【NEWS】JEITA/JEMA 合同年賀交歓会が開催 世耕経済産業大臣が来賓挨拶「2018年はConnected Industriesを具体化する年に」

2018.1.5 UP

JEITA 長榮周作会長

JEITA 長榮周作会長

JEMA 北澤通宏会長

JEMA 北澤通宏会長

世耕弘成経済産業大臣

世耕弘成経済産業大臣

 一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)と一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)の合同による年賀交歓会が1月5日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪「飛天」で開催された。
 開始に先立ち、JEITAの長榮周作会長が登壇し年頭の挨拶を述べ、続いてJEMAの北澤通宏会長が乾杯の音頭をとり、満場の関係者が乾杯を唱和。来賓として自民党の高村正彦副総裁が訪れるなど政官の関係者も訪れた。 会場は両協会の関係者で埋め尽くされ、各所で年始の挨拶が交わされた。
 その後、政務の合間を縫い、世耕弘成経済産業大臣が会場に訪れ、来賓あいさつを述べた。世耕経産大臣は、グローバル市場における日本の産業の活躍へ向け、昨年は政府がさまざまな市場における交渉を進め、成果をあげていることを紹介。中でもCEBITにおけるConnected Insusties」のアピールは、企業の多くの参加も相まって大きな成果となったことを強調しながらも、「これをビジネスチャンスとしてとらえ、具体的にどういうサービスに変えていくのか、どういう商品として売っていくのかということを、今年はぜひ考えていただく年にしていただきたい」と述べた。

■JEITA 長榮会長「2030年、IoT市場は世界約404兆円、国内約20兆円」
 冒頭の挨拶に立ったJEITAの長榮会長は、2017年を振り返り「まさにIoT元年」とし、「ビッグデータ、人工知能などの技術の進展により、あらゆるものがインターネットにつながるIoTの時代が本格的に到来した年であった」、また「社会課題の解決を進めるコネクテッドインダストリーが大きく動き出したのも2017年。世耕経済産業大臣のリーダーシップにより、「Connected Industries」東京イニシアティブ2017が宣言され、Connected Industriesの実現に向けた大きな一歩が踏み出された」と述べた。

 JEITAが実施したIoT市場規模に関する調査によると、2030年には世界で404.4兆円、日本で19.7兆円と2016年の約2倍の成長となることが予想されている。
 長榮会長は「これは大きなビジネスチャンス」とし「Connected Industriesにより、世界に先駆けた超スマート社会の実現、Society 5.0を推進する我が国にとってCPS、IoTをフル活用して、一人一人が輝く未来をともにつくり、共創していくことが、まさに我々に課せられた使命」と述べた。

 さらに「政府が世界に先駆けた生産性革命の実現に向けて精力的に取り組まれる中、我々、電機、電子情報産業はまさに生産性革命を下支えする中核産業の一つとして、より一層重要な役割を果たすことが求められている。あらゆる産業の付加価値向上に向けた取り組みは、働き方改革にもつながるものであり、業界としてもより取り組みを進めるとともに、国全体の原炊き方改革に貢献していく」と決意を表明した。

 また、昨年10月に開催したCEATEC JAPANについて、「Society 5.0の実現に向けた活動として、家電見本市からCPS、IoTの総合展示会へと舵を切ったCEATEC JAPANはまさにその象徴」と位置付け、昨年、一日あたりの平均来場者数が9年ぶりに3万8,000人を超えたことを紹介し、「幅広い業種・産業が集う総合展示会に生まれ変わった」と成果を強調した。
(本年のCEATEC JAPAN 2018は、2018年10月16日(火)から19日(金)の4日間、幕張メッセにて開催予定。2月から出展募集を開始する)。

■JEMA 北澤会長「実現可能なエネルギー政策を進めることが極めて重要」
 続いて、乾杯の挨拶に立ったJEMAの北澤会長は「昨年来、世界経済、日本経済は、おだやかではあるが回復基調に入ってきている。日本電機工業会で扱う重電機器や白物家電機器は、おかげさまで2017年度上期は、対前年度を上回る好調な生産状況となった」とし、「今年も引き続き、我が国の経済全体が持続的に発展し、電機産業の好調さを維持していくことを心から願っている」と述べた後、同協会が取り組む、3つの重点項目について説明した。

 3つの重点項目のうち、「電機業界の持続的成長戦略の推進」と、「新たなものづくり、サービス産業の創出の推進」については「Connected Industriesによる社会の課題を解決し、あるいは、IoTによる製造業の改革、スマート社会、Society 5.0の実現、そして何よりもグローバルな中で競争力のある社会の実現に向けて、JEITAと協力し、分担をしながら、幅広く取り組みを進めていく」とし、JEITAとの連携による推進をアピールした。

 北澤会長は、3つ目の重点項目として「エネルギー・環境革新戦略の推進」を挙げ、次のように話した。
 「エネルギー、環境問題については、パリ協定、COP23での議論を踏まえ、現在掲げられている2030年における長期エネルギー需給見通し、わが国の温室効果ガス削減目標を確実に実現することが重要と考えている。電機業界もしっかりとこの取り組みを進めていく」

