ライブイベント:11月18日~20日 オープン期間:2021年2月26日まで

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映像制作/放送関連機材 2019.11.29 UP

【Inter BEE 2019】2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、スポーツコンテンツを変革するテクノロジ、ソフト、ツール、サービスを各社が提案

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 ライブ、放送、配信とスポーツ観戦の幅が広がり、スポーツコンテンツは多くの人々が支持するエンターテインメントとして急速に進化している。11月13日から15日まで幕張メッセで開催したInter BEE 2019では、初の特別企画として「INTER BEE SPORT」のコーナーが開設された。INTER BEE SPORTでは、インフォシティグループ、NHK、JVCケンウッドなどがスポーツコンテンツを軸にスポーツコンテンツを変革するテクノロジ、ソフト、ツール、サービスに関して様々な提案が行われた。

# 写真1:「InterBEE SPORT」コーナーの様子

インフォシティグループ スポーツ番組の新たな視聴形態を提案

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スポーツ番組の新たな視聴体験のデモ(左:RichFlyerにてプッシュ通知された動画付きメッセージ、右:プッシュ通知をタップして起動された同時配信アプリ)

 インフォシティグループ3社(インフォシティ/テクノネット/ビットメディア)は、同グループ3社が持つサービスとテクノロジーを使ったスポーツ番組の新たな視聴形態について提案した。

 インフォシティは、電子書籍システムやアプリケーションの開発、放送・通信関連システムやアプリケーションなどを開発している。また、テクノネットは、日本国内でテレビ中継されるすべてのスポーツ競技に向けて、スポーツリアルタイムCGシステムを開発、年間でおよそ1300番組に情報CG制作と運用を行っている。
 ビットメディアは、各放送局やスポーツ団体などへ、各種プロスポーツ中継のライブ映像とメタデータを利用したクラウド版Live to VODシステム「ShareCast Playlist Editor」を提供し、リモートプロダクションシステムとして活用されている。

 ブースで提案されていたスポーツ番組の新たな視聴体験のデモは、これら3社の連携により、スポーツ番組のテレビ放送、ネット配信、SNSなどそれぞれのスタイルに合わせた新しい視聴形態を提案するデモとなっていた。

 具体的には、自動車レースのテレビ放送とネット同時配信中、①クラウドに配信されたスポーツ競技映像とテクノネットが制作するスポーツ情報CGのメタデータを、クラウド上の「ShareCast Playlist Editor」に取り込み、注目シーンのクリップ映像を自動生成、②そのクリップ映像をインフォシティのプッシュ通知・SNS同時配信サービス「RichFlyer」でスマートフォンへ送るというもの。
 これにより、プッシュ通知で注目シーンのクリップ映像を視聴したり、同時配信アプリにて続きやその他のハイライトシーンを視聴したりすることができる。

 注目すべきは、スマートフォンに送られる速報通知機能で、SNSへの動画通知もできる点だ。通常、プッシュ型で通知する情報は、文字情報や画像とリンク先のURLが多いが、RichFlyerを使うことで、 プッシュ型の通知で、JPEGやPNGといった画像に加え、MP4といった動画も通知することができる。ブースの説明担当者によると「今後は、TwitterやFacebookなどのSNSへの通知もできるようになる」という。RichFlyerは既に電子書籍サービスで紀伊国屋書店が導入している。

 「ShareCast Playlist Editor」による、メタデータを使った注目シーンのクリップ映像の自動生成の特徴について、ブースの説明担当者は「(ShareCast Playlist Editorは)HTTPストリーミングにおけるメタデータとPlaylistを使ったクリップ生成に関して国内特許を取得している」と話す。すでに、多くの利用実績があるということで「例えばマラソンのゴールシーンのゼッケン番号によるクリップ生成や地震発生時のスキップバック動画自動生成などに利用して頂いている」(説明担当者)という。

Cinfo AIを使ったライブコンテンツ自動制作クラウドサービスを初出展

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Cinfo社ライブコンテンツ自動制作クラウド・AIサービス「TiiVii」

