【ニュース】NEC 営放の新システムパッケージを発売 アナログ放送終了に対応

2010.10.28 UP

■デジタル放送に特化した設計 CM素材ファイル化にも対応

 日本電気(NEC)は21日、民間放送における業務の基幹システムである営業放送システム(営放システム)パッケージの新製品「S-CMWIN II」の販売活動を開始した。地方局向けの製品。地上デジタル放送の完全移行に合わせて投入するもので、デジタルに特化した設計・機能を持っている。CM素材のファイル化にも対応。2011年7月から順次出荷を開始する。新パッケージの価格は5000万円から。


 営放システムは、番組・CMの編成からCM枠の販売・管理、放送後に広告主や広告代理店に放送確認書・請求書を発行する業務まで、一元的に管理するシステム。ビデオリサーチの視聴率情報の取り込み、放送局内の売り上げ情報との連携なども行う。
 NECは1978年に「CMTOPシリーズ」を発売して以来、営放システムで30年以上の実績がある。CMTOPシリーズは民放127局中14局が採用。その後、97年に発売した「CMWIN」は29局、東名阪の地上デジタル放送開始に併せて2003年に発売した「S-CMWIN」は52局に採用され、業界トップシェアとなった。


■アナログ終了でデータ構造を再設計

 今回のS-CMWIN IIは、11年のアナログ放送放送終了とCM素材のファイル化、EDIのデジタルフォーマット化などに対応するために製品化したもの。これまでアナログとデジタルの二重化構造であったシステムからアナログ終了で不要となる機能を取り外し、データ構造を設計し直した。

 最大の特徴は、デジタル放送に特化したシンプルで操作性の高い画面設計である点。デジタル放送のデータのみを取り扱うことで、データベースがスリム化し、レスポンスを向上した。

 またCMのファイル化に伴うCM媒体の素材管理機能を搭載。放送局と広告代理店、プロダクション間でCM素材がネットワークで直接やり取りされる形態を想定した機能、インタフェースを搭載している。

 ビデオリサーチによる視聴率調査が、アナログ放送からデジタル放送での調査に切り替わることから、その視聴率評価にも対応している。


■緊急特番の増加にも対応

 従来製品からの強化も図っている。緊急特番が増加していることに対応したもので、同特番の放送進行データ転送が最短十分でできる機能を搭載した。

 画面をこれまでのグレーからブルー基調のレイアウトにするなど、画面イメージを刷新。トップページは、顧客の放送局担当者からの要望を取り入れて、担当者が必要な機能のみを表示するようにした。作業の進ちょくが一目で分かるようにしたり、アナログとデジタルで分かれていた画面を一つにして、文字を大きくするなど、使いやすさを向上した。
 さらに最新OS、データベースソフトへの対応も図っている。仮想環境での運用も可能だ。

 NECは今後3年間で、これまでの顧客である52局の更新、安全運行の実現に加え、10局ほどの新規顧客獲得を目指す。
 現ユーザーに対しては11年7月から一部改修を行い、3カ月スパンをめどに順次切り替えていく対応をとることで調整を進めている。

#interbee2019

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