【INTER BEE CONNECTED 2016 ブース報告(3)】伊藤忠ケーブルシステム、HP、NHK 放送とネットの新たなソリューションを提示

2017.4.11 UP

伊藤忠ケーブルシステムがイギリスのYOSPACE社と共同で開発したライブ配信にCMを挿入するシステム

伊藤忠ケーブルシステムがイギリスのYOSPACE社と共同で開発したライブ配信にCMを挿入するシステム

HP社のMedia Workflow Masterはプラットフォームをバーチャル化しワークフロー全体を合理化

HP社のMedia Workflow Masterはプラットフォームをバーチャル化しワークフロー全体を合理化

MMTにより、視聴者は伝送路を意識する必要がなく、どちらでも同じ映像を楽しむことが可能

MMTにより、視聴者は伝送路を意識する必要がなく、どちらでも同じ映像を楽しむことが可能

 昨年11月の18日から20日まで開催されたInter BEE 2016のINTER BEE CONNECTEDの出展ブース紹介3回目は、伊藤忠ケーブルシステム、日本ヒューレット・パッカード、NHKの3社。いずれも放送・映像分野の幅広い分野をカバーする高度な技術、製品を持つ企業だが、CONNECTEDでは特にインターネットを用いたソリューションにフォーカスした展示をしている。

■ライブ配信でターゲティングしたCMを挿入できる、ダイナミック広告挿入を展示。
 伊藤忠ケーブルシステムは、INTER BEE CONNECTEDのスタート以来三年連続の出展で、放送通信の融合分野への意欲を示した。
 同社は、実はメインのブースはInterBEE全体の中央部分に大きなスペースをとって展示している。CONNECTEDはサブブースで、インターネットを通じた配信ソリューションのチームが担当しているそうだ。
 OTTサービスが盛んになった中、スポーツ中継など生中継の番組を独自にネット配信する事例も出てきている。だがまだまだマネタイズに至っていないことも多い。そのためには、テレビ放送と同じように広告を入れていく必要がある。そこで伊藤忠ケーブルシステムでは、イギリスのYOSPACE社と共同でライブ配信にCMを挿入するシステムを開発した。スポーツ中継の途中で試合の間など、空いた時間にタイムリーにCMを挿入することができるという。地域ごとに別々のCMをターゲティングして出し分けることも可能で、こうした生番組のマネタイズに役立つ。
 伊藤忠ケーブルシステムはケーブルテレビの黎明期から業界全体のサポートをしてきた。機材の販売やスタジオの構築からこの展示のようなデジタル周りのソリューションまで、あらゆる側面で一括して業務を支援。BSやCSチャンネル事業者のサポートにまで領域を広げている。放送界がOTTに踏み出して新たな挑戦をする中で、欠かせないパートナーとしてますます役割が増えていくだろう。

■日本ヒューレット・パッカード社が映像業界に見せた意欲。コンテンツワークフローの合理化を展示で訴求。
 日本ヒューレット・パッカード社(以下HP)がInterBEE Connectedに初めて出展。映像業界、放送業界への意欲を示した。TVビジネスのコンテンツワークフローの合理化を訴求し、高度なシステムを提案していた。
 HPはサーバーに強いイメージがあるが、システムのバーチャライズ化にも強く、総合的な合理化を多様な業界に提案している。ビデオ部門を最近組織し、映像業界へもアピールをはじめているという。
 映像業界のIT化もかなり進んできたが、HPとしてはその次のステップとしてさらに使いやすいシステムへの進化を提供したいそうだ。映像システムを導入すると、さらに新しい技術に興味が湧き、モジュールを追加したくなるものだろう。一方で、ひとつのシステムを導入してしまうと、周辺の技術の導入の際も含めて、特定のベンダーに集中してしまいがちだ。結果として使える技術がそのベンダーが扱うものに限られてしまう傾向がある。またモジュールを追加すると操作画面が複雑になり、作業が煩雑になりかねない。
 HP社のMedia Workflow Masterはプラットフォームをバーチャル化し、ワークフロー全体を合理化するとともに、新たなモジュールを追加しても同じインターフェイスで操作が可能になる。IT化がどんどん進んでも柔軟に対応できるのだという。
 すでにシステムを導入した放送事業者はもちろん、新規に導入する事業者にとっても先々まで使いやすくわかりやすいワークフローになりそうだ。新たに映像業界へのアピールをはじめたHP社がこれからさらにどんな提案をしていくのか、注目したい。

■NHK、8K放送の実現に向けた伝送技術MMTで出展。5G時代を見据え、放送と通信、どちらでも受信できる。
 InterBEE Connectedの出展スペースに、今年は大きなモニターがどかんと置かれ8K映像を映し出していた。NHKがConnectedに初めて出展し、新しい伝送技術MMTをアピールしたのだ。
 NHKでは8Kの試験放送をいよいよ8月からはじめている。8Kの受信に将来的に必要な伝送技術としてMMTの研究を進めているという。MMTとはMPEG Media Transportの略で、放送と通信のどちら経由でも映像を伝送できる。
 8K映像は大変なデータ量になる。これを通信で伝送するにはインターネットのインフラが現状では対応できない。だが近い将来、インフラが進化して大きなデータの送受信が可能になるはずだ。それを見越してMMTの研究が進んでいる。
 MMTでは放送と通信、共用受信機で映像が視聴できる。視聴者の側は放送なのか通信なのか、伝送路を意識する必要がなく、どちらでも同じ映像を楽しむことが可能だ。
 いま議論が巻き起こっているテレビ放送の同時配信を実現する際、このMMTを採用すれば対応がしやすいことになる。同時配信はまだまだ何がどう決着するのか、議論ははじまったばかりだが、一定の結論が出て運用規定などを整えればMMTなら対応できるという。
 通信では5Gの実現が間近だと言われている。そうなった時に8Kでの同時配信も一気に実現に近づくかもしれない。それを見据えてMMTの研究は着々と進むのだろう。

【INTER BEE CONNECTED】放送と通信の融合の最新動向について、さまざまなテーマに沿って業界の最前線で活躍するキーパーソンを招いたセッションや、放送局などの最新の取り組みや各種の最新サービスを紹介する展示エリアからなる催し。2014年から毎年、Inter BEEの会期中、3日間にわたり開催し、大きな注目を浴びている。今年、2017年のInter BEE(11月15日〜17日、幕張メッセで開催)でも開催する。

伊藤忠ケーブルシステムがイギリスのYOSPACE社と共同で開発したライブ配信にCMを挿入するシステム

伊藤忠ケーブルシステムがイギリスのYOSPACE社と共同で開発したライブ配信にCMを挿入するシステム

HP社のMedia Workflow Masterはプラットフォームをバーチャル化しワークフロー全体を合理化

HP社のMedia Workflow Masterはプラットフォームをバーチャル化しワークフロー全体を合理化

MMTにより、視聴者は伝送路を意識する必要がなく、どちらでも同じ映像を楽しむことが可能

MMTにより、視聴者は伝送路を意識する必要がなく、どちらでも同じ映像を楽しむことが可能

#interbee2019

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