースも多いです。この2つの整理から始めたい方は、以下もご参考ください。
自社が狙っていくべき有望な顧客の見つけ方って?~コミュニケーション戦略を成功に導く「顧客理解」の実施ステップ~

成功CMから学ぶクリエイティブの改善ヒント

・改善ヒント【論点整理】:伝えたい情報の絞り込みで、理解と記憶を最大化

1つ目は論点整理:動画の中で伝えたい情報をとりまとめる際の改善ヒントです。

それは、「伝えたい情報は絞る」こと。
一見当たり前に思えるかもしれませんが、自身が想いを込めて開発した商品(サービス)の良さを十二分に知っている作り手側の立場になると、どうしてもあれも・これも・・・と伝えたい情報を入れ込みたくなってしまうものです。

しかし、情報を詰め込むほど、1つひとつへの理解はどうしても薄まってしまいます。
そこで、伝えたい情報を極力1つに絞り、その1点にフォーカスすることで、理解と記憶を最大化できると考えられます。

具体的な成功CMの事例として、アース製薬「マモルーム」寝る前に篇をご紹介します。
本CMは、終始落ち着いたトーンで、就寝前のリビングや寝室に害虫の"予防空間"が作られていく映像が最初から最後まで続きます。商品説明のナレーションも入りつつ、テキストベースでの補足は1行だけ加えられているという非常にシンプルなクリエイティブです。

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【図2】で示しているのは、本CMで訴求していたメッセージが視聴者(関東在住の男女15~69歳)にどう受け止められたか、を要素別に評価したものです。
グレーが「一般平均値(ノーム)」、赤が「マモルーム」のCMスコアになります。
*各要素の下に書かれている「S・A・B・C・D」の表記は、「マモルーム」CMと平均値を比較した"偏差値"となります。「S評価」は最も偏差値が高いことを意味し、「D評価」が最も低いことを示します。学校の成績表と同じように考えていただけるとわかりやすいでしょう。

これを見ると、「独自性を感じる」がA評価とかなり高く、「わかりやすい」もノームより10pt近く高評価を獲得しています。

"予防空間"というこれまでのゴキブリ対策の常識を覆す画期的なUSP(Unique Selling Point:自社独自の強み)を全編通して映像に集中させる形で表現した結果、

■部屋全体をゴキブリ予防してくれる
■簡単にできる

ことが端的に記憶に残せたといえるでしょう。

逆に「共感できる」「信頼感を感じる」「こだわりを感じる」はノームよりやや低く、伝えたい情報を絞った結果、視聴者の評価が機能の理解に寄ったともいえます。

情報を絞ると、その代わりに優先順位を下げる要素も生じます。自社にとって、どの要素を強く打ち出していきたいかは、関係者とよく話し合い、認識を合わせたうえで情報の絞り込みをするとよいでしょう。

・改善ヒント【伝え手設計】:コアターゲット"以外"にも波及するタレントの魅せ方

2つ目は伝え手設計:動画広告に出演するタレントの「パワー」を最大限活用するヒントです。

今回注目したのは、「コアターゲット"以外"への波及効果」です。
テレビCMやコネクテッドテレビ(CTV)広告などテレビデバイスで視聴できる広告の場合、共視聴などにより想定ターゲット以外にもリーチできることも媒体の利点といえます。

特に食品・飲料や日用品、インフラ、企業広告などは、コアターゲット=特に狙いたいターゲット"以外"にも、広告効果が広がることが望ましいターゲットが複数あることが多いです。
当然、ターゲットごとにクリエイティブを最適化させたほうが効果を得やすいものの、予算やリソースなどの制約により、優先順位をつけざるを得ない場合もあります。

そのような場合でも、クリエイティブの中でも大きな役割を果たす出演タレントの「パワー」をうまく魅せることで、広く、深く刺さる広告に仕立てられる可能性があります。その事例として、サーティワンアイスクリーム バラエティボックス「山田さんの妄想」篇をご紹介します。

本CMは、イケメンアイドルの代表格である「Hey!Say!JUMP」山田涼介さんを複数年にわたり起用している中の1作品です。山田さんがサーティワンの店舗でアイスを食べているとテイクアウトで楽しそうにアイスを持ち帰っていく人たちを目撃したことから、「自宅でサーティワンを食べる楽しみ」を「さぁ、おうちサーティワン。」というフレーズとともに伝える・・・という構成になっています。

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【図3】は当該CMから視聴者が受けたイメージを項目別にまとめたものです。

数あるイメージ要素の中でも突出しているのが「親しみやすい」と「さわやかな」です。左側の「男女計(全体:15~69才)」と"世間一般"の評価を見ると、いずれもA評価と高スコアを獲得しています。

そして特筆すべきは、右側の「男性のみ」のグラフでも「親しみやすい」と「さわやかな」が平均に比べかなり高いという点です。

山田さんは女性からの人気が非常に高いアイドルであり、起用にあたっては特に若年層の女性をコアターゲットとして意識されたものと推察できますが、コアターゲット"外"と思われる男性からも高評価に。
特に「さわやかな」はA評価を獲得しており、これはアイスクリームそのものというより山田さんのタレント力、そして明るく彩りの多いサーティワン店舗でのシーン・出演者の服装といった演出面によるものが大きいのではないかと推察されます。

また、「さわやかな」「親しみやすい」というポジティブな印象から動画を好意的に視聴してもらえた効果か、男性にもしっかり「サーティワンのCMだ」と認識され、購入喚起にもつながってA評価を獲得しています(購入喚起スコア等の詳細はこちら

