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【Inter BEE CURATION】「総世帯視聴率(HUT)」と「総個人視聴率(PUT)」 ビデオリサーチが解説 視聴率基本の『キ』

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

「HUT(総世帯視聴率)とPUT(総個人視聴率)ってなに?」
これらを耳にするものの定義を聞かれると曖昧な方も多いのではないでしょうか。

「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」は、調査対象のうち、テレビ放送をリアルタイムで見ている世帯と個人の割合のことを指します。

この記事では視聴率データを計測・提供する株式会社ビデオリサーチが、「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」に関する基礎知識を以下の流れで解説します。

この記事を読めば、「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」について分かるだけでなく、視聴率の時間区分についても理解が深まること間違いなしです!

1.「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」とは?

HUT(総世帯視聴率)とは「Households Using Television」の略で、調査対象となる世帯全体の中で、どのくらいの世帯がテレビ放送をリアルタイムで視聴していたのかを示す割合です。

一方で、PUT(総個人視聴率)とは「Persons Using Television」の略で、調査対象となる世帯の4歳以上の個人全体の中で、どのくらいの人がテレビ放送をリアルタイムで視聴していたのかを示す割合です。

HUTとPUTの違いは、世帯について示しているのか個人について示しているのかの違いです。
また "リアルタイムのテレビ放送の視聴"が対象となっていることもポイントです。

ビデオリサーチでは、放送を録画して後から視聴するタイムシフト視聴も「タイムシフト視聴率」として日々測定していますが、HUT、PUTはリアルタイムでの視聴を対象にしており、タイムシフト視聴は含まれていません。

~ちなみに~ 「世帯視聴率」「個人視聴率」との違い

「HUT(総世帯視聴率)」と「世帯視聴率」の違いは、HUTやPUTがどの放送局を視聴しているかを問わず"テレビ放送"を対象にしているのに対し、「世帯視聴率」、「個人視聴率」はドラマAの個人視聴率8%、○○テレビの全日の世帯視聴率10%のように特定の番組や特定の放送局のある時間帯の視聴率を指して使う点です。

HUTやPUTはリアルタイムでのテレビ視聴の全体像を把握する時に用いられます。

なお「世帯視聴率」と「個人視聴率」については、以下の記事でより詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。

■関連記事
「個人視聴率と世帯視聴率」 ビデオリサーチが解説 視聴率基本の『キ』

TOT(全局合計視聴率)とは?

TOTとは「Total Of Television」の略で、ある時間帯における各局の視聴率を合計した数字です。

視聴率調査では、各世帯にある複数のテレビを調査対象としているため、同時に日本テレビとテレビ朝日など、異なった局を見ている世帯がある場合、TOTはHUTの値よりもより高くなります。

2.「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」の関係性と「3つの時間帯」

視聴率は朝5時~翌5時(29時)を1日の単位として扱います。その1日のHUTとPUTの推移を毎60分で示したものが(図1)と(図2)です。
(図1)は平日、(図2)は土日を対象にしています。ここではある期間における関東地区のデータを元にグラフを作成しています。

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図からは、以下3つの関係性がうかがえます。

①平日、土日ともにHUTの方がPUTに比べ高い値で推移
②起床在宅率の低い時間帯は、HUTに対するPUTの歩留まり率は低くなる
③土日は早朝、深夜を除くとHUTに対するPUTの歩留まり率は高くなる
それぞれ詳しく解説します。

①平日、土日ともにHUTの方がPUTに比べ高い値で推移

平日、土日ともにHUTの方が高い値で推移していることが分かります。

なぜなら、世帯の視聴を示すHUTはその世帯でテレビ放送が見られているかいないかをカウントするのに対して、個人の視聴を示すPUTは何人が視聴しているかを加味した指標であるためです。

極端な例を挙げると、4人家族1世帯で調査を行っている場合、4人のうちだれか1人でもテレビ視聴していれば、HUTは100%になるのに対し、PUTは1人視聴ならば25%、2人視聴ならば50%となります。

