【NEWS】JEITA 新年賀詞交歓会が開催 世耕経済産業大臣「日本が自由貿易の旗手に」

2019.1.8 UP

JEITA 柵山正樹 会長

JEITA 柵山正樹 会長

JEITA 遠藤信博 筆頭副会長

JEITA 遠藤信博 筆頭副会長

会場となったザ・プリンス パークタワー東京 「ボールルーム」

会場となったザ・プリンス パークタワー東京 「ボールルーム」

 一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は1月7日、 新年賀詞交歓会を東京・芝のホテルで開催した。
 冒頭、JEITAの 柵山正樹会長が年頭の挨拶を述べ、続いて 遠藤信博 筆頭副会長が登壇し、新年の挨拶とともに乾杯の音頭をとり開幕。来賓として世耕弘成経済産業大臣(=上写真)が新年の挨拶を述べた。
 柵山会長は「Society 5.0の実現を支えるのは、まさにわれわれ電子情報産業にほかならない」とし、さらに「業界を超えて共創や、協調を推進していくことが大切」と共創の重要性を強調した。
 遠藤筆頭副会長は昨年を振り返り「Society 5.0の実現に向けた具体的な動きがおこりはじめたことを実感」した年であったとし、さらに2019年、2020年の大型スポーツイベント等に向け「安全・安心で効率性があり、さらには公平性が高められた新しい社会のインフラが整備され、日本がめざすSociety 5.0の具体的な姿を世界に示すことができるのではないか」と期待を示した。
 世耕経産相は冒頭、「いよいよ、平成とその次の時代を迎える年となった」と、平成30年を振り返り、「平成30年間のヒット商品の変遷を振り返ると、やはり電子情報産業が生活の変化の中心にいる」と述べ、生活、産業における電子情報産業の存在感の大きさを評した。
 続いて今年、経産省が重視している項目に「社会保障改革に対する、経済産業省と産業界のコミット」を挙げ「今年からはいよいよイノベーションによって国民を健康にする、高齢化問題に対処していく」として、JEITAと会員各社の協力に期待を表明した。
 また、今年10月の消費税増税対策とともに、一気にキャッシュレス化を進めると述べ、「消費税が2%あがるのに対し5%のポイント還元、この差分の3%は、政府の世の中のキャッシュレス化を進めたいという思いのあらわれ」と、政府の意欲の強さを示した。
 最後に、世界的な保護貿易の動きの懸念に触れ「日本が自由貿易の旗手、自由貿易の中心にいるという覚悟で、みなさんとともに日本経済を成長させていきたい」と、固い決意を表明した。以下は要約。


■ 柵山正樹会長「電子情報産業がSociety 5.0の実現を支える」
 「政府の強力な経済政策のもと、我が国経済が持続的な成長フェーズにある中、ビッグデータの利活用、人工知能やネットワークなどの技術の進展により、あらゆるものがインターネットにつながるIoTの時代が本格的に到来した。2018年にはSociety 5.0に向けて社会が大きく動き出した年であった」
 「業種を超えた企業同士の連携や共創の取り組みが数多く発表されたことは記憶に新しく、JEITAにおいてもスマートホーム部会で、業界を超えた連携を進めたり、JEITAベンチャー賞や共創プログラムといったベンチャー企業との共創事業に取り組んできた。JEITAが主催しているCEATECにおいても、2018年はさまざまな産業、業種の出展企業から、データ連携、利活用によって社会課題を解決する、未来を見つめた革新的なソリューションサービスの提案や新たなビジネスモデルの披露が相次いだ。本年は、それらの動きがますます本格化していくことを大いに期待している」
 「JEITAが12月に発表した電子情報産業の世界生産見通しでは、世界経済において、貿易摩擦などの不透明要素はあるものの、社会課題解決に向けた生産性向上や新たな価値創造のためのIT投資が活発に推移していることから、今後も右肩上がりの成長が見込まれており、2018年、2019年と過去最高を更新するものと予測している」
 「デジタルトランスフォーメーション、そしてその先にある、超スマート社会、Society 5.0の実現を支えるのは、まさにわれわれ電子情報産業にほかならない。2020年、そしてその先の未来、世界のために業界を超えて、より一層連携していこうではないか。それぞれの会社が戦略を練って取り組んでいくのはもちろん、業界を超えて共創や、協調を推進していくことが大切。JEITAとしては、今後も事業環境の整備や市場創出を全力で後押ししていく」

■20周年を迎えるCEATEC JAPAN「テクノロジーで社会を変えるビジョンを発信」
 「JEITA主催のCEATECは、今年20周年のメモリアルイヤーとなる。CEATAECはこれからも、単にテクノロジーを見せる展示会でなく、テクノロジーで社会をどう変えていくかというビジョンやビジネスモデルを発信し、IoT人材というべき学生たちや、未来の社会を担うみなさんにとって、見て聞いて感じて考えて動き出す、そういう機会となるよう取り組んでいく。あらゆる産業、業種による共に創る共創をベースにしたSociety 5.0の実現をめざす場であるCEATECを、ぜひとも、みなさまの新たな取り組みや共創の成果を披露する場として積極的に活用していただきたい」
 「産業界の発展、我が国の経済成長を確固たるものとすべく、2019年も関係省庁、あるいは機関と連携し、会員の皆様とともに一丸となってとりくんでまいりたい。我々は産業と産業のつなぎ役として、世界に先駆けたSociety 5.0の実現を支えるとともに、日本経済のさらなる活性化に貢献していこう」(以上、 柵山正樹会長)


■遠藤 筆頭副会長「具体化し始めたSociety5.0」
 「昨年、2018年はICTそのものの進化もさることながら、我々の日々の生活の中のさまざまな場面にAI、IoTが本格的に浸透し始め、Society 5.0の実現に向けた具体的な動きがおこりはじめたことを実感した年ではないか。思えば、1995年、携帯電話がアナログからデジタルに変わった年。それから25年経ち、世界のコンピューティング・パワーを見てみると、この25年間で約205万倍。これは1年間かかっていたプロセッシング・タイムが15秒になる。一方でネットワーク側も、特にモバイルはものすごい進化をとげており、25年間に100万倍のキャパシティを持ったことになる。これだけ大きな進歩をし、リアルタイム性のプラットフォームを我々が持ったということではないかと思う。これによって、まさにAIというものが、ビッグデータというものが、手軽に使える、あるいは実用的な価値を持ってきたという時代に入ってきたということだと思う」
 「これらの環境をベースにして、昨年10月に日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信するSociety 5.0の展示会として開催したCEATEC JAPAN 2018においても、我々電子情報通信産業だけではなく、それに加えて建築や流通、そしてエンタテインメントなど、幅広い産業のみなさまにもご出展のご協力をいただいて、日本が目指すSociety 5.0が具体化された場合の社会のイメージというものを力強く世界に発信できたのではないか」
 「今年は、新入社員が、1996年から2000年の方々が採用になる。2000年の方が入るということで、今申し上げた進化の中で生きてこられた方々が新入社員として、社会人として活躍される時がきたということだと思う。さらに加えて、今年はラグビーワールドカップ開催され、来年は2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。2019年には、これらの大会に向けた安全・安心で効率性があり、さらには公平性が高められた新しい社会のインフラが、JEITAの会員各社の技術、知恵を軸に本格的に整備されていく年になると思う。これにより、日本がめざすSociety 5.0は、さらにその具体的な姿を世界に示すことができるのではないか」