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実際、ビデオリサーチの「タレントイメージ調査」で、山田さんが持つタレントイメージ、言い換えるとタレント「パワー」を確認すると、当該CMで特に高評価だった「さわやかな」の指標は女性はもちろん、男性の調査結果でも10代(12~19才)の評価で男性芸能人500人中5位、20~34才で3位、35~49才でも18位とかなり高いことが分かります【図4】。

このように、タレントが持つ「パワー」はコアターゲット"以外"にも目を配りながらクリエイティブ表現を設計する、という視点で捉えてみることもできます。コアターゲット"以外"は優先順位が下がる領域ではあるものの、「角度を変えた視点でのクリエイティブ改善策」の1つとして検討してみるのも有効です。

・改善ヒント【ストーリー】:独自機能は「書かない」代わりに「分解する」

3つ目はストーリー:アピールしたい商品の良さを短いCMの中で認知だけでなく深い理解まで持っていくための改善ヒントです。

それは、「簡単な言葉に分解して、組み合わせる」ことです。
牛丼でおなじみ、吉野家の有名なキャッチフレーズは「うまい、やすい、はやい」ですが、なぜこれを誰もが認識しているかというと、「うまい」「やすい」「はやい」はどれも日常的によく使う、一般的なフレーズだからだと考えられます。

企業が広告でアピールしたい商品の良さは、特許や行政のお墨付きがあるような高度な技術に基づくものも多く、どうしても "技術名そのまま"で伝えたくなりがちです。
しかし、広告を見ている視聴者は大概、広告を真剣には見ていないため多くの場合、技術名をそのままアピールしても「なんかすごそう」程度の感想、もしくは記憶にすら残らないまま終わってしまいます。

そこで、素晴らしいその技術を「かんたんな言葉」に置き換え、動画広告の強みである映像でストーリーテリングすることで、流し見をしている視聴者にもしっかり技術理解を促すことができます。

具体的な成功事例として、バンドエイド キズパワーパッド「貼る、ほっとく、治す」篇をご紹介します。
本CMは、篇名の通りキズパワーパッドの独自技術を「貼る」「ほっとく」「治る」などのかんたんな言葉を使って丁寧に説明しているクリエイティブです。

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【図5】で示しているのは、本CMで訴求していたメッセージが視聴者(関東在住の男女15~69歳)にどう受け止められたか、を要素別に評価したものです。特筆すべきは、S評価が5項目もあるという点です。Sは「偏差値70以上」を意味し、偏差値分布でいうと上位約2%にあたり"トップ層"といえます。

通常、CMでは前述の「マモルーム篇」のように、伝えたい情報を絞るためその絞った情報がうまく伝達できたときに、その項目のみで高評価を獲得します。ですが本CMは、高評価を多数獲得しています。理由を考察すると、30秒CMという長尺特性を活かした「かんたんな言葉の繰り返しによる3段構えのストーリー展開」が効いている構図が見えてきます。

まず、【課題提起】として絆創膏が「ずれてしまう」「はがれてきてしまう」「水がしみてしまう」という『あるある』を丁寧に紹介。

次に、【課題を解決できる独自技術】を「守って治す」2層構造と表現し、CGを用いてキズパワーパッドがなぜこれらに効果的なのかわかりやすく説明
このとき、実はナレーションでは「防水密着フィルム」や「医療用ポリマー」というフレーズもさらっと言っているのですが、画面にはテロップを載せずにCGで雰囲気を伝えることに徹しています。

最後に【課題解決後の様子】を「貼る」→「ほっとく」→「治る」と念押しで再度機能理解。「5日間これ1枚」と"簡便さ"もプラスオンで訴求しています。

本CMでは30秒全体を通して子どもでも理解できるテロップと映像表現に徹しており、「とにかくラクに、しっかり傷を治してくれる」ということが強く伝わったのだと考えられます。

動画広告クリエイティブの最適化に向けた具体的なアプローチ

いかがでしたか。本記事では、3つの「成功CM」から、皆さんが動画広告を企画・制作される際に具体的に取り入れられるヒントをご紹介しました。

このように、過去のクリエイティブからは多くの「学び」を得ることができます。昨今ではAIが発達し、クリエイティブ制作にも多様な視点でのアイディアを出してくれるようになりましたが「成功CMクリエイティブと確実に分かるもの」から得られるヒントは、動画広告制作の更なるレベルアップにつながるだけでなく、社内外の関係者への根拠を持った説得材料になると考えられます。

ビデオリサーチでは、
・5,000素材以上の過去の動画広告クリエイティブ評価を採録している調査データベース「クリエイティブカルテ
・過去のクリエイティブから得られる「学び」を抽出し、貴社の動画広告制作にお役立て頂ける「テレビCMクリエイティブ最適化支援ソリューション
を提供しています。本記事では5,000素材以上の評価データの中から見つけた「成功CM」をもとに、定量的な裏付けをもって「学び」の抽出を行いました。同じように「学び」の抽出を行ってみたい方は、以下より資料ダウンロードいただくか、お問合せ下さい。




【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「クリエイティブカルテ」「テレビCMクリエイティブ最適化支援ソリューション
<クリエイティブカルテ詳細>
・調査時期:(マモルーム)2024年6月、(サーティワン)2024年8月、(キズパワーパッド)2023年4月
・対象地区:関東
・ターゲット:15~69歳男女 540s

※各項目の判定基準:S=当該CMの偏差値が70以上,A=60以上70未満,B=50以上60未満,C=40以上50未満,D=40未満を示す

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