【NAB Show 2013】NABに見る放送業界3つの重要課題<小池良次氏レポート>

2013.4.19 UP

METAMORPHOSISを掲げるNAB。模索は続く

METAMORPHOSISを掲げるNAB。模索は続く

 ITジャーナリストの小池良次氏が、今年のNAB年次総会(NAB Show 2013)において討議された3つの重要ポイントについて解説した。

1)リバース・オークション/放送周波数の競売
 スマートフォンの爆発的な利用拡大やブロードバンドの映像利用の拡大により、モバイルブロードバンドの周波数が足りない。放送周波数の600MHzを一部、モバイルブロードバンドに転用しようというもの。十分に有効活用していない放送周波数を移転・廃業の費用をオークションで提供する。FCCは、産業構造の改革をし、同時にモバイル周波数の逼迫を解消したい。

2)再送信問題
 地上波放送局は、広告が伸び悩む中で、ケーブルテレビ、衛星放送の再送信料が重要な収入源になっている。かたやケーブルテレビ、衛星放送事業者は、再送信料をあげられることで、番組調達費があがるのを押さえたいということで、両者が拮抗する。そうした中、4大ネットワークは、視聴率の高い番組を提供しているにもかかわらず、適正な料金をもらっていないとし、放送の打ち切り(ブラックアウト)をするケースが昨年92件も発生している。
 
3)IPビジネスの模索
 IPによる新たなビジネス展開。放送に関してはIP技術が入ってきているが、IPを使ったサービスの提供でどうやって収益を拡大するかという模索が続いているが具体的な方向性が見えない。

METAMORPHOSISを掲げるNAB。模索は続く

METAMORPHOSISを掲げるNAB。模索は続く

#interbee2019

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