【InterBEE 2010】ローランド、デュアルブースにて新製品をラインアップ、オーディオ&ビデオのIP融合オールインワン・スタジオ「VR-5」を発表

2010.11.26 UP

飯田氏(左)、吉田氏(右)
VR-5のデモ

VR-5のデモ

V-1600HD

V-1600HD

 ローランドは、今年のInterBEEにおいて、映像・放送関連機材部門およびプロオーディオ部門をまたぐように2ブースを設け、ライブイベント向けの最新機材を様々なデモンストレーションを交えて紹介。ブース間の通路は「ローランド通り」化とし、目玉製品を一目見ようと多くのローランドファン達で賑わいを見せていた。 


 ■新たなネットワーク放送時代の火付け役VR-5の登場

 ローランドは、主力ソリューションとして、YouTubeやUstreamへのライブストリーミング配信をセルフ・ブロードキャストできるシステムパッケージを揃えており、最近ではインターネットライブ配信スタジオにおいてローランド製品はスタンダード化しつつあるという。

 ブースでは、そうした取り組みの強化の一環として、インターネット配信スタジオで必要な機材を収斂した、オールインワン・スタジオ「VR-5」を初日に発表した。
 デュアルタッチ・モニターで直感操作とプレビュー確認ができ、オーディオ・ビデオミックス機能、ビデオエフェクト、合成キーヤもシンプル操作で行える。ライブ会場ではVR-5で映像・音声をコントロールしながらディスプレイに出力でき、またリアルタイムにSDフラッシュメモリへ記録可能(記録フォーマットはMP4: MPEG-4 Visula)。

 業界初ともいえる、独自開発のUSBインターフェースで、USBビデオ/オーディオ・クラス対応していることが何よりも最大の特徴である。
 ローランド株式会社RSG営業部マーケティンググループ・リーダの飯田厚二氏は、「VR-5はSDベースということもあり、コンセプト自身も果たしてInterBEEにふさわしいかというのは、悩みました」と語る。
 「VR-5は、USBインターフェースによってPCからはWEBカメラに置き換わるものとして見えます。映像を切り替えるだけで放送局になってしまう、というコンセプトのもと、UStreamをされている局やローランドユーザーからのニーズを取り入れて完成させた商品です」(飯田氏)


■「ネットを用いた”放送”の敷居を下げたい」

 「番組企画内容は非常にクリエイティブであるにも関わらず、ネットワーク知識がないことや、A/Vの煩雑な接続が必要なことなどから、ネットを用いた番組放送の実現の敷居が高いという声を沢山聞いています。クリエイターが番組企画・制作に集中できるよう、ITと配線周りに関してのハードルを下げてあげたい。そう考えまして、USBで解決できるのではないかという案に達しました。しかし要求を満たすチップは市場にはなく、そこで自社で開発することにしました」(飯田氏)

 RSG営業部マーケティンググループ担当課長の富沢端夫氏は、ローランドが映像技術においても実績を持っており、VR-5にはその経験が生かされているという。
 「ローランドというと、音響オリエンテッドと思われがちですが、実はデスクトップビデオでは火付け役になったこともあり、映像技術では17年ほどの歴史があるのです。その長年の実績と音響、そしてPC周りのコンバーターの開発力を結集して生まれたのがVR-5です」(富沢氏)


■ハイエンド志向であるがゆえシンプル、マルチフォーマット・ビデオスイッチャーV-1600HD

 ローランド社では、ライブ配信向けのシステムパッケージとしてパーソナルユースからフルHDシステムまでオールマイティに揃っている。
 業務用のハイビジョン機器を揃えるフルHDクオリティのシステムパッケージでは、今年8月に発表した、マルチフォーマット・ビデオ・スイッチャー「V-1600HD」と共に当社のマルチフォーマットビデオプレゼンターからラインを取り込み、ミキシングコンソールでオーディオ編集や、マルチフォーマット・コンバーターでライブ素材をPCへ転送し、ストリーミング配信できる。

 V-1600HDは、1Key、1SDKを装備し、またピクチャーインピクチャもタッチパネルで操作できる、類のないオールインワン型スイッチャー。 何よりも優れているのは、多様な映像入出力フォーマットを受け入れてくれることだ。 V-1600HDの内蔵されたフレームシンクロナイザーにより、混在したフォーマットも自動調整、変換して出力できるため、ユーザーは、多種メーカーのカメラなど、無意識にも多様な入出力デバイスを混在して使える。

 最大14系統の映像を自在にスイッチングでき、ステージでのマルチスクリーン演出や収録だけでなく、SPANモードによりHD解像度の2画面を繋いで2台のプロジェクターを介して1つの大きなスクリーンとして投影できるユニークな特徴も有する。
 また、マルチズーム機能では、映像の一部分を切り出してディスプレイすることで、マルチカメラをスイッチングしているような映像効果も演出できてしまう。
当社ブースでは、そのほかに、ビデオフィールド・レコーダー「F-1」のMPEG2 TS記録に対応した最新バージョンVer.2や、今年9月に発売されたマルチビューワー/スイッチャー「MVS-12」、ライブミキシングコンソール、フォーマットコンバーター、ハイスピードUSBオーディオインターフェースといった多くの新製品が展示された。

写真キャプション(人が2名写っている写真):

(左)
(右)

VR-5のデモ

VR-5のデモ

V-1600HD

V-1600HD

#interbee2019

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