【InterBEE 2010】ドイツ フラウンホーファ研究所(FhG/IIS) 超低遅延AAC-ELDを出展

2010.11.18 UP

 独フラウンフォーファー研究所IIS部門(FhG/IIS、7402)は、中継等での利用を目指した高音質低遅延オーディオCODEC方式AAC-ELDを出展した。MP3の開発元として知られる同研究所は、DVD(欧州)や地上ディジタル放送(日欧)で使われるAAC方式の開発元の一社としても知られている。そして、AACを核に、HE-AAC、AAC-LDなど種々の派生方式を開発し、現在も研究開発を進めている。

 今回出展されたAAC-ELDは、同研究所が開発したAAC-LDを更に進化させたものである。多くの高能率型CODECには遅延時間の下限がある。これは、バッファに情報を蓄積するための時間など、演算速度が上がっても回避できない理論的限界である。AAC-LDでは最小20msecの遅延であったが、AAC-ELDでは15msec(64kbps時)に短縮されている。

 音質はAAC譲りの優れたものであり、64kbpsで全く問題なく使用できる。また、このレートでは同レートのMP3よりも優れた音質とされている。会場でのデモでは、96kbpsのAAC-ELDは、128kbpsのMPEG Layer IIや196kbpsのAPT-Xと比べて差異を感じさせないものとなっていた。

 AAC-ELDは、中継時の音声伝送の他、テレビ会議などにも使用されると期待されている。

(写真)
独フラウンフォーファー研究所IIS部門が開発した超低遅延CODEC「AAC-ELD」は、IP電話やテレビ会議、中継音声などに使用が見込まれる

#interbee2019

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