【SIGGRAPH2009】映画「モンスターズ・インク」のクロスシュミレーター・プログラマー、マイケル・カス氏にCG功労賞

2009.8.5 UP

クロス・シミュレーションの基礎を築く

 ACM SIGGRAPHは、フルCG映画「モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)」(2001年)でキャラクターの衣服や頭髪や毛皮などの表現技術に貢献した、マイケル・カス氏(Michael Kass)に、2009年のコンピューターグラフィックス功労賞(Computer Graphics Achievement Award)を授与すると発表した。
 カス氏はピクサーアニメーションスタジオのシニア・サイエンティスト。氏が開発したシミュレーション・ツールが、CGにおける布素材の表現力と効率を高めたことで、作業の負担が大幅に軽減された。
 カス氏は現在も、ピクサーでアニメーション制作におけるシミュレーション計算の導入についての研究を進めている。特に、クリエイターの演出意図を反映させながら物理的な法則を当てはめることに大きな関心を持っているという。
 カス氏と共に研究を進める、David Baraff氏、Andrew Witkin氏の3人の研究成果は、2006年にアカデミー賞の科学&技術貢献賞を獲得している。この受賞対象である研究は、現在、幅広く利用されているクロス・シミュレーションシステムの概念的基礎となっている。
 カス氏はプリンストン大学で人工知能の学士号を取得し、マサチューセッツ工科大学でコンピュータサイエンスの理学修士号を、スタンフォードで電気工学の博士号を取得している。その後、Schlumberger Palo Alto Research とアップルコンピューターでのリサーチ部門を務め、1995年にピクサーアニメーションスタジオに所属している。

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