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2023.12.18 UP
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ハリウッドの各メディアが12月12日に一斉に報じたところによれば、世界最大のゲーム業界のコンベンションE3は、この程「コンベンションとしての、今後の開催を終了」する事を正式に発表した。
今回の発表を受け、E3は28年間の歴史に幕を下ろす事になる。
E3の公式サイトでは、
「20 年以上に渡って開催されたE3は、毎回が前年度を凌ぐ盛況を続けて参りましたが、
この度、お別れを告げる時がやってまいりました。思い出をありがとうございました。」
というコメントが掲載されている。
E3はエレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(Electronic Entertainment Expo)の略で、1995年に記念すべき第1回が開催されてから、主にロサンゼルスのダウンタウンにあるロサンゼルス・コンベンションセンターにて毎年6月に開催された、世界最大のゲーム業界のコンベンションであった。最盛期には 65,000人もの参加者と200 社を超える出展社が終結した。
20年以上に渡り毎年開催されてきたが、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2020年に初めて中止され、2021年は完全なバーチャル開催によって実施された。2022年には現地開催及びバーチャル開催の両方が予定されていたが、中止となっている。
E3は、当初はゲーム業界関係者と招待者という「業界関係者のみ」というスタイルで開催されていた。それ故、ゲーム業界者以外には敷居が高く、筆者もあまりご縁がなく、過去に何度か招待枠で参加させて頂いた事があるのみだった。また、この当時は、筆者の元に何度か「学生にE3を見学させたいのですが、何かコネクションは無いでしょうか?」というご相談を日本から受けた事があるのも、思い出の1つである。2017年以降は一般人枠が設定されたため、一般人でも入場が出来るようになったという経緯もあった。
さて、アメリカでは家庭用ゲーム機は「ビデオゲーム」と総称されるが、E3はこのビデオゲーム業界の「見本市」的な存在でもあった。ここでは、新作ゲームの発表に加え、ゲーム開発者とユーザーの交流、そしてゲーム関係者同士の様々な出会いの場として、SIGGRAPH同様、業界関係者にとっては重要なコンベンションという位置づけがある。今年も6月13日から16日までロサンゼルス・コンベンションセンターで開催される予定であった。また、コロナのパンデミック以来、久しぶりの現地開催となるはずであった。
しかしながら、マイクロソフトや任天堂を含む、複数の大手ゲーム会社及ゲーム開発者がE3 2023への不参加を表明したことを受け、主催者であるESA(Entertainment Software Association)は、2023年の開催を中止した経緯があった。今回の決定には、その影響が大きいと見られているという。
また、E3のコンベンションとしての存在価値が変わってきた事も大きく、その影響として市場の動向の変化があるという。なぜなら、近年では各ゲーム会社がバーチャル・イベントやライブ・ストリームをユーザー向けに独自開催するようになり、最新ニュースや次世代ゲーム機の情報共有などは各イベントで行う事が主流となり、E3と”競合”する要素が強まるという、「時代の流れ」による影響があった。
今回、こうしてE3が終焉の時を迎え、1つの時代が終わった事を痛感せずにはいられない、筆者であった。