Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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Special 2024.01.16 UP

【Inter BEE CURATION】「7ヒットの法則」に当てはまらない商材も? テレビ視聴ログ×人流データ分析で見えてきた「広告接触と行動」の最適解

VRDigest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅ 広告効果をきちんと可視化できるテレビCMの効果測定方法が知りたい方
✅ ログベースでのブランドリフト調査に興味がある方
✅ テレビCMの出稿に関する業務に従事している方

ブランドリフト※1において大きな効果が期待できるテレビCM。しかし、事後アンケートを主流とする効果測定では、その後の消費行動に対する具体的な寄与を見極めることは困難でした。
※1 広告の出稿後にアンケート調査を用いて、ブランドの認知度、評価、購買意欲などがどの程度向上したかを定量的に測定した指標。

こうした課題に対し、視聴データやアンケートパネルを活用した研究を重ねてきたビデオリサーチは、グループ会社「Resolving LAB」が保有する2600万ID以上のテレビ視聴データを活用し、生活者の行動ログデータを収集・保持する株式会社unerryと共同で、大規模な生活者行動ログと視聴データを組み合わせた効果測定サービス「log-BLS(ログ−ブランドリフトサーベイ)」を開発。

テレビCMの接触が具体的な購買行動にどう作用するのかを接触回数単位で可視化しました。

これまでは担当者の経験と勘に頼るところが大きかったブランドリフト。今回可視化されたデータからは、従来の暗黙知では見えてこなかった「新たなセオリー」が浮かび上がってきました。

■ これまでのブランドリフト調査が抱えていた課題

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現在のブランドリフトサーベイは、調査パネル上の広告接触者にブランドの評価をアスキング(アンケート)し、ブランドに対する認知や好意、購買意欲などの度合いを定量的に表します。

その結果を広告接触者、非接触者の2項で比較するものが主流ですが、十分な数の接触者を確保することは容易ではありません。肝心の調査結果も、接触回数と広告効果の具体的な相関関係までを示すものではなく、プランニングに直接活用できる知見を得る手段として効率的とは言えないのが実情でした。

こうした課題に対し、「log-BLS」がとったアプローチは、日々蓄積される膨大な生活者行動ログと視聴データを組み合わせ、テレビCMの接触と具体的な購買行動の相関を接触回数単位での可視化。

接触の詳細な実態を明らかにすることで、ブランドそれぞれが持つゴール指標(KGI)に対する直接的な効果を測定できるようになったほか、これまで調査を行っていなかった過去案件にさかのぼっての測定も可能となりました。

■ 視聴データと人流データをつなぐことで「広告接触と行動の相関」を可視化

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「log-BLS」の基盤となるのは、unerryが保持する国内400億件超の人流データと、Resolving Labが提供する国内約2,600万件の視聴データ、生活者アンケートパネルデータ「ACR/ex」。

これらのデータは、両社が共通して持つ広告識別子「ADID」によって結合され、テレビ視聴、テレビCMへの接触によるブランドリフトの効果を具体的な生活行動レベルで可視化しています。また、連携店舗のPOS(レジ)データの活用で購買状況もカバーすることができます。

テレビ視聴と購買行動との相関関係に加え、特定の行動パターンを持った生活者の視聴傾向が高いテレビ番組や、含有率(自社のターゲットとする層がどのくらい含まれているのか)の高い広告枠の算出にも対応します。

■ 「1回接触でOK」「9回以降も効果が上昇」...商材ごとに"最適解"が異なる?

「7ヒットの法則」という言葉に代表されるように、広告業界では7回以上の接触によって生活者の行動に影響が現れ始めるという一種の暗黙知が存在していました。

一方、「log-BLS」による解析事例には、こうした従来のセオリーを打ち破る興味深い結果が現れています。

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事例①:「ヨドバシカメラ」の場合

「ヨドバシカメラ」の事例では、CM接触回数が1回の段階から来店回数に顕著な影響が見られ、その後5回まで継続して増加。場合によっては、わずか1回のみの接触でも十分な効果を発揮していることがわかりました。

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事例②:「日産自動車」の場合

一方、日産自動車の事例では、CM接触1回から4回まで連続して販売店への来店が上昇。途中、5回から8回までは"山あり谷あり"の状態になるも、9回以降も安定して増加傾向が続きました。

広告業界では「接触による広告効果は10回で頭打ちになる」ということも暗黙の了解とされてきましたが、その傾向が当てはまらないケースも多く存在し、「商材ごとの最適解」の存在が示唆される結果となりました。

■ 効果の高い層を把握→柔軟にターゲット変更。ログが描くブランドリフト戦略の未来型

豊富なログデータを活用することによって、ブランドリフト戦略における新たな選択肢を与える「log-BLS」。キーとなるADIDがあれば、テレビとデジタルを横断したフリークエンシー(広告への接触頻度)測定が可能です。これまでサンプル数の関係から難しかった性年代別の効果測定にも対応しているため、「データをリアルタイムで確認しながら、もっとも効果が高く出ているF1層にターゲットを切り替える」といった柔軟なアプローチも難しくありません。

ご興味お持ちいただいた方は、以下よりお気軽にお問合せください。
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