【ワイヤレスジャパン2009】NTTドコモ、全国向けマルチメディア放送規格ISDB-Tmmのデモを公開

2009.7.28 UP

 ワイヤレス&モバイルの通信技術とサービスに関する総合展示会「ワイヤレスジャパン2009」(主催:株式会社リックテレコム、企画運営:日本イージェイケイ株式会社)が、7月22日−24日の3日間、東京ビックサイトで開催した。NTTドコモは、2011年7月24日の地上アナログテレビ放送停波後に空くVHF帯ハイバンドで実施される予定の携帯端末向けマルチメディア放送「ISDB-Tmm」の送受信デモを公開した。

■ ISDB-Tmm、高品質ストリーミングとファイルキャスティングをデモ
 NTTドコモは、携帯端末向けマルチメディア放送の全国向け放送規格「ISDB-Tmm」の「高品質ストリーミングサービス」の送受信デモと「ファイルキャスティングサービス」のデモを実施した。ISDB-Tmm方式では、最大720×480ドット、30フレーム/秒の映像を提供する事ができる。また、リアルタイムストリーミング放送サービス以外に、ビデオファイルや音楽ファイル、電子書籍など多種多様なコンテンツを放送波を使いIPパケットで伝送し、自動的に携帯電話に蓄積させて、好きな時間に視聴することができる「ファイルキャスティングサービス」も提供される予定だ。(写真上)
 「高品質ストリーミングサービス」の送受信デモでは、実際にH.264で圧縮した1.8Mbps〜2Mbpsの720×480ドット、30フレーム/秒のライブ映像を有線で放送し、シャープ製携帯電話「SH-01A」で受信するデモを実施した。今回デモで使用した携帯電話は、シャープ製の「SH-01A」をベースに、6MHz帯域13セグメントを受信するチューナを搭載しているという。また、「ファイルキャスティングサービス」のデモでは、蓄積されているコンテンツ一覧から視聴したいコンテンツを選択して視聴するデモを実施した。コンテンツ一覧では、コンテンツのサムネイルとタイトル、料金表が表示されている。コンテンツ一覧から視聴したいコンテンツを選択すると「通信を使い認証・課金処理を行う流れとなる(説明員)」。また、ファイルキャスティングの特徴として、「電波状況により受信しきれなかったコンテンツを通信を使い補完する機能を持っている」と説明した。なお、ファイルキャスティングサービスは、放送波を使ってIPパケットを伝送する方式を採用していることから、「IP伝送についても機能を搭載して検証評価は行っている」と説明した。(写真中央)

■ ポケットU
 この他、NTTドコモのブースでは、NTTドコモが提供する自宅のパソコンに保存されている動画や音楽、画像、文書データなどのコンテンツを、外出先から簡単に見ることができる「ポケットU(月額525円)」と地上デジタル放送とブロードバンドコンテンツが楽しめるテレビ「ROBRO-TV」と連携し、録画番組の視聴ができる「ポケットU×ROBRO-TV」のデモを実施した。
 「ROBRO-TV」は、米ラスベガスで開催されたCES2009で発表、クイックサンとオリオン電気、ドウシシャの3社が開発したブロードバンドテレビで、オリオン電気製のテレビにインテル・アーキテクチャー・プロセッサーを搭載し、OSにMicrosoft WindowsXP Embeddedを採用、クイックサンが開発した統合視聴アプリケーション「ROBRO」を組込むことで、地上デジタル放送とインターネット上にあるブロードバンドコンテンツをリモコンで視聴することができる。
 会場では、携帯電話のiアプリを使い、録画済み番組を携帯電話で視聴するデモを行った。(写真下)
 録画済み番組は、iモーション(3GPP形式)動画として再生するため、動画の長さ(約10MB、5分〜10分)に仕様上の制約があり、「1時間番組の場合、6個程度のファイルに分割される。そのため、1つのファイルを再生し終えた後は、続きのファイルをダウンロードする必要がある(NTTドコモ ユビキタスサービス部IPサービス企画ポケットU推進担当の吉城香織氏)」。なお、「外出先からの録画予約や自宅ではテレビのリモコンとしても利用できる(同氏)」という。また、「ROBRO-TV」の発売については、「オリオン電気かクイックサンから発売する事になると思うが、販売時期については未定(同氏)」と説明した。

#interbee2019

  • Twetter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube