Inter BEE 開催に際してIABMからのコメント

2007.8.10 UP

世界中の放送機器業界がInter BEEに集う


IABMは今年初めてInter BEEに協力することになりました。30年以上前に設立されたIABMは世界中の放送機器メーカーを代表しています。我々は250社以上の会員を抱え、世界市場の価値の80%を占めていて“業界の声”を代弁しています。

現在は、あらゆるものがめまぐるしく変化しています。放送機器業界は空前の変化を経験しています。5年後には、ビジネスは5年前のものと全く異なったものになるでしょう。戦略的には、これは、市場の構造や主要投資家、ビジネスモデル、作業手順が変化するであろう“破壊的変化”です。これらの変化は、IT分野でのパソコンの導入または通信分野での携帯電話の導入に匹敵します。

Inter BEEは、メーカーとコンテンツ制作者がこれらの変化を研究し理解するために安定した世界レベルのイベントを提供しています。そこは、新しい製品とサービスが展示され、新しい業務関係が生まれる場所です。日本は主要な世界市場のひとつであり、他のものが対抗するのが難しいと考える未来技術がいち早く導入される場所です。

変化のシナリオは多様な問題を含んでいます。そのいくつかは、文化や社会、人口構成によるものですが、ほかに、技術が左右する問題があります。視聴行動パターンが変化しており、最近の出来事としては、ユーザ制作コンテンツ(UCC)の到来です。年齢別人口構成が異なると、コンテンツの要求が異なり、配信プラットフォームが異なります。業界は、特定の配信プラットフォームを有するリニア放送のモデルから、よりノンリニアでプラットフォーム中立なものに移行しつつあります。ブロードバンドやインターネット、モバイルTVによるテレビ放送の到来は、既存の地上波やケーブル、衛星による配信に挑戦を挑んでいます。放送事業者は、ますます、単一のリニアチャンネルのアプローチにより固執しない広範囲のプラットフォームおよび視聴者のために番組を制作する“コンテンツ工場”になりつつあります。

同様に、これはメディアの新しい所有関係や新しいビジネスモデルを生み出しています。HDおよびマルチ配信プラットフォームのために再目的化パラレルコンテンツを取得し取り込む必要性は、新しい作業方法の導入を余儀なくされ、高レベルの複雑さを生み出しています。第三者に技術基盤の運営を依託し、技術的優位性より高品質のコンテンツに集中することを好む放送事業者もいます。デジタル保管およびデスクトップ編集の値ごろ感はオーダーメイドのハードウェアに対立するものとして統合され、相互運用の可能性のあるソフトウェア環境の開発に導いており、これが新たな挑戦と更なる複雑さを生み出しています。制作、クリエイティブ、およびジャーナリズムに特有の環境において作業手順が変化しており、ある分野では必要な知識や技能の欠如に係わる問題が存在しています。今やデジタル資産はしっかりと管理され、権利が保護され管理される必要があります。

これらの問題のすべてはInter BEE 2007でとり上げられます。現在、放送機器業界は総販売や利益を伸ばしていますが、大きな難題が待ち構えています。10社が世界市場の半分以上を占め、中小企業はめまぐるしく変化する市場で発展し成長することが困難になっています。機会は多くありますが、それらを見つけ、確実にし、利益に結び付けることは並大抵でないビジネスチャレンジです。Inter BEEは長年にわたって放送機器についての最新情勢を見聞し経験する場を提供してきました。それは2007年に訪れるべき場所であり、私はそこで皆様にお会いするのを楽しみにしています。

ロジャー・クランプトン
最高経営責任者
IABM

#interbee2019

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