Inter BEE 2025 幕張メッセ:11月19日(水)~21日(金)

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Event Report 2025.07.24 UP

【Hollywood Report】Anime Expo 2025レポート

鍋 潤太郎 / Inter BEEニュースセンター

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〇はじめに

アメリカ独立記念日の連休に合わせた7月3日~6日の4日間に渡って、ロサンゼルスはダウンタウンのコンベンションセンターにて、Anime Expo 2025が開催された。

主催者SPJA(The Society for the Promotion of Japanese Animation )が7月14日付で発表した情報によれば、チケットは今年も完売となり、会期中の4日間で世界65カ国以上から41万人以上ものAnime Otakuが会場に押し寄せたという事で、文字通りの大盛況であった。また地元のホテル、レストラン、企業にもたらした経済効果は、推定で$110 million(1億1,000万ドル=現在の為替で161億円)以上にものぼるという。これは、平均すると参加者が1人につき268ドルを現地で費やした計算となる。

思い起こせば、2000年、筆者はアナハイムのディズニーランド・ホテルで開催されたAnime Expo 2000を取材していた。筆者の記事によると、当時の参加者は6,000人くらいで、ホテルやコンベンションセンターの一角を使用しての小規模開催だった。そこから、四半世紀を経て約40万人が訪れる大規模な国際コンベンションに成長したのだから、日本のアニメの世界的な人気を肌で感じずにはいられない。

今回のレポートでは、Anime Expo 2025の模様をフォトレポートの形でお届けする。

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画像:今年も大盛況の、Anime Expo 2025 
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画像:コスプレ用の持ち込み武器のチェックを受けるゲスト。この後、コンベンションセンター入場の際には空港並みのセキュリティ検査がある。
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画像:…悔しい事に、SIGGRAPH開催時の数10倍の”人口密度”(笑)でごった返すLAコンベンションセンターのロビー。
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画像:試しに、同じアングルから”人口密度”を比較してみた SIGGRPAH2019(左)/Anine Expo 2025 (右)
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画像:Anime Expoだけに、フードコートでは和食も充実していたが、会場内なので割高である。筆者はランチに焼きそば+缶コーラ+串1本を買ったら、なんと合計40ドル。たっけぇ!!

〇動画配信/ストリーミングサービスの台頭と恩恵

前述の筆者の記事当時、日本のアニメは海外で「ジャパニメーション」と呼ばれていた。人気に火はついていたものの、海外のアニメ・ファンの映像入手ソースは、まだ限られていた。ビデオレンタルを利用したり、テレビ放送をVHSに録画するのがオーソドックスな方法だったが、それ以外の作品についてはAnime Expo等の各社ブースで販売されていた高価なVHSテープを正規ルートで購入するか、ぜいぜいファン同士でダビングを繰り返したノイズだらけのVHSを見るぐらいしか、日本のアニメを楽しむ方法が存在しなかった。フランスのように日本のアニメを頻繁に放映していた国を除けば、ヨーロッパなどNTSCではなくPALやSECAMの地域では、なおさら楽しめる選択肢が限られていた事と思う。

そこから時代は流れ、DVDが普及し、2005年にYouTubeが登場し、2007年頃から動画配信/ストリーミングサービスが始まり、サービス会社数が増加し……現在では、その台頭と恩恵のお陰で、高画質の日本のアニメを、しかも各言語の吹替え版で、お手軽価格で楽しめる時代になった。

Anime Expoの会場を歩いていても、各所にデカデカと出ている動画配信/ストリーミングサービス各社の広告が、それを象徴していた。

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画像: Huluの広告

〇Crunchyroll(クランチロール)の広告

〇Netflixの広告

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画像:会場近くに停まっていた大型バスには、アニメ「サカモトデイズ」のNetflixラッピング広告が施されていた。

〇毎年恒例 Production I.G & WIT STUDIOのパネル

会期中は、日本からのゲストや業界著名人によるパネルが開催される。

その中でも、毎年恒例、Production I.G USAの社長そしてプロデューサーの寺島真樹子氏によるパネルが、コンベンションセンターに隣接するピーコック・シアターにて開催された。

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画像:Production I.G & WIT STUDIOのパネルの模様 

今年はProduction I.G とWIT STUDIOの合同パネルとなり、寺島真樹子氏、Production I.G代表取締役社長とProduction I.G USAの副社長を兼任する和田丈嗣氏、Production I.G IPマネジメント部の上田陽子氏、そしてProduction I.G代表取締役会長の石川光久氏が登壇した。

ここでは、Production I.G.とWIT STUDIOが制作するアニメ作品の最新情報や今後の展開などが披露された。各作品の静止画や映像がスクリーンに映ると客席からは奇声や悲鳴が上がり(笑)、すごい盛り上がりであった。会場を訪れたファン達が、如何に作品群に慣れ親しんでいるかが伝わってきた。

また、WIT STUDIOで新しくストップモーションアニメスタジオを設立した見里朝希監督と山田健太プロデューサーによるNetflixシリーズ『My Melody & Kuromi』(2025年7月24日(木)から世界独占配信開始)の紹介も行われ、場内からは歓声が沸き起こっていた。

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画像:7月4日、ピーコック・シアターにて。Production I.Gパネルを訪れた、会場を埋め尽くすファンと記念撮影。左から、石川光久、山田健太、見里朝希、和田丈嗣、寺島真樹子の各氏。 (画像提供:Production I.G)  © Production I.G

〇Bang Zoom! Studiosによる「公開声優オーディション」

Anime Expo会期中、アニメ作品の英語版吹替えを手掛ける音響スタジオBang Zoom! Studiosによる「公開声優オーディション」が、コンベンションセンターに隣接するLA Live敷地内にあるThe Novoにて開催された。

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画像:Bang Zoom! Studiosによる「公開声優オーディション」の様子

この日は、熱心なオーディション参加者が朝4時から列を作るほどの盛況ぶりで、同社キャスティングディレクター岡田真美氏の前でオーディションに臨んだ。

この「公開声優オーディション」は、全米各地で新たな声優を発掘する目的で同社が実施しているオーディション・ツアーの一環で、今後はフロリダ州やテキサス州などでも同様のオーディションが予定されているという。

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画像:Bang Zoom! Studiosによる「公開声優オーディション」の会場にて、キャスティングディレクター岡田真美氏(写真左)の前でオーディションを受ける参加者(画像提供:Bang Zoom! Studios
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画像:Bang Zoom! Studiosの公開声優オーディション会場をご案内頂いた、同社プロダクションコーディネーターの尾崎佳菜氏。ステージ上ではオーディションの真っ最中。

〇展示会場(Exhibit)

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画像:ガンプラは根強い人気を誇る。バンダイナムコのブースにて。 
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画像:ジークアクスのフィギアにじっと見入る、参加者。 
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画像:ポニーキャニオンのブースには、進撃の巨人がデーンと
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画像:長い歴史を誇る、攻殻機動隊
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画像:精工なフィギアも人気。壽屋(KOTOBUKIYA)のブースにて。
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画像:高値で取引きされるセル画。ナウシカは$12,000/現在の為替で約175万円なり。ANIME Linkのブースにて。
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画像:ファイナルファンタジーXIVオンライン スクエアエニックスのブースにて
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画像:人気ストリーミングサービスCranchyroll(クランチロール)は広大なブースを構えていた。
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画像:9月に全米公開が予定されている「劇場版 鬼滅の刃 無限城編」の映画ポスター。同じくCranchyroll(クランチロール)のブースにて。 
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画像:アニプレックスUSAは創立20周年だそう。ブースではTシャツやフィギア等を販売。

〇Anime Expoを彩る コスプレ

Anime Expoの風物詩と言えばコスプレだが、今年もシンプルなもの、かわいいもの、メッチャ気合が入ったもの、思わず笑ってしまうもの等、様々なコスプレが見られた。それらを一挙、ご紹介。

〇まずは、コスプレではないが、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」の痛バイクから

〇続いて、「理系が恋に落ちたので証明してみた」の痛車

〇…そのまんまですね

〇北米でもコンサートツアーが実施される人気ぶり、初音ミク

〇「ハイキュー!!」ファンの方と思われる。

〇…可憐だ。  ©五エ門

〇レム、ドラキュローラ、リュークの皆様

〇フリーレン大集合

〇初音ミク、鏡音リン、その他の皆様。カラフルであります。

〇メッチャ気合が入った、ファイアフライ-IV戦略強襲装甲

〇完全な手作りと思われる、ジークアクス

〇「勝利の女神:NIKKE」とのコラボによるコスプレ

〇今年1番笑った、「ハウルの動く城」😂 😂

〇おわりに

このように、今年のAnime Expo 2025は大盛況の下に幕を閉じた。会期中は櫻坂46を始めとするJ-POPコンサートなども開催され、まさに日本のサブカルチャーの祭典と言える一大コンベンションであった。

毎年、参加する毎に規模がどんどん大きくなっているように感じるAnime Expoだが、来年の開催が今からとても楽しみである。

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