そのため、HUTの方が高くなる傾向にあります。

②起床在宅率の低い時間帯は、HUTに対するPUTの歩留まり率は低くなる

HUTの値に対するPUTの値の歩留まりで時間帯別のHUTとPUTの関係性に着目すると、以下の時間帯では、HUTに対してPUTは低くなる傾向があります。

・早朝や深夜など寝ている人が多い時間帯
・日中に学校や仕事などで在宅している人が少なくなる時間帯

一方で家族が多く在宅している夕方~寝るまでの時間帯はPUTが高くなる傾向があります。

なぜなら、テレビ視聴率は起床在宅率(起きていて家にいる割合)の高さと関係しており、起床在宅率の高い時間帯は自ずとテレビの視聴の数が増える傾向にあるからです。

例えば、(図1)の平日を見ると早朝、深夜、昼間ではHUTの値の半分や半分に満たない値になっているのに対し、朝7~8時、19時~22時では6割程度になっていることがわかります。

③土日は早朝、深夜を除くとHUTに対するPUTの歩留まり率は高くなる

(図2)の土日のグラフを見てみると、早朝、深夜は平日と同じ傾向ですが、平日に比べその他の時間帯ではHUTに対するPUTの値は高い傾向であると分かります。

視聴率の3つの時間帯

以下は、視聴率を時間帯別に見るときに使われる代表的な時間区分です。

①全日
②ゴールデンタイム
③プライムタイム
それぞれご紹介します。

①全日
6時~24時までの時間帯を指します。一般的に朝起きて夜寝るまでの時間帯を指しています。

②ゴールデンタイム
テレビ視聴が多くなる19時~22時までの時間帯を指します。G帯と略して表現されることもあります。

③プライムタイム
19時~23時までの時間帯を指します。P帯と略して表現されることもあります。
ゴールデンタイムとの違いは22時台を含むかどうかです。

ゴールデン・プライムタイムを略して「GP帯」という表現を用いることもあります。「GP帯の連ドラ初主演!」といった見出しを見かけたこともあるのではないでしょうか。

ちなみに、ゴールデンタイム(19時~22時)、プライムタイム(19時~23時)、全日(6時~24時)の3つの時間帯で同じ地区の放送局の中で視聴率のトップを獲得することをプロ野球の打者における、打率、本塁打、打点の「三冠王」になぞらえて「三冠」と言います。

またこの3つの時間区分以外にも、プライムタイムを除いた時間帯を「ノンプライム」として扱うなど、各放送局でも独自の時間区分の呼び方があります。

~ちなみに~ 週間高視聴番組の視聴率を確認するには?

ビデオリサーチの公式HPでは、週ごとの高視聴率番組を掲載しています。
「ドラマ」「スポーツ」「報道」などのジャンルごとに、視聴率の高かった番組を紹介しており、関東地区の個人視聴率と世帯視聴率をどちらも知ることができます。

毎週木曜日に更新しているので、以下よりチェックしてみてください。

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リンクはこちら>週間高視聴率番組10.

3.ビデオリサーチの視聴データ

ビデオリサーチは地上波全32地区すべてで視聴率を測定しています。
皆さんがよく目にしている関東地区のみならず、札幌や仙台、広島、沖縄など各地区で毎日調査を行っています。

この記事でご紹介した 「HUT(総世帯視聴率)」と「PUT(総個人視聴率)」は、リアルタイムでの視聴を対象にしていると説明しました。リアルタイム視聴率の測定対象についても確認しておきます。

リアルタイム視聴率とは(一般的に視聴率という場合はリアルタイム視聴率を指します)地上波放送、BS放送、一部の専門チャンネルなどのテレビ放送を世帯内にある「自家用据置型」のテレビで放送と同時に視聴している割合を示す指標です。

なお、BS放送や一部の専門チャンネルも全国を対象にした視聴データを提供しています。
参考)全国BS視聴率、テレビ接触率全国ペイテレビ調査

4.まとめ

① HUT(総世帯視聴率)は世帯全体の中で、どのくらいの世帯がテレビ放送をリアルタイムで視聴していたのかを示す割合
② PUT(総個人視聴率)は4歳以上の個人全体の中で、どのくらいの人がテレビ放送をリアルタイムで視聴していたのかを示す割合
③ HUTとPUTの関係性は一日の中でも変化する
④ ゴールデンタイム(19時~22時)、プライムタイム(19時~23時)、全日(6時~24時)の3つの時間帯で視聴率のトップを獲得することを「三冠」と言う。

本連載は今後も不定期で更新予定です。視聴率に関する様々な基礎知識を発信して参りますので、ぜひお役立ていただけましたら幸いです。

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「視聴率
・調査時期:常時(発行形態 日報/週報)
・対象地区:全国32地区

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