JEITA InterBEE2007にて「DTV WORKSHOP 2007」を開催 【Inter BEE TV】

2007.11.20 UP

JEITA InterBEE2007にて「DTV WORKSHOP 2007」を開催

 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2007年11月20日幕張メッセ・国際会議場2階「コンベンションホールA」において、「DTV WORKSHOP 2007 -Towards Full-fledged DTV-」を開催した。 本ワークショップでは、総務省による「地上放送のデジタル化について」、社団法人電波産業会(ARIB)による「ISDB-Tの海外普及活動」、「地上携帯型受信の状況と将来」など、講演が行われた。(IT・放送技術コンサルタント 隅倉正隆)
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■ アナログ放送の終了にあたって送信側、受信側の課題克服が必要(写真1番目)
 最初に総務省情報通信政策局 地上放送課 課長補佐の佐藤好英氏による「地上放送のデジタル化について」、現状の説明があった。地上デジタル放送の普及状況は、2007年3月末時点の視聴可能世帯数として、直接受信は全世帯の85%である約4,000万世帯、ケーブルテレビ経由による受信は、約1,870万世帯。また、地上デジタル放送受信機出荷台数については、9月末時点で2,616万台となり、「目標として据え置いた普及目標ラインに沿っている」と佐藤好英氏は説明した。さらに、アナログ放送が停波する2011年7月までに、世帯カバー率と受信機世帯普及率を100%にする必要があるが、現時点での課題として「送信側の課題である衛星によるセーフティネットの検討と受信側の課題である共聴施設の改修に向けた取組み及び公共施設等(電力施設、鉄道施設、空港施設等を含む)を原因とする電波障害対策共聴施設について、地域住民への説明及び施設改修が必要」と佐藤好英氏は説明した。
■ 積極的にISDB-Tの海外プロモーションを実施(写真2番目)
 次にARIBデジタル放送技術国際普及部会(DiBEG、Digital Broadcasting Experts Group)委員長の高橋泰雄 氏による活動内容の紹介が行われた。DiBEGは、ARIB内に設置され、主にISDB-Tの海外へのプロモーションがミッションとなっている。そして、主な活動内容はテクニカルセミナーとデモンストレーション及びフィールド評価を行っている。その結果、2006年6月にISDB-TベースのSBTVD-T方式をブラジルが採用した。ブラジルの今後のスケジュールについて高橋泰雄氏は「ブラジルの具体的なスケジュールは分からないが、サンパウロで12月2日から開始する予定と聞いている」と説明した。また、現在フィリピン、タイ、インドと南アメリカ各国に対してプロモーション活動を行っており、「ISDB-Tの技術的アドバンテージを常に海外各国に強調している」と説明し、さらに「近年各国でISDB-T技術の特徴とアドバンテージについて認識が高まっている、また多くの国々では、日本のインターラクティブ放送など高いデジタル放送技術及び高いレベルの製品についもても認識しており、日本とブラジルは協力して各国におけるプロモーション活動を行っていくことを考えている」と説明した。
■ ISDB-Tファミリーとして各メディアの連携が必要
 「地上携帯型受信の状況と将来」のセッションでは、JEITA 放送システム専門委員会 副主査の斉藤彰氏による「ワンセグ用端末機器の普及状況」について講演した。斉藤彰氏は「ワンセグ対応携帯電話の出荷台数は、2007年8月時点で累積で1,324万台と1,300万台を突破した」と説明。さらに「携帯電話のワンセグ搭載率は約32%程度に相当する」と説明した。そして、ワンセグ端末について斉藤彰氏は「災害弱者救済のための受信機として、地下街等での再送信や辺地でのフルセグの互換としてのワンセグとして期待している」と期待を話した。(写真3番目)
 次にフジテレビの岡本智之氏による「ISDB-Tmmの目指す世界」について講演した。(写真4番目)
ISDB-Tmmの特徴について、岡本智之氏は「ワンセグとシームレスな視聴が可能であり、リアルタイム視聴とプッシュキャスティングの両方の視聴をサポートしている点」と説明し、さらに「ISDB-Tファミリーとして技術的には共通点が多く、共通部品を使えばISDB-Tmmを実現可能」と説明した。
 本セッションの最後に社団法人デジタルラジオ推進協会 サービス・運用委員会 委員長の黒田徹氏による「デジタルラジオの現状と今後の展開」の講演が行われ、デジタルラジオの技術解説と現在実施中の実用化試験放送内容について説明した。(写真5番目)
今後の展開として黒田徹氏は「2011年7月以降、アナログ放送停波後に空く新たな帯域の1部を利用し、ラジオの役割を継承して、2011年デジタルラジオの本放送・全国展開を目指す」と話し、さらに「ワンセグはいつでもテレビ、デジタルラジオは身近な安心メディア、ISDB-Tmmは放送のマルチメディア展開であり、ISDB-Tファミリーとして各メディアの連携が必要」と説明した。
最後に、NHK放送技術研究所 主任研究員の菅原正幸氏による「将来の高臨場感放送を目指した超高精細および立体テレビジョンの研究開発」について講演が行われた。(提供元:映像新聞社)

#interbee2019

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