 「昨年議論が開始されたエネルギー基本計画見直しについては、中長期のエネルギー政策の方向として、エネルギーセキュリティのリスクがますます増大していることを鑑みると、エネルギーの自給率をさらに高めることが必要。地球環境の保全のため、さらにCO2の排出を抑制すること、エネルギー価格をより抑え、国民生活、産業競争力を高めることが重要と考えている。我が国が将来にわたり、持続的に発展する上で、地に足のついた、実現可能なエネルギー政策を進めることは、極めて重要と考えている。2030年を目指して、またそれ以降の中長期の確かなエネルギー計画において、しっかりと議論を高めていくことを期待している」

■世耕経済産業大臣「日本経済の成長の牽引者となってもらいたい」
 年賀交歓会開催後30分ほどして公務の合間に訪れた世耕経済産業大臣は、会場に着くなり登壇し、来賓の挨拶を行った。
 世耕大臣は冒頭、自身がデジタルガジェットのマニアであることを披露しながら、昨年購入した製品について言及。
 「Bluetoothでつながるワイヤレスイヤホンは日本製。圧倒的に他を凌駕する音質であると思った。また、私の自宅で一番活躍しているのは、10チャンネル分を28日間録画してくれる全録レコーダー。私の生活を変えてくれている。これも日本製。日本製の家電製品もがんばってくれている」と述べ、続いて、CEBIT 2017における「ジャパン・パビリオン」の成果について話を始めた。

 CEBIT 2017は、昨年の3月20日から24日までドイツ・ハノーバーで開催されたIoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどを活用したBtoBソリューションの展示会。J「ジャパン・パビリオン」には、日本から118社・団体が参加し、7,200m2のスペースを使った大規模出展となった。

 世耕経産大臣は、「CEBITへこぞって参加いただいたことを心より感謝する。史上最大規模の他国からの参加だった。日本の電子情報業界の実力を世界に発信するほんとうに良い機会になった。単なるイベントに終わらず、このCEBITを契機にSociety 5.0を実現していくための産業界の取り組みということで、Connected Industriesという概念を打ち出すことに成功した。これが昨年のCEBITの最大の成果だった」と述べた。
 
 世耕経産大臣はConnected Industriesについて「日本には製造現場、サービスの現場に、たくさんの質の高いデータが眠っているが、残念ながら、各工場やお店に格納されたままで活用されていない。これをつないでビッグデータにして活用していくことによって、日本の製造業、サービス産業のクオリティをもっともっと上げていって、世界と闘っていこう」と説明し、「こういうアイデアが昨年のCEBITから大きく打ち出された」と語った。

 世耕経産大臣はさらに、「このConnected Industriesの中核となっていただくのがJEITA、JEMAのみなさんである。Connected Industriesを、具体的にどういうサービスに変えていくのか、どういう商品として売っていくのかということを、今年はぜひ考えていただく年にしていただきたい」と来場者に注文を投げかけた。
 「我々政府としては、このデータを共有するしくみを、どういうルールをつくっていくか、契約のガイドラインをどうするか、あるいはそこでデータを共有しつつも、大切な知財をどう守っていくか、これを政策としてしっかりととりくんでいきたい」(世耕経産大臣)

 世耕経産大臣は、昨年の政府の活動として、いくつかの成果を挙げた。
 TPP 11の大筋合意においては「電子商取引章」が設けられていることにより「情報の自由な流通、デジタル三原則ということが明確にうたわれている」と指摘。また、日EU経済連携協定(EPA)は昨年末に、完全に最終合意となり、「この中では、カラーテレビ、ディーゼルエンジン、産業用ロボットといった関税が完全に撤廃される」ことを紹介。

 さらに現在交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RSEP)においても「日本として電子商取引や、データの自由な流通をしっかりと入れて欲しいと要望し、多くの国々に賛同してもらっている」とし、「皆様方のグローバルな展開にも我々はしっかりと応援をしていきたい」とさらなる意欲を示した。

 世耕経産大臣は、このように政府の活動によるさまざまな成果を挙げ、最後に次のように話した。
 「皆さんの業界は国内生産額20兆円。100万人以上の雇用をつくっている。皆さん方の業界の発展なくして、日本の経済の成長はありえない」
 「我々は今年も生産性革命、ものづくり革命をうちだし、日本経済を牽引していきたい。その中で皆さんに活躍していただくことが重要。生産性革命のためにもひとづくり革命のためにも、皆さんのいろいろな技術やサービス、商品が必要不可欠だ。今年もJEITA、JEMAのみなさんになお一層がんばっていただいて、日本経済の成長をひっぱっていただくことを期待している」

編集:Inter BEE 2018 ニュースセンター
 

JEITA 長榮周作会長

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JEMA 北澤通宏会長

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世耕弘成経済産業大臣

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