 スペインのCinfo社は、スポーツイベントのライブコンテンツ自動制作クラウド・AIサービス「TiiVii」をInterBEE SPORTコーナーに初出展した。
 「TiiVii」は、競技場やグラウンドなど、会場に設置した複数のネットワークカメラやNDIに対応したカメラの映像をクラウドに送るだけで、スマートフォンやタブレット、YouTubeや自社サイトなどのサーバ、STB、スマートテレビなどにライブストリーミングやオンデマンド配信することができるサービスだ。
 ブースでは、現在導入されている大阪府吹田市にあるアメリカンフットボール場のカメラ制御や水球のAIを使ったプレイ追跡の様子をデモした。

 国内販売代理店であるアキメディアの島内洋和氏は「複数のネットワークカメラと6Mbpsの光回線や5G回線があれば、他の機材を会場に持ち込む必要はない」という。また、設置したカメラの制御はリモートで操作ができ、自動で録画や編集も可能。「人物やプレイ、ボールなどをAIで自動認識させることで、カメラの切り替えやプレイの追尾など、自動制御でゲームをフォローできる」(島内氏)

JVCケンウッド スポーツ市場向け映像ソリューションを参考出品

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米DVSports社のビデオ判定用リプレイソリューション

 JVCケンウッドは「コーチング」や「ビデオ判定用リプレイ」を切り口としたスポーツ市場向け映像ソリューションとして、米DVSports社のコーチングソリューション「DVSports Coaching」とビデオ判定用リプレイソリューション「DVSports REPLAY」を参考出展した。
 メディア事業部ソリューションビジネスユニットSSビジネス部マーケティング開発グループマネージャーの嶋田和雄氏によると、北米では大学での実績が高く、10,000の大学フットボールゲームや15,000の大学バスケットボールゲームで使用されているという。アプリは、バスケットボール、アメリカンフットボール、野球、バレーボールなど、競技ごとに異なるという。

 コーチングソリューションは、試合や練習時ネットワークカメラの映像を収録し、コーチや選手がプレイ映像をすぐに探せ、見たいシーンから再生することができるソフト。ビデオコンテンツをオンラインで共有できるクラウドサービス「360」と連携が可能という。
 ビデオ判定用リプレイソリューションは、同様にネットワークカメラの映像を収録し、攻撃が変わるタイミングでタグ付けを行うことでプレイ映像をリスト化できる。このリストから、攻撃のシーンをリプレイ映像として見ることができる。映像を複数の角度から即時に再生。同じ映像を会場内の審判間で共有できるのが特徴だ。

NHK スポーツ解説用マルチモーション映像制作ソフトを出展

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スポーツ解説用マルチモーション映像制作ソフト
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スキージャンプのマルチモーション映像

 NHKは、INTER BEE SPORTコーナーに選手の動きをストロボ写真のように順番に重ね合わせて表示することで、選手の動きをわかりやすく表現するマルチモーション映像制作ソフトウェアを出展した。

 このマルチモーションは、2次元の映像上で選手を切り出し、切り出した選手の画像を順番に重ね合わせて合成を行うもので、ブースの説明担当者によると「選手を画像の中から高精度に切り出すためには、輪郭を人手で与えたり、不要な部分を削除するなど要する労力と時間の圧縮が望まれていた。特にスポーツ中継の現場で利用するためには、誰でも手軽に活用できることが必要だった」という。

 そこで、ベースとなる1枚の画像を配置した後、選手を画像から高速にかつ高精度に切り出すアルゴリズムを開発。使用条件に合わせた最適なパラメータを用意することで、マルチモーション映像をスポーツ中継の現場において誰でも短時間で制作することができる点が特徴で「動画ファイルからもマルチモーション映像を制作することができる」(説明担当者)という。

エヌジーシー 簡単操作でリプレイ映像を制作できる「Envivo Replay」を紹介

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Envivo Replay

 エヌジーシーは、映像制作のプロではない人でも簡単操作でリプレイ映像を制作できる「Envivo Replay」を実演デモした。米バリアントシステムグループ社の製品で、タッチパネルによる簡単な操作でリプレイ映像を作成するシステム。

 最大6つのSDI映像入力、2つのSDI映像出力が可能で、複数カメラの映像を組み合わせてクリップを作成し、コントローラーを使い速度調整しながら再生できる。最新バージョンでは、NDI(映像)とDante(音声)をサポートし、作成したクリップはSNSに投稿することが可能。映像制作のプロでなくても簡単操作でリプレイ映像を作成でき、さらにSNS連携機能により、eSportsや各種スポーツチームにおける、ファンサービスにも活用できる点が特徴だ。

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