【CEATEC】P2Pネットワーク実験協議会、専用ソフト不要のP2Pライブ配信ソリューション「シェアキャスト2プラス」を紹介

2008.11.12 UP

 P2Pネットワーク実験協議会(財団法人マルチメディア振興センター)は、2008年9月30日から10月4日まで開催したCEATEC JAPAN 2008のP2Pネットワーク実験協議会ブースで、活動内容についてのパネル展示と現在実施している実証実験の体験コーナーを設置しP2Pサービスの紹介を行った。
 同協議会では、P2Pに関する社会的理解の促進、技術的測定、今後解決すべき課題の抽出などを目的に、各事業者の参画により本年秋口より2009年3月末を目処に実験を行っており、利用者が安心して映像配信を受けられるための事業者としてのガイドラインも策定している。

■ Joostが提供するNHK国際放送のオンデマンド配信を紹介
 ブースでは、P2Pネットワーク実験協議会にて実施ているP2P配信の実証実験を紹介している。今回、同ブースでは、イギリスのP2P技術を使ったオンデマンド配信サービスJoost(http://www.joost.com/)の今年の6月から提供しているNHK国際放送の英語番組を紹介。商用P2Pによるコンテンツ配信ビジネスの有効性をアピールしている。(写真上)

■ P2P専用ソフトを利用しないP2P配信ソリューション「シェアキャスト2プラス」をデモ
 P2Pネットワーク実験協議会に参加し、実験を行っている株式会社ビットメディアは、9月30日にリリースしたP2P専用ソフトのインストールを使わないP2Pライブ配信ソリューション『シェアキャスト2 プラス(http://scast.tv/sc2/)』を紹介していた。
 シェアキャスト2 は、ビットメディアと(株)アンクルが共同開発し、2002年に日本で初めて事業化したP2P(Peer to Peer)技術を利用したライブ配信システムだ。今回、ビットメディアではP2PエンジンをJavaアプレット化することにより、業界で初めてP2P専用ソフトウェアのインストールを不要とし、Microsoft Internet ExplorerやFirefox、SafariのWebブラウザ上で視聴・中継することを可能にした。
 また、Javaアプレットに対応することにより、Intel社製CPUを搭載したMacでもWebブラウザ「safari」とWindows Media Playerに対応したFilp4MacでP2Pライブを楽しむことができる。さらに、専用アプリケーションを不要としていることで、配信サイトのデザインにマッチした画面デザインやレイアウトを自由にカスタマイズすることができる。これにより、「利用者はP2Pソフトの不要なインストールすることなく、配信サイトのWebページの参照のみで、P2P技術によるライブ配信を体験することができる(説明員)」。(写真下)
 シェアキャスト2プラスでは、Linux版P2P中継用ノード・モジュールも用意しており、データセンターに設置したサーバマシンを利用した大規模配信にも利用可能で、1台のサーバでマルチチャンネル中継もサポートする。説明員によると「P2P通信に起因する非効率なトラフィックを抑制することができる」という。
 提供形態は、シェアキャスト2管理サーバ (ログ管理機能付き)、配信用ノード・プログラム 、P2P中継用ノード・モジュール、Javaアプレット・モジュール、とサンプル画面などのソリューションパッケージ(価格:500万円)とビットメディアが運用しているサーバを利用したASPサービス(価格:10万円/1チャンネル)、P2P技術のライセンス提供の3種類を用意しているとのこと。
 なお、東京都世田谷区にあるコミュニティ放送局であるFM世田谷(http://www.fmsetagaya.co.jp/)がシェアキャストを使い、毎週土曜日午後1時から午後4時までの生放送「あの頃青春グラフィティ」とCEATEC開催期間中の10月1日〜3日の午後1時から午後5時までの「オープンサロン834」をライブ配信している。ブースでは、実際にP2Pライブ配信を体験できる。

#interbee2019

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