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【セミナー】DCAj 「デジタルコンテンツ白書」発刊記念セミナー デジタルコンテンツ産業の市場規模を分析 2011年コンテンツ産業市場規模は前年比微減の約12兆円に

2012年10月15日

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星合氏
星合氏
遠藤氏
遠藤氏
デジタルコンテンツ白書
デジタルコンテンツ白書

■大震災の影響は限定的に

 一般財団法人デジタルコンテンツ協会は9月7日、東京千代田区のデジタルハリウッド大学 秋葉原メインキャンパスのセミナールームで、「『デジタルコンテンツ白書』発刊セミナー」を開催した。
 第一部では『デジタルコンテンツ白書』の内容に沿って、コンテンツ産業の市場規模についての紹介が、第二部では「メディア大激変時代へ」と題した講演とパネルディスカッションが行われた。
 第一部でプレゼンターとして登壇した同協会の星合信宏主幹は『デジタルコンテンツ白書』にまとめたデータを基にコンテンツ産業の市場規模を解説した。
 2011年のコンテンツ産業の市場規模について、12兆460億円、前年比98.8%と紹介。3月11日の東北大震災や欧州の信用不安などの影響を受け「厳しい一年となった」が、「回復は当初考えられていたより早く、市場規模の影響は微減にとどまった」と振り返った。
 コンテンツ別では、静止画・テキスト(4兆9879億円、97%)、動画(4兆4900億円、99.8%)、音楽・音声(1兆3326億円、96.6%)、ゲーム(1兆2354億円、105.8%)(以上、括弧内は市場規模と昨年比)のうち、ゲームのみが前年比で増加している。また、メディア別では、パッケージ(5兆2930億円、96.0%)、放送3兆6980億円、101.5%)、劇場・専用スペース(1兆4352億円、95.4%)、ネットワーク8828億円、115.7%)、フィーチャーフォン(7370億円、96.1%)となり、放送、ネットワークが増加している。

■地デジ化とスマホが牽引役に

 星合氏は「市場規模の大きいコンテンツ項目のトップ10」の上位には、テレビ、新聞、雑誌、書籍があり、「市場規模では、従来のメディアがまだまだ大きい」と指摘した。また、放送については、地上波放送とともに、CATV、CS放送、BS放送が拡大しており、昨年のアナログ停波による地上デジタル放送の普及が放送市場の拡大に大きく寄与しているとし、「昨年は地デジ化とスマートフォンの急速な普及がコンテンツ産業に大きな影響を及ぼした」と述べた。
 また、過去10年間のメディアの構成比の推移から、パッケージからネットワークへのメディアの置き換えが着実に進んでいるという。
 コンテンツ市場12兆460億円の中で、デジタルコンテンツの市場規模は7兆6444億円(前年比109.0%)と、全体の63.5%になっており、デジタルへの移行が進んでいることを指摘した。

■新たな動き「スマートTV」に可能性あり

 後半の第二部では、 同書の第一章、特集「メディア大激変時代へ」の執筆に携わったアスキー総合研究所の遠藤諭所長による講演と、パネルディスカッションが行われた。
 講演で遠藤氏は、テレビを「大衆をつくりあげた装置」であり、「20世紀最大の影響力を持つ」と位置づけ、「そのテレビが変わろうとしている」として、 デバイスの進化や映像ソースの多様化、ソーシャルの登場や技術インフラの発達などが大きくテレビを変えると述べた。
 中でも、スマートTVについては、すでに家電量販店でも各社の製品がデモされており、また、放送局や各種の映像配信サービスにおいても具体的な動きが見られると指摘した。さらに、これまでのテレビとは違うサービスとして、セカンドスクリーンやソーシャルテレビの動きも挙げた。
 遠藤氏は最後に、今後のスマートテレビのあり方として、クラウドにより、PCやスマートフォン、タブレットなどと連携したコンテンツが登場するとともに、デジタルサイネージやゲーム、eBook、さらには、スクリーンを持たない家電などとの連携もの可能性も示唆した。
 そうした未来のスマートテレビのあり方として、テレビが持つ「大画面、家で見る」「家族とみる」「リラックスする」「簡単操作」という要素に、情報機器が持つ「ネットワーク」「オンデマンド性」「ソーシャルメディア」「CGMとの親和性」といった要素を加えることがポイントであると述べた。こうした要素を加えて「時間、お金、場所からの開放」「見たいものを知る、見る」「話題の共有、共感」といった視聴者が求めるものを実現していくコンテンツ作りが求められており、「強いメディアであるテレビがウェブサービスを取り込み、パーソナルエリアでどう変化するかを考えるところにチャンスがある」とまとめた。

■拡大するテレビ×ネットのサービス

 続いて開かれたパネルディスカッションは、専修大学ネットワーク情報学部の福富忠和教授がモデレーターを務め、パネリストに遠藤氏、日本テレビ編成局メディアデザインセンター メディアマネジメント部の安藤聖泰氏、パナソニック AVCネットワークス社テレビBU 先行商品企画担当参事の出来明人氏が参加した。出来氏は、テレビ市場におけるネット対応のテレビの割合が、2009年には10%であったが、2015年には50%に達するとの予測を紹介。現状では各社が独自の機能やサービスを盛り込んで個別に進化していると状況を説明した。パナソニックは2008年に世界で初めてYouTubeが見られるテレビを発売。ネットワークサービスの「VIERA Connect」により、米国では、ネットを通じてビデオ・音楽視聴やSNS、ゲーム、フィットネスなどのコンテンツを提供している。「IT、サービスの発展にあわせて進化していく」と述べた。

■「家族の団らん」から「ソーシャルを介した団らん」へ

 安藤氏は「テレビはもともと、家族の団らんをつくり出すメディアで、そうした機能が ソーシャルとの連動で友達や共通する嗜好の人との団らんを生み出す」とし、同社が3月から行っている「JoinTV」を紹介。JoinTVは、テレビを見ながら、FaceBookと連動することで番組についての情報共有を行えるしくみ。利用者の平均シェアの数は約2回で、1シェア投稿あたりの伝搬数は50倍から100倍と、シェアを10月には2.5世代を実施する計画という。安藤氏は続いて、同社が6月に発表した、スマートフォン向けのセカンドスクリーンアプリ「wiz tv」を紹介。テレビ番組についてのソーシャルメディア上の盛り上がりをリアルタイムに提供することで、話題の番組と出会うことができる。他チャンネルも含めて紹介するしくみであり、必ずしも日本テレビの番組への視聴を誘導するものでない点について、「最も危惧するのは、テレビの前に人がいなくなること。まずは、テレビの前にいてもらうことを重視した。テレビは本来、賞味期限付きのコンテンツなので、今見たい、という作りが重要」と説明した。
 遠藤氏は「ネットの世界は、北風と太陽と同じで、参加している人が楽しければそこに人が集まってくる。FaceBookのエンゲージメント率はいいねの数で質の高さが評価される。番組についてのコミュニケーションは関心のある人どうし閉じた関係でやりとりしたほうが盛りあがる。どれだけ動きがあるかがテレビ内でのコミュニケーションを活性化するしくみにつながるだろう」と述べた。
 出来氏は「50インチ以上の大型テレビは、リラックスしてみる視聴形態がフィットする。4Kなど高解像度のコンテンツをどうするかが課題。放送では出遅れ感がある。今後は、4KにスマートTVの進化を重ねていきたい」と抱負を語った。

 

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