欧州最大の放送機器展示会IBC 2007 レポート

2007.10.26 UP

9月7日(金)から11日(火)までの5日間、オランダ・アムステルダムにおいて、IBC 2007が開催されました。
IBCは、欧州における放送機器分野における最大の展示会であり、米国のNABと並び、日本のInter BEEとあわせて放送機器分野の世界3大展示会のひとつとして毎年9月に開催されており、40周年を迎えた今回、欧州における放送機器ビジネスへの期待をあらためて実感することができる盛況な開催となりました。
今回の開催規模は、会場であるライ国際展示場の全12ホールを使用して開催され、出展者数は1,300社以上、5日間の開催期間中に120カ国・地域以上から46,964名の来場がありました。

展示会より一足先に6日より開幕したコンファレンスでは、今回も注目の講演や発表が並びました。
IBCは、米国・Apple社の共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック氏がPCを発明したことに対し国際功労賞を授与しました。受賞講演のインタービューで同氏は「生涯エンジニアでいたい。Appleで最も長く在籍する社員になりたい。」と語りました。
また、「次の40年」という演題で、米国・家電協会のゲイリー・シャピロCEOが講演し、「一般消費者の声を聞くことが大切であり、放送事業者の資産を活かせば将来は明るい。」と語りました。
このほかにも開催期間中に、約70の講演会や大画面でのプレゼンテーションが展開されました。
さらには、展示会場内にもトレーニングゾーンが設置され、ユーザの様々なニーズに対応するバリエーション豊富な企画が実施されていました。

今回のIBCでは、2つのテーマ展示エリアが企画されていました。
ひとつがMobile TVゾーンで、DVB-H、メディアFLOなどのモバイルTV方式に関連したデバイスやソフトウェアなどを42社が披露しました。
メディアFLOの英国・BスカイBでの本格サービス開始が遅れ、欧州ではDVB-Hの浸透が進んでおり、既にサービスを開始しているイタリアでは、サービス開始1年で45万人がDVB-H端末を所持していると発表していました。
また、もうひとつの注目が今回はじめて企画されたIPTVゾーンです。このゾーンでは、参加企業がミドルウェア、STB、EPG、VOD、H.264などの様々なデモンストレーションを実施し、多くの来場者の関心を集めていました。
また、今回のIBC Innovation Awardsは、CNNデジタルニュース収集プロジェクトが受賞しました。

今回のIBCに日本からは、ソニー、NEC、日立国際電気、池上通信機、三菱電機、フジノン/富士フイルム、キヤノン、朋栄、リーダー電子、昭特製作所など、例年多くの企業が出展し、欧州市場に向けてのアピールおよびマーケティング活動を展開しています。
ソニーはHDニュース制作ソリューションやデジタルシネマカメラなどを展示するとともに、シアターでの4Kプロジェクタによる映像上映が注目を集めました。NECは送出関連機材とデジタルAV用システムLSIの2つのブースを別々の会場に持ち、日立国際電気ではカメラシステムを中心に展示していました。池上通信機はHDTVのカメラシステムやポータブルノンリニアディスクレコーダなどを出展していました。
朋栄は初公開となるビデオスイッチャ、フジノン/富士フイルムはTVカメラ用レンズ、キヤノンはHDカメラとレンズの展示など、各社の製品群を積極的にアピールしていました。

このたび、Inter BEEがはじめてIBCにブース出展をするとともに、欧州のメディアに対するプレスブリーフィングを行いました。
ブースでは、Inter BEEのプロモーションビデオを放映し、イメージ訴求を展開するとともに、2007年の開催告知PRおよび2008年への出展誘致PR活動を行いました。
また、9月8日(土)午前10時30分より、会場内のプレスセンターにおいてプレスブリーフィングを実施しました。このブリーフィングには約30名のプレスが参加し、日本の展示会ではどのような新しい技術が見られるのかという熱心な質問が投げかけられました。ブリーフィング以外にも、プレスセンターに設置したプレスキット200部が2日間でなくなるなど、海外のプレス関係者からも日本の展示会への関心の高さをうかがい知ることができました。

今回のIBCの盛況ぶりは、世界的に進展する放送のデジタル化による産業とビジネスの変化に対する注目の現われと見て取れます。この進展は米国・欧州・日本においてほぼ同時に進行しており、世界のマスメディアや業界関係者が世界中の動向と事例を注視している状況にあります。
Inter BEEにおいても世界のマスメディアや業界関係者の注目を集めることと思われます。
Inter BEEを世界の潮流を読む機会として、ビジネスチャンスを生み出す絶好の機会として、今回の開催にどうぞご期待ください。
より多くの皆様のご来場をお待ちいたしております。

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