【ニュース】『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』開催

2009.7.12 UP

 一般上映される機会の少ないセクシュアリティやジェンダーがテーマの優れた作品を上映する「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が、7月10日から東京都内で開催されている。上映会場は2カ所。東京・新宿の新宿バルト9では7月10日(金)から12日(日)まで、東京・青山のスパイラルホールでは7月16日(木)から20日(月・祝)まで開催される。
 同映画祭の運営委員会は、非営利団体として1991年に発足。映画祭は92年から開催され、今年で18周年を迎える。2004年度からは文化庁の支援も受けるようになった。今年も世界中から集まった選りすぐりの作品が上映される。同運営委員会は、国際連絡会議ILGA(International Lesbian&Gay Association)の日本における支援・参加団体であるILGA日本に加盟している。
 「作品の上映を通してセクシュアル・マイノリティやHIV/AIDSに関する偏見や誤解を解き、より多様で自由な社会を創出するための教育・情報提供の場となることを目指す」(主催者)。海外からも多くの作品応募があり、また、海外の作家や世界各国のセクシュアル・マイノリティ映画祭とのコラボレーションを実施している。
 「現在では異性愛者の観客も増え、セクシュアル・マイノリティである人たち自身が楽しむためのお祭りであり、同時に、異性愛者たちがセクシュアル・マイノリティの文化に触れることのできるアートイベントとしても定着してきている」(主催者)という。
 開催規模は年々拡大し、昨年の来場者数は8000人以上になった。また、累積来場者数は、95000人を記録し、今回の上映会で10万人を越えると見られている。同テーマの映画祭は世界に150以上あり、同映画祭はアジア最大規模という。
 7月10日にバルト9で開催したオープニングイベントで、運営委員会の代表として挨拶に立った宮沢英樹氏は、「毎年、ゲイやレズ、またノーマルな人たちの奉仕によって開催することができている。様々な問題を解決しながら、年々規模を拡大しており、2年後の20周年は節目としてさらに大きな催しにしていきたい」と抱負を述べた。(写真中央が宮沢氏)
 オープニングイベント後には、09年ベルリン国際映画祭 特別テディ賞受賞作の映画「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」(09年・英国)、「パトリックは1.5歳」(09年・スウェーデン)が上映された。

 当日上映された映画はいずれも、ゲイの登場人物を軸にストーリーが展開しているが、性的な描写が強調されるような映画ではなく、彼らと一般社会の人々との関係を通じて、人の尊厳のあり方や、家族・コミュニティのあり方についての課題が提示される構成となっており、ドラマとしても深みのある展開になっていた。
 価値観が多様化する現代社会と旧来のステレオタイプな”一般常識”とのギャップを認識させるという点で、現代に生きる多くの人に通じるテーマが浮き彫りにされている。

 詳細は「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」ホームページ(http://tokyo-lgff.org/)。
【開催概要】
2009年7月10日(金)~12日(日) 新宿バルト9(新宿 / 新宿マルイ アネックス 9F)
2009年7月16日(木)~20日(月・祝) スパイラルホール(青山 / スパイラル 3F)
以上、計8日間
【関連イベント・関連企画】
☆ TILGFF 2009 Photo Gallery
日時:6月22日(月) ~ 7月20日(月) *定休日:7月6日(月)
会場:ココロカフェ (CoCoLo cafe)(新宿区新宿2-14-6 第一早川屋ビル1F)
同映画祭で上映される作品のスチール(写真)を展示。会場は新宿二丁目の人気店、"CoCoLo cafe"。フード or デザート注文の方には、映画祭チケットやフリーパスの提示でコーヒー・紅茶・ウーロン茶の中からワンドリンクサービス(7月10日~7月20日まで限定)。

#interbee2019

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