【NEWS】CES 2014 トレンドは「マス・カスタマイゼーション」「多元的スクリーンの進化」「自律化」など OTTの4K化に期待 世界家電売上額は前年比-1%に

2014.1.7 UP

家電業界売上総額の1%減を予想した米CEAのSteve Coenig氏

家電業界売上総額の1%減を予想した米CEAのSteve Coenig氏

イベントには、世界のメディアが集まった

イベントには、世界のメディアが集まった

 International CES(主催=米CEA)開催前の5日、CEAのアナリストであるShawn G. DuBravac氏とSteve Koenig氏は講演を行い、2014年の世界家電売上額は前年比-1%となるとの予想を発表した。最初に講演したDuBravac氏は、注目すべき傾向に関する分析を行い、「マス・カスタマイゼーション(大量生産でありながら、個人の要求を満たす製品形態)」、「多元的なスクリーンの進化(空間解像度、サイズ、色解像度)」、「自律化(センサーの進化とセンサ情報の結合)」、「キュレーションとコンテンツサービスのシステム化」が挙げられた。
(映像新聞 論説委員/日本大学 生産工学部 講師 杉沼浩司)

■Netflix、YouTubeの4K化に期待
 放送関連では、スクリーンの進化の部分でテレビの傾向分析が行われたが、4K TVは、2013年の米国出荷が5万7000台、2014年でも48万5000台、と控えめな分析がなされた。コンテンツは、NetflixやYouTubeの4K化が期待できるという状況が示された。
 Koenig氏は、調査会社であるGfKとCEAが共同で収集したデータを用いて分析した世界市場の状況を解説した。売上額の前年比1%減は、ローエンド市場を指向したスマートフォン、タブレットの増加で金額が伸びないこと、先進国での家電製品購買意欲がピークを過ぎたことなどがあげられた。先進国は前年比2%減、発展途上国は前年比4%増であるが、いずれも伸びは低下している。アジア(先進国)の8%減、西欧の6%減が大きな減速要因となっている。また、アジア(発展途上国)は、2013年は前年比15%増であったのが、2014年は1%増に急減速しており、これも影響が大きい。

■スマホがデジカメ、ビデオカメラ市場を駆逐、4K市場はほとんどが中国
 売上額では、スマートフォンとタブレットが全体の43%を占めているが、これらの製品が、DSC(デジカメ)、カムコーダ(ビデオカメラ)などを駆逐しており、家電全体の出荷額増には寄与しなくなった。更に、これらの製品の低価格化が進み、米国市場でも66%のタブレットが9型以下の低価格機になると見られている。スマートフォンも同様で、2013年の世界平均価格$345から$297に低下するとの予想が示された。現在、消費者の家電支出の79%がスマートフォン、タブレット、モバイルPC、通常型携帯電話、LCDテレビ、デスクトップPC、DSCの7製品に向けられており、21%にその他の製品(プリンタ、カムコーダ、HDD/ブルーレイ・プレーヤ等)がひしめいている。
 テレビについては、2014年は前年比2%増の2億4700万台と予想され、ゆるやかながら生産が戻り始めたとされている。4Kは870万台と予想され、ほとんどが中国で購入されると分析がなされた。


【杉沼浩司の帰国報告会、報告書】
 現在、International CESに取材中の杉沼浩司が1月21日、帰国後報告会を開催します。また、報告書も1月中に発行します。テーマは、インターナショナルCESにおける4K、スマートTV、セカンドスクリーンと、スマートカー、ITS、IVE(In Veacle Entertainent)
 詳細、お申し込みはhttp://peatix.com/event/26061/viewまで。

家電業界売上総額の1%減を予想した米CEAのSteve Coenig氏

家電業界売上総額の1%減を予想した米CEAのSteve Coenig氏

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#interbee2019

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