【NEWS】経済産業省関東経済産業局「映像制作事業者のアジア市場展開に向けた勉強会」を開催 地域の産業・観光振興と映像コンテンツの連携を模索

2012.2.2 UP

会場には多くの関係者が詰めかけた

■地域振興と地域映像産業の連携で海外へ情報発信

 経済産業省関東経済産業局は1月23日、さいたま新都心の合同庁舎会議室において「映像制作事業者のアジア市場展開に向けた勉強会」を開催した。
 地域振興に資する映像を制作する事業者や、自治体の産業振興担当者を対象にしたもので、当日は関係者約60人が参加した。地場産業製品や観光資源を紹介する映像作品を制作し、海外に紹介することにより、需要を活性化するという構造を作り出すことで、映像制作者の新しい市場を生み出していく。今回の勉強会は、そのための方策について意見を交換をする場として開催した。

 冒頭、関東経済産業局地域経済部情報政策課長の竹村勝氏が挨拶に立ち、次のように話した。「現在の映像制作者の現状は大変厳しいと理解している。経済産業省が後押しする地域産業と映像制作事業を結びつけることで、映像作品国外に展開され、ひいては地域の産品の海外販売促進、観光産業の促進につながることを期待している」


■人材育成と環境整備が要件

 続いて「地域映像コンテンツを活用したアジア展開について」と題し、デジタルハリウッド大学院教授の荻野健一氏が講演した。萩野氏は、これまではフィルムコミッションが、地域の産業や観光とメディア、映像産業との結びつきで大きな役割を担ってきたが、放送・映像産業の成熟化に伴い、こうしたつながりが希薄になりつつあるという。そこで、地域産業や観光地は、地域の情報コンテンツを強み位置づけ、独自にメディア戦略を立てることが必要であると説く。地域が独自に、ユニークな産品や観光地を映像メディアで海外にアピールしていくことができれば、日本がさらにコンテンツの豊富な国として認められるようになると強調する。

 そのための要件として萩野氏は、「視聴環境の整備」、「コンテンツをつくる人材の育成」が必要だと話す。
 萩野氏は、今後、GDPの急激な成長率で注目を浴びるアジア地域をコンテンツを提供する市場として見立て、日本ならではの映像コンテンツを提供していくことでシェアの拡大を期待できると言う。

 最後に地域資源を活用した映像コンテンツ制作の実例として、墨田区の“まち映像プロデューサ講座”を紹介。PR映像を地元の工場運営者や工芸品作者自身が撮影し編集して映像化するもので、これを中国の展示会で上映して商談を実現した例があるとし、映像によるコミュニケーションがメディア展開で重要であることを強調した。


■アジア市場へビジネスチャンスを拡大
 萩野氏に続いて、関東経済産業局の中川正勝氏が「映像コンテツにまつわる行政の施策の活用について」と題した講演を行った。中川氏は、今回の勉強会を通して「地域で活躍する映像製作事業者が従来の放送局依存型のビジネスから脱却し、オリジナルコンテンツを用いてアジア市場へ展開するビジネスチャンスを生み出すきっかけにしてもらいたい」と語った。
 本勉強会の第二回は2月20日の15時から同じ場所で開催される。

#interbee2019

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