【INTER BEE CONNECTED 2018 セッションレポート】「大学生に生で聞く メディア生活」~7人の学生が語る“メディアのリアル”~

2018.12.23 UP

モデレーターの境治氏と産業能率大学・小々馬教授。教授は大学教員の傍らブランドコンサルティングに携わる実務家である

モデレーターの境治氏と産業能率大学・小々馬教授。教授は大学教員の傍らブランドコンサルティングに携わる実務家である

小々馬教授調査の「高校生のメディア生活」トピックス

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登壇の学生のプロフィール。テレビ視聴時間とYouTube視聴時間に注目してほしい

登壇の学生のプロフィール。テレビ視聴時間とYouTube視聴時間に注目してほしい

INTERBEE CONNECTED 1日目最後の企画セッションは現役大学生を壇上に招いた「大学生に生で聞く メディア生活」だ。最初のコマである「マルチスクリーン時代の 動画視聴者像」で若い世代の衝撃的な視聴実態が明らかになったこともあり、大学生の生の声を聴くことができるこのセッションにも多くの人が集まった。(関根禎嘉)

登壇した大学生は産業能率大学経営学部小々馬ゼミの7人だ。ステージには小々馬敦教授も登壇。モデレーターはメディアコンサルタント・境治氏。
学生が登壇する前に、小々馬教授が高校生のメディア接触状況を調査に基づいて概観。最も象徴的に感じられたのは「彼らには見逃しという発想がない。観たいものは絶対に観る」という彼/彼女たちの感覚だ。YouTubeの認知率はほぼ100%、TVerも知らない層は3割。観たいものは何としても観ることができる環境が(合法非合法はともかく)揃っているし、見逃してしまうのは「ダサい」となってしまうのだという。別の言い方をすれば、生活の中でのテレビはしっかり存在感を持っている。学校でテレビの話題をする層は7割に上るという。この割合が高いかどうかは議論が分かれると思うが、一方でYouTuberが出演するテレビ番組や広告が気になるとの回答は3割ということと比較する意義はあるだろう。

さて、登壇した大学生はマーケティング学科に所属する2年生・3年生7名。全員、テレビ局や映像制作の進路を志望しているという。ここからのトークは事前に提出してもらったアンケートに基づいて進んで行く。まず、彼らの世代を中心に人気があると言われている日本テレビ系「今日から俺は!!」を見ているのは二人。しかし、その見方には従来の「テレビ」とはかなり異なる。「いいところ(シーン)はインスタに上がる動画でだいたいわかる。(テレビで)たまたまやってたら『この時間にやってんだ』と思う」(三浦さん)、「テレビで見ているが、何曜日の何時にやっているかは把握していない」(遠藤さん)。この回答には境氏も驚きを隠さなかった。編成を把握していなくても「見て」いるし、一番好きな番組という意識があるのだ。これにはテレビ番組を知る経路が番組表からSNSへ移行していることも伺える。

1人を除いてみな動画配信サービスを利用しているが、その接し方は様々だ。「姉と動画サービスを共有している。みんながテラスハウスを見ているのでNetflixを見る」(中島さん)、「Amazonプライムビデオは自分ひとりでは見ない。彼女とスタバで暇な時にiPadでドラマや映画を見る」(田中さん)、「ドラマは(地上波テレビより)AbemaTVのほうがリアリティがある。自分たち向けだと思う」(能味さん)。生活のスタイルに合わせてカジュアルに利用しているという回答が多かったが、一方でお笑い好きが高じて大阪チャンネルに登録している渡辺さんのような学生もおり、非常に千差万別だ。

話題は生活習慣に移っていく。セッション「マルチスクリーン時代の動画視聴者像」で、日本人は10年前より早い時間に眠っているという調査結果が明らかになったので、境氏は就寝時間を質問。しかしその調査とは裏腹に、日付が変わる前に寝ているという学生はゼロ。逆に、多かったのが布団に入ってからスマホで動画やSNSなどを見ているという回答だった。スマホは「布団に入る=1日のメディア接触の終了」という暗黙の了解をも壊している。
そのほか、境氏の質問と大学生とのやりとりを紹介しよう。

 Q:レンタルDVDをこの1年の中で使った人は?
A:見逃した映画が気になったのがAmazonプライムとかになかったときに親に借りてきてもらう。親が韓国ドラマを借りに行くついで(中島さん)
 Q:最近の学生はラジオを聞くという噂を聞くが、この半年以内にラジオ・radikoを聞いた人は?
 A:昔やってたラジオがYouTubeに出ているのでそれを聞いている。和牛のラジオをYouTubeで聞いた(渡辺さん)
A:radikoを聴いた。彼女がクリープハイプが好きで、尾崎世界観のラジオを聞かされた。友人で多いのはオードリーのオールナイトニッポン。バイト先でもその話題になるくらい(田中さん)
Q: 今年に入って映画館で映画を見た人は?(全員挙手) 3回行った人は?(5人挙手)
A:映画を見たくて見るというよりデートの定番。日本の映画しか見ない。字幕に追いつけない。海外の映画は文化が違うので下準備が必要。それがめんどくさいので見ない(三浦さん)
 Q:災害のときにテレビとパッとつける人は?(3人挙手) テレビをつけない人はスマホを見る?(挙手しなかった学生うなづく) 逆にテレビを付ける人は?
A:自分の住んでいる近くで地震があるとiPhoneが鳴る。災害時はスマホを見るという概念がない。(iPhoneが鳴ったら)テレビをつける(遠藤さん)

大学生の「生の声」に少なからぬ衝撃を受けたのだろう、会場からは質問が相次いだ。登壇した学生の同質性には留意する必要はあるが、環境の変化に敏感な若い世代のメディア生活のリアルを知ることは、メディア産業に携わる者が今後も生存していくために必要不可欠であるとの思いを新たにした1時間だった。

モデレーターの境治氏と産業能率大学・小々馬教授。教授は大学教員の傍らブランドコンサルティングに携わる実務家である

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小々馬教授調査の「高校生のメディア生活」トピックス

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登壇の学生のプロフィール。テレビ視聴時間とYouTube視聴時間に注目してほしい

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#interbee2018

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