ファイルベースワークフローを提案する池上通信機

2008.11.19 UP

昨年、東芝との協業から誕生したGFシリーズは、番組制作におけるワークフローの効率化と、コンテンツの品質向上に貢献するソリューションを展開しています。今回のInter BEEでは、機器のラインアップと、各種アプリケーションなど具体的な形で紹介します。


■GFシリーズ製品ラインアップでソリューションを提案

 現場の素材収録から、放送局内の編集、送出、アーカイブまでのワークフロー全体を、フラッシュメモリメディアを核としたGFシリーズで運用した場合はこのように進化する、といった新しい一連の流れを紹介するのが同社の狙いです。
 同社の経営戦略統括部兼マーケティング部の樫村直樹統括部長は、 「テープレス、ワイヤレス、シームレスの3レスコンセプトをさらに深化させた、シームレスインテグレーションをテーマに今回は取り組んでいます」と展示概要を説明しています。
中心製品は、東芝と協業を進めてきたフラッシュメモリ採用テープレス映像制作システムGFシリーズです。「GFPAK」は、16/32/64GBの3つのラインアップを用意。特長は、電源が入っていない状態でも残量表示を可能にする残量ディスプレーを搭載し、インターフェィスには、シリアルATA、汎用性のあるUSB2.0を装備しています。「GFCAM」は、同社の最高級HDTVカメラ同様のデジタルプロセスIC(ASIC)を搭載し豊かな映像表現を誇ります。
また、「GFSTATION」は、VTRライクな操作性とテープレスならではの機能性を両立。128GBフラッシュメモリ内蔵タイプも用意し、追っかけ再生やプレビューしながらのファイル転送などのマルチタスク運用を可能にしています。
今回、新しいラインアップとして、「GFSTATION」をベースに小型・軽量化タイプの「GF STATION PORTABLE」と「GFPAK」のメディアを再生する小型で廉価な「GFPLAYETR」を紹介。加えて、ファイルベースの基本となる簡易アーカイブシステムを構築するうえで、重要なキーデバイスであるメディアアセット管理ソフトウェア「GFMediaManager」も展示します。
 デジタル化の流れから、ファイルベース化が見え始めた現在、単なるテープレス化ではない、ワークフロー改革が求められていますが、 「一気に実現するのではなく、段階的に環境に合わせた、システム構築を可能にするのが、GFシリーズの提案です」と樫村統括部長は語ります。


■現場からの意見を聞きたい
 Inter BEEは、出展者にとって現場の意見や情報をじかに収集できる大きな場です。また、初めてお会いするテレビ番組制作、編集の技術スタッフの意見も聞くことができます。
「技術の方々の意見はもちろんですが、ディレクターやプロデューサの方々がどのような映像を撮りたいかという意見もほしい。具体的な現場の状況を説明いただき、どうしたらよい映像が撮れるのか? ということをお客様と一緒に考えていきたいと思います。」(同上)とInter BEEの活用方法のひとつを説明してくれました。
  

■ファイルベースワークフローに対する考え方

 テープメディアにおいても素材を管理する上で、「どの素材を、いつまで保管しておく」というルールを設定せねばなりません。そのソリューションの一つが「GFMediaManager」です。GFPAKの管理、メタデータ検索のよる素材の引き出し、別のドライブへのコピーなどを可能にします。ファイルベース運用における、素材の取捨選択の作業を軽減する重要なツールになります。
同社樫村部長は、 「一般的には、まだアーカイブスとして最適なメディアは何かという段階の議論が多い。ファイルベースの本質であるファイル化された映像・音声のデータを自由に検索し、いつでもどこからでも使えるというネットワークメリットを十分に説明しきれてないことがその原因にあるのかもしれない。この点を共通の認識にしていくことができればと考えています」と語ります。今年のInter BEEがその解決の場になることを期待したいと思います。

【Inter BEEニュースセンター】

◎写真
GFシリーズを中心に展示する池上通信機のブース・イメージ

#interbee2019

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