■「ICTを活用したソリューションで明るい未来を」
 「世界経済の情勢そのものは予見しにくい状況が続いているが、その中においても、コネクテッド・インダストリーを通じたSociety 5.0の実現という我々JEITAの基本方針が変わるわけではなく、しっかりとこれを支持していきたい。ICTを活用したすぐれたソリューションによって、人間社会の明るい未来をもたらしたいと考える」
 「ここにお集まりの方々一人一人の思いが我々JEITAの連携を深め、政府と地域、さらにはさまざまな産業界がボーダーレスにつながり、AIやIoTを生かし切って、全体最適による価値創造へ向けて、ひきつづき、本日ご出席の皆様のご指導、ご支援、ご協力をいただきたい」(以上、遠藤 筆頭副会長)


■世耕経産相「平成30年の生活の変化の中心に電子情報産業がいる」
 政務の合間を縫い、世耕弘成経済産業大臣が会場に訪れ、来賓あいさつを述べた。冒頭「一つ、お礼を申し上げたい」とし、昨年のさまざまな自然災害時における、エアコンなど家電製品の物資支援協力に謝意を述べた。以下は概要。
 「いよいよ、平成とその次の時代を迎える年となった。平成30年間のヒット商品の変遷を振り返ると、やはり電子情報産業が生活の変化の中心にいる、このことはまちがいない。産業の面でも、工場向けプラットフォームで数百の工作機械を制御して、生産性向上への取り組みをいただくなど、コネクテッド・インダストリーズの推進でも、みなさまの業界で大変な力をいただいている」

■「新たな社会保障改革、イノベーションで国民を健康に」
 「今日、私は経済産業省で念頭の訓示を行った。その中で特に重視しているのは、社会保障改革に対する、経済産業省と産業界のコミットだ。今まで社会保障改革というと、どうしても財政や制度の議論になってきたが、今年からはいよいよイノベーションによって国民を健康にする、高齢化問題に対処していく、そういうとりくみを本格化させていきたい。そうした中で、ウェアラブル端末をはじめとする皆様方の業界の製品がキーになってくる。明るい社会保障改革でぜひ、経産省とJEITAのみなさんがしっかり歩調を合わせていきたいと思っている」
 「そういったとりくみの、ヒントを得るためにも、私は今日、年賀会周りが終わった後、夕刻の便でアメリカラスベガスへ飛び、CESをこの目でしっかりと見てきて、CEATECも負けてないことは充分わかっているのですけども、海外の取り組みも、しっかりと見てきてまた、日本にもちかえってきたい」

■「キャッシュレス化推進」でJEITAとの連携に期待
 「今年は10月に消費税が上がることもあり、その際に、消費税増による需要の変動 減対策に加えて、一気にキャッシュレス化を進めていこうということで、消費税は2%あがるわけだが、5%のポイント還元、この差分の3%というものは、政府の世の中のキャッシュレス化を進めたいという思いのあらわれ。この点でも皆様方にはいろいろな端末の普及やキャッシュレスをベースとした新たなビジネスの展開、製品の展開といった面でJEITAの皆様と連携してまいりたい」

■「日本が自由貿易の旗手に」
 「一方でみなさんが非常に心配されている世界の貿易が保護主義の方向へ向いているのではないかと、その懸念が年初もなかなかぬぐいきれない。まさにこの点では、日本が自由貿易の旗手になり、TPP11や日EU・EPAに加えて、今年はなんとかRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の妥結にもっていきたいと思っている。日本が自由貿易の中心にいるという覚悟でがんばってまいりますので、みなさんがたの業界からもぜひご指導・ご鞭撻をおねがいしたい。今年も、みなさんとともに日本経済を成長させていきたい、固い決意を申し上げて、私からの年頭のご挨拶とさせていただきたい」(以上、世耕経産相)

JEITA 柵山正樹 会長

JEITA 柵山正樹 会長

JEITA 遠藤信博 筆頭副会長

JEITA 遠藤信博 筆頭副会長

会場となったザ・プリンス パークタワー東京 「ボールルーム」

会場となったザ・プリンス パークタワー東京 「ボールルーム」

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