【INTER BEE CONNECTED 2018 セッションレポート】「ラジオを止めるな!」~radikoによって進化するラジオの今を語る~

2018.12.23 UP

ここ数年のトピックス表でラジオ業界の変化が一目瞭然だった

ここ数年のトピックス表でラジオ業界の変化が一目瞭然だった

radikoの最新スペック。いかに成長したかがよくわかる

radikoの最新スペック。いかに成長したかがよくわかる

CEATECでトヨタ自動車の展示にradikoが登場した

CEATECでトヨタ自動車の展示にradikoが登場した

INTER BEE CONNECTED ではどうしてもテレビの話題が中心になってしまうが、2日目最初のセッションはラジオ業界をテーマにした企画だった。2018年に話題になった映画にからめて「ラジオを止めるな!」とタイトルされ、「進化し続けるradikoの取り組み」の副題で変化を遂げているラジオ業界を掘り下げた。radikoによってデジタル化と共通プラットフォーム化が一気に進んでいるラジオの最新動向は、テレビの今後を考える上でも大いに参考になるものとなった。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)

このセッションのモデレーターはメディアアドバイザーでラジオNIKKEI技術顧問の掛原雅行氏。最初にセッションの3つのテーマ「ここ数年ラジオ業界・radikoは?」「今、何が起きている?」「将来、どうなる?」を掛原氏が示した。これらについてコメントしていくパネリストとしてradiko業務推進室長 坂谷温氏、CBCラジオ技術部副部長 金児洋一氏が登壇。さらに会場からのコメントを集めるためのURLもスライドで表示され、途中で意見を紹介するユニークな手法でセッションが進められた。

最初のテーマ「ここ数年ラジオ業界・radikoは?」で掛原氏が示したのが、2014年から2018年までのラジオとradikoについて起こったトピックスの表。これを見るとあらためてラジオがradikoを軸に毎年進化していることがわかる。一方Spotifyの日本上陸やスマートスピーカーの登場など音声・音楽の世界がにわかに活気づいていることにも気づかされる。それを受けた形で坂谷氏がradikoの現状を整理して説明した。スマホアプリのDL数は約2900万に達し、プレミアム会員数は約55万人と音楽の世界では有力なプラットフォームに成長していることがわかる。

会場からの声として「関西在住だがCBCラジオが聞きたかったので助かっている」とのコメントがプロジェクターで示され、それに対し金児氏がCBC社内でのradikoへの取り組みや苦労談を語るインタラクティブな一幕もあり印象的だった。一方、ラジオの聴取率は漸減しており、その中心は高年齢層であることもデータで示され、まだまだ課題が多い状況も言及された。

3つ目のテーマ「将来、どうなる?」では様々な可能性も示された。例えば車業界では「コネクテッドカー」のコンセプトがホットになっているが、その中にradikoが組み込まれる構想はすでにCEATECでのトヨタ自動車の展示で提示されている。またradikoはすでに「ラジコオーディオアド」の実験を始めているが、さらにはメタ情報の充実で視聴者の多様なニーズに応えられる進化もすでに検討しているそうだ。

radikoを軸にラジオ業界がどれだけ進化を遂げ、さらに多様な可能性が広がっていることがよくわかるセッションだった。ただもちろん、それですべて解決ということではなく、これから関係者によるさらなる努力と協力が問われることになるだろう。そしてその姿は、ようやく共通プラットフォームの議論がスタートしたテレビ業界にとって心強い参考事例となりそうだ。ラジオの最新動向からますます目が離せなくなると感じた。

ここ数年のトピックス表でラジオ業界の変化が一目瞭然だった

ここ数年のトピックス表でラジオ業界の変化が一目瞭然だった

radikoの最新スペック。いかに成長したかがよくわかる

radikoの最新スペック。いかに成長したかがよくわかる

CEATECでトヨタ自動車の展示にradikoが登場した

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