【InterBEE2012】NEC 「Feel the "Innovation"」をテーマに次期マスターシステムを含む最新の映像ソリューションを展示

2012.11.8 UP

HDTS-3000
Armadia-ff

Armadia-ff

 NECは、「Feel the "Innovation"」をテーマに、次期マスターシステムや新型プロダクションスイッチャーなどの最新の放送ソリューションを展示紹介する。ブース(映像・放送関連機材部門 #5116)内のメインステージでは、第3世代の最新スタジオマスターシステムを中心に紹介する予定だ。

■ メインステージでは、第3世代の最新スタジオマスターシステムを中心に紹介
 NECでは、2003年の地上デジタル放送開始から10年が経過することによる、システム更新需要に対応すべく、第3世代となるデジタル放送用マスターシステムを3つのコンセプトを持って開発しているという。
 1つ目は省スペース/低消費電力/低発熱設計の「人と環境に優しい安心設計」、2つ目はH/Wの電源二重化とシステムの三重化による冗長化、人的ミスを防ぐためのGUIを含むマンマシンインタフェースの統一化、前面から保守が可能となる機器の保守性の改善などの「止めない仕組み」、3つ目はMPEG-2圧縮技術の高度化による帯域の有効利用などの「新しい未来を作る新技術」。
 そこで、メインステージでは、これら3つのコンセプトに開発を進めている最新のマスターシステムを中心に紹介する予定である。

■ 地デジでHD+SDの2チャンネル放送も可能
 NECは、映像符号化にフレーム/フィールド構造適応符号化方式を採用したマルチフォーマット対応のMPEG-2エンコーダ「VC-5300/VC-5350」の後継機「VC-5360」を出展する。
 現在の地上デジタル放送では、映像はフィールドを基本として作られている。フレーム/フィールド構造適応符号化方式は、早い動きの映像の場合はフィールド単位で、遅い動きの場合はフレーム単位でと、ダイナミックに圧縮方式を判断して、最適な方式で圧縮を行う。この方式により、映像品質を保ったまま約2割圧縮率を高めることができるため、例えば、12Mbpsのビットレートで、15Mbps相当の映像クオリティを実現できるという。
 放送映像事業部 国内・公共事業推進部 部長の安田隆二氏は、「帯域の有効利用が可能になるため、例えば地上デジタル放送の帯域で、現在1440×1080ピクセルでハイビジョン解像度の放送を行っているものを、同一のビットレートで、1920×1080ピクセルのフルハイビジョン放送を行うことができる。また、現在の放送品質を保ったまま、HD+SDの2チャンネル放送もできるのではないかと考えている」と最新の送出用MPEG-2エンコーダの性能をアピールした。

■ マルチフォーマットデジタルプロダクションスイッチャ「HDTS-3000」を参考出展
 地上デジタル放送開始から10年経過したことによるシステム更新にあわせて開発を進めているスタジオサブ、ニュース送出などライブ用のマルチフォーマットデジタルプロダクションスイッチャ「HDTS-2000」の後継機種「HDTS-3000」を参考出展する。
 「HDTS-3000」の特徴は、「生放送での運用を重視した操作性(同氏)」という。入力は最大100入力、最大6ME+最大8DSK、最大8DVEで、各MEにリサイザーを内蔵した4KEYを標準装備する。さらに額縁合成機能を強化や2000フレーム/8ポートの静止画・動画メモリを2式搭載可能で、「大画面タッチパネル +8個のロータリーエンコーダによりる操作性を向上させた(同氏)」と説明した。

■ 2RU筐体にSID4入出力+SSDを搭載できるコンパクト設計のビデオサーバを展示
 筐体サイズを従来の5RU筐体・8入出力から2RU筐体・4入出力へコンパクト化し、CMバンク/番組バンクシステムの核となる新型ビデオサーバ「Armadia ff」を出展する。本システムの特徴は、筐体サイズを従来の半分以下のサイズにしたこと以外に、マスター/スレーブ構成で、最大12入出力(SDI)まで対応でき、ネットワーク(Ethernet)によるファイルベースにも対応する。また、記憶装置には、HDDとSSDを用意しており、2RU筐体にSID4入出力+SSDを搭載できるという。
 なお、この「Armadeia ff」は、「従来のバンクシステムだけに用途を絞っていない」とし、「独立した時差再生装置や小規模マスター用サーバ、報道ファイルベースシステムの送出サーバとしての需要を見込んでおり、導入コストが更に小さくて済むため、前機種以上にCATV局の自主放送サーバに適している(同氏)」と説明した。
 この新型ビデオサーバは、「既に受注を開始しており、2013年度から出荷する予定だ。

■ 超解像技術や次世代符号化方式「HEVC(High Efficiency Video Coding)」なども展示
 この他、9月24日に発表したラジオ向けの高音質・小型軽量化の音声中継装置「mobilestudio II」やラウドネス対応製品「オートラウドネスコントローラ"ED-ALC8-D"」、「ラウドネスメーター"ED-LM8"」、研究開発が進められている超解像技術や次世代符号化方式「HEVC(High Efficiency Video Coding)」なども出展する予定だ。

【InterBEE 2012】
Inter BEEは、国内外のトップレベルの放送機器、映像機器、音響機器、照明機器、IPTV、Mobile TV、クロスメディア、周辺アプリケーションやソリューションが一堂に会する「音と映像と通信のプロフェッショナル展」です。クリエイティブ、メディアビジネスの最新動向を知る機会として、メディアに携わるあらゆる方々に関連した展示会です。
11月14日(水)〜16日(金) 幕張メッセで開催します(入場無料)。

Armadia-ff

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#interbee2019

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