【ニュース】デジタルドメインの入札オークション、中国とインドのメディアプロダクション合弁会社に3020万ドルで落札

2012.10.18 UP

デジタルドメインのロゴ
ギャロッピングホースとRelianceのロゴ

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 特殊効果およびCG制作を主要事業としているデジタルドメイン・メディアグループ(デジタルドメイン)は、中国・北京にあるメディアプロダクションのギャロップホース・フィルム&TVプロダクションとインド・ムンバイにあるリライアンス・メディアワークスの合弁会社(米国)に、およそ3020万ドル(約23.57億円)で買い取られることが明らかになった。 両社は、250億ドルの複合企業価値を持ち、国際規模で事業を展開している。 

■「倒産すればハリウッド映画業界にも多大な影響」
 デジタルドメインは先月9月11日に連邦倒産法第11章(チャプター・イレブン)を申請した。
 「会社の預金は5万ドルしかなく、今度の金曜日に給与支給を満たすことができない」と、申請当日、担当するロバート•ファインスタイン弁護士が、デラウェア州の米国破産裁判所に申告している。デジタルドメインのチーフエグゼクティブであるエド・エルブリッチ氏曰く、21日までに緊急融資を得られない場合、もしくは融資者へ競売が実施されない場合は、現行デジタルドメインが関わっているハリウッド映画業界のスケジュールに多大な影響を及ぼすと発言していた。
 裁判所側は当初、入札オークションについて早急な判断は控えていたが、次週までに今後の方向性が不透明な場合は、デジタルドメインを支援しないという、マーヴェルエンターテイメントの幹部による発言を証拠に折れたという。
民間投資会社サーチライト•キャピタル•パートナーズは、9月13日に入札として1500万ドルを提示した。 
 入札オークションは9月21日にニューヨークで実施され、デジタルドメインは取引が公聴会で連邦破産裁判官によって承認される前日の9月23日に発表している。 
 無担保債権者の公式委員会では、「デジタルドメインは公正なオークションを実施し、同社の資産を考慮した最高の入札を選択したと考えている」、とオークションに対しての回答を提出している。

■施設、保有技術などの全資産を継承
 オークションには、Anchorage Illiquid Opportunities Master Offshore III LPとテクニカラー・クリエイティブサービス USAが参加したという。
 合弁会社は、長編映画や広告までの特殊効果技術からすべてのスタジオ施設およびゲーム制作スタジオまで、デジタルドメインの事業構成する全ての資産を買収する。裁判所の承認を得た所有権のもと、事業の運営を行っていく。
 デジタルドメイン社株の70%はギャロッピングホースアメリカ側に、残りはRelianceが保有するとしている。裁判所の記録によると、合弁会社は3020万ドルを支払うこと、プラス360万ドル分の契約を引き受けること、そして従業員の賃金の290万ドルを支払うことに同意している。
 また今回の件とは別に、デジタルドメインがIPO(新規株式公開)の申請書類で、毎月の経費燃焼率が会社生存を脅かしていることについて開示しなかったことを不服として、有価証券の購入者達はデジタルドメインに対して集団訴訟を起こしている。 
(ザッカメッカ 山下香欧)

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