フィックスターズ、ソフトウェアエンコーダでフルHD映像のリアルタイムエンコードを実現

2008.11.14 UP

フィックスターズは、高性能マルチコアプロセッサ「Cell Broadband Engine(Cell/B.E.)」のトータルソリューションカンパニーとして、様々な分野に向けてCell/B.E.導入に必要なハードウェア調達から開発環境整備、ソフトウェア開発まで、一貫したCell/B.E.ソリューションを提供しています。Inter BEEでは、映像・放送分野向けのソリューションにフォーカスし、Cell/B.E.ソフトウェアエンコーダ「CodecSys」によるフルHD映像のH.264リアルタイムエンコーディング、およびSD映像をフルHD映像で表示する超解像のデモを行います。ソフトウェアエンコーダが実現する、高品質フルHD映像のリアルタイムストリーミングを、ぜひその目で確かめてみてください。


■Cell/B.E.に最適化されたソフトウェアエンコーダ「CodecSys」

 フィックスターズがトータルソリューションを展開しているCell/B.E.は、ソニー、東芝、IBMの3社によって共同開発された高性能マルチコアプロセッサです。最新ゲーム機「PS3」のメインプロセッサとして知られていますが、世界最速のスーパーコンピュータ「Roadrunner」にも搭載されるなど、デジタルホームからHPCまで幅広い用途に使われています。今回、Inter BEEでアピールするH.264ソフトウェアエンコーダ「CodecSys」は、このCell/B.E.の演算能力を最大限に引き出し、フィックスターズと米国Broadcast International社が共同開発したものです。
 Cell Engineering事業本部第2部 部長の近村啓史氏は、「フルHD映像をリアルタイムにH.264にエンコードすることに成功したCell/B.E.向けソフトウェアエンコーダはCodecSysが世界初です。従来のハードウェアベースのエンコーダに比べて、アルゴリズムの変更や入出力などをニーズに応じてカスタマイズ、およびアップデートできる点が大きなメリットになります。また、複数台のIntelマシンを使用するクラスタ構成が不要のため、省スペース、省電力とともに大幅なコスト削減を実現します」と説明しています。


■Cell/B.E.搭載ボードでH.264リアルタイムエンコーディングをデモ

 Inter BEEのブースでは、「CodecSys」の性能を来場者にわかりやすくアピールするため、フルHD映像のH.264リアルタイムエンコーディングのデモと、SD映像をフルHD映像で表示する超解像のデモの2種類を行います。まず、H.264リアルタイムエンコーディングのデモ環境では、ハードウェアとしてCell/B.E.搭載のPCI Expressアクセラレータボード「GigaAccel 180」を組み込んだワークステーションを使用。1920×1080 30fpsのフルHD映像をH.264にリアルタイムでエンコードし、外部のPCにストリーミング配信します。
 「GigaAccel 180」は、最新型Cell/B.E.プロセッサ「PowerXCell 8i」を搭載しており、従来のCell/B.E.に比べて、理論値で約5倍の倍精度演算性能を発揮し、超高速計算を行うことができます。最大ピーク性能としては、単精度180GFLOPS、倍精度90GFLOPSを実現します。会場のデモ環境では、ワークステーションのケースを開けて、来場者に「GigaAccel 180」が搭載されている様子を見えるようにする予定です。


■Cell/B.E.搭載IBMブレードサーバでフルHD映像への超解像処理も披露

 超解像のデモ環境としては、システムプラットフォームに、最新型Cell/B.E.プロセッサ「PowerXCell 8i」を2基搭載したIBMのブレードサーバ「IBM BladeCenter QS22」を活用。「CodecSys」に搭載された独自の超解像機能によって、720×480 YUV420の低解像映像データから、1920×1080 YUV420のフルHD映像データを生成し、H.264にリアルタイムエンコードを行い、外部のPCにストリーミング配信します。
 また、超解像のデモに関しては、その卓越した演算性能を来場者に体感してもらうために、Intel Core2Duoプロセッサ搭載のIBMブレードサーバ「IBM BladeCenter HS12」を用いて、1920×1080 YUV420のフルHD映像をエンコードするデモとの比較展示を行います。処理スピードの差は歴然で、Intelプロセッサのシステムは、超解像をしていないのにもかかわらず1秒間に約3枚程度のエンコードが限界。これに対して、Cell/B.E.プロセッサと「CodecSys」のシステムでは、超解像処理をしながら1秒間に30枚のフルHD映像のリアルタイムエンコードを実現しています。

【Inter BEEニュースセンター】

◎写真1枚目
CodecSysのスクリーンショット

◎写真2枚目
GigaAccel 180

#interbee2019

  • Twetter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube