11月18日~2021年2月26日

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Special 2020.11.05 UP

【INTER BEE EXPERIENCE】ライブと動画配信がハイブリッドになる新たな時代での「音の体験」とは?

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2014年のInter BEE 50回記念開催を機に実施された、特別企画INTER BEE EXPERIENCE。以降、X-Speakerという名称のもとに、世界の主要ブランドSRスピーカーが参加して試聴ができる国内最大、ワールドクラスのSRスピーカー試聴体験イベントとして回を重ねて来た。
2年後の2016年からは、プロフェッショナル向けのヘッドフォン、イヤフォンとマイクロフォンが試聴体験できるX-Headphone/X-Microphoneも加わり、INTER BEE EXPERIENCEは、プロオーディオ部門における看板イベントとして、毎年多くの関連業界関係者を集めている。
今年、オンライン開催となったInter BEE 2020 ONLINEでは、このINTER BEE EXPERIENCEをどのようにオンラインで展開するのか。本来、音楽ライブ制作を主な対象としているこの特別企画だが、コロナ禍において音楽動画配信や無観客ライブ配信などが増加し、また今後のニューノーマル社会においてはライブと配信のハイブリッド化が進むと予測されるなかで、音響部門のコンファレンスである音響セッションとコラボし、これまでとは異なる視点からのアプローチを行うこととなる。
(INTER BEE EXPERIENCEプロデューサー 高橋嘉樹)

ライブと配信ハイブリッド時代のサウンド制作デモ

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ライブエンターテインメントの世界における今年の大きな経験は、音楽ライブと動画配信を両立させる扉を開いたことかも知れない。コロナ禍の終息が未だに見えないなか、ライブエンターテインメント産業は未曾有の苦しみを味わい続けている。そのような環境のなかで産業再起動のひとつの糸口となるのは、ライブと配信のハイブリッド化だ。
INTER BEE EXPERIENCEでは、ライブの音制作におけるクリエイティブテクニックにあらためて着目すると同時に、実際の音楽ライブでの音づくりのデモンストレーションを配信コンテンツとすることにより、動画配信における「音」のこれからを考える場とした。
音楽ライブにおける音づくりは、アーティストやミュージシャンが表現を行うと同時に、裏方のサウンドクリエイターやサウンドエンジニアがその表現を最大限、観客に届けるためのクリエイティビティやテクニックを発揮する。

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今回、11月19日(木)に配信する「ライブと配信ハイブリッド時代のサウンドクリエイティブ・テクニック」では、それぞれ異なる個性や考え方、スタイルを持つ3人のサウンドクリエイターに、音づくりのデモンストレーションを行っていただく。
1人目は、Little Glee Monsterのライブツアーオペレーターをはじめ、数々の大型コンサートや音楽フェスでサウンドエンジニアリングを担当されている株式会社サンフォニックスの奥村岳児氏。2人目は、SIX LOUNGEやFOMAREをはじめ、若者に絶大の人気を誇るバンドをオペレートし、大型フェスやホール、全国のライブ会場を中心に活躍されている株式会社ライブデートの澤田拓郎氏。そして3人目は、株式会社テレビ朝日の音声担当として長年に渡りミュージックステーションや他の音楽番組、クイズ・バラエティ、中継番組等、幅広いジャンルで放送における音づくりをされて来た阿部健彦氏。
この異なる立場や経験、個性をお持ちの3人のサウンドクリエイターが、同じバンドの音をどのように引出し、動画配信を通じてどんな音を視聴者に届けるのか。普段見ることの出来ないミキシングテクニックが見られると同時に、これからの音楽ライブの動画配信にもヒントを提供する、貴重で興味深いコンテンツとなるだろう。

バイノーラルサウンド/立体音響がもたらす新たな動画の音体験

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ネットを通じた動画試聴機会が飛躍的に増加するなか、音楽コンテンツのみならず様々なコンテンツにおいて、映像と同時に音の質や体験性が問われている。そんな動画の音で現在、注目されているのがバイノーラルサウンド/立体音響だ。
INTER BEE EXPERIENCEでは、音響部門のコンファレンスである音響セッションとのコラボ企画として、配信動画を通じた音の新たな体験に着目し、11月20日(金)に配信するセッションテーマを「バイノーラルサウンド/立体音響を体験する」とした。
この日の配信コンテンツは、これまでバイノーラルサウンド/立体音響に取組んで来られたこの分野の第一人者の方と、新たなテクノロジーを紹介する4つの講演とデモンストレーションで構成する。

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1人目は、長年に渡りバイノーラルサウンドに取組んで来られた株式会社サザン音響の稲永潔文氏にご登場いただき、バイノーラル集音/再生を分かりやすく解説いただくと同時に、ダミーヘッドを使った楽器演奏のバイノーラル集音デモを行っていただく。
2人目は、立体音響の第一人者である株式会社アコーステックフィールドの久保二朗氏により、配信ならではの立体音響サウンドメイクを、実際のバンド演奏によりデモンストレーションしていただく。
3人目は、ドイツ発の独自の「イマーシブ3Dインイヤーモニターミキシングテクノロジー:KLANG」を用いた実際のバンドの音づくりデモを、ヒビノ株式会社の藤原哲郎氏にご紹介いただく。
4人目は、新しい音楽におけるイマーシブ体験を提供する「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」を、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社の小室弘行氏にご紹介いただく。

動画全盛の時代だからこそ、あらためて「音」に注目し「音」を考える

日常的に私たちが触れる動画は、映像・画像と音で成り立っているのは言うまでもない。今年、世界中を襲ったコロナ禍のなかで、エンターテインメント分野で特筆すべきは「音」や「音楽」を主役とした動画が増大したことだろう。
だからこそいま、動画の「音」や動画を通じた「音の体験」が問われている言えるだろう。ネットを介して手軽に動画が楽しめる現在、あらためて音のエンターテインメント体験を考え、その現在と将来を展望する必要性が高まっている。
実際にライブと動画制作・配信の音づくりは異なる面も多く、そのテクニックや感性、可能性をより一層高めて行く必要があるのではないだろうか。
INTER BEE FORUMでは音響セッションの基調講演として、「2020−新たな音声制作とコンテンツの音」というテーマで、11月18日(水)16:00から17:30まで講演とパネルディスカッションの配信が行われる。
INTER BEE EXPERIENCEの配信と共に、こちらのセッションプログラムも是非ご試聴いただき、あらためて「音」に注目し「音」を考える機会としていただければ幸いである。

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