【InterBEE2010】富士通 IPTV向けリアルタイム映像配信システムと報道素材高速ファイル伝送システムを展示

2010.11.21 UP

富士通ブースの様子
IPTV映像配信ソリューション

IPTV映像配信ソリューション

高速ファイル転送ソリューション

高速ファイル転送ソリューション

 富士通(ブース:8309)は、InterBEE2010において、IPTVフォーラム仕様に準拠したIPTV端末向けのH.264 HD映像リアルタイムライブ配信ソリューションと一般のFTPと比較して約20倍の転送速度を実現した報道素材高速ファイル伝送システムを展示した。


■ アクトビラに対応したIPTV向けリアルタイム映像配信システム「Live On Demand」を紹介

 この「IPTV向けリアルタイム映像配信システム(Live On Demand)」は、デジタルテレビ情報化研究会で策定しIPTVフォーラムで標準化したネットテレビ仕様に準拠したアクトビラ対応テレビに、H.264形式のHD映像をIPネットワーク経由でリアルタイムライブ配信を実現する配信ソリューション。アクトビラ対応テレビやSTB(セットトップボックス)へライブ配信とVOD配信を提供することができる。

 現在のIPTVフォーラム仕様では、VOD規格とライブストリーミング規格がある。このIPTVフォーラム仕様に準拠したサービスは、現在IPTVライブストリーミングとVODを提供する「ひかりTV」とVODを提供するNHKオンデマンドとアクトビラである。富士通が提案するこのソリューションは、VOD規格のストリーミング方式を使い、リアルタイムのライブストリーミングできるようになっているため、「ひかりTV対応していない、アクトビラ対応テレビでリアルタイムのライブストリーミングを視聴することができる(説明員)」という。

 システムは、IPTV対応のH.264エンコーダ「IP-900E」と映像データの蓄積サーバー、Web/配信サーバー「Futureye II Live On Demand server」で構成する。著作権保護機能の「Marlin IPTV-ES」はオプションとなっている。また、富士通のIPTV配信ソフト「Futureye㈼ Live On Demand Server」とSONYのCMS「OPSIGATEデリバリー」をシームレスに機能連携することで、「ファイルベースの映像コンテンツの取り込みを可能(説明員)」としている。

 この「IPTV向けリアルタイム映像配信ソリューション(Live On Demand)」のメリットは、3つあるという。
1つ目はIPネットワークを使った局内共聴としての利用、2つ目は系列局間の素材伝送、3つ目はイベント中継映像の2次利用。局内共聴については、テレビモニターで視聴する場合にRFへ変調する必要がないこととOn Demandでの見逃し視聴が可能だ(説明員)という。

 本システムは、11月に発売を開始予定で、シンプル構成で約380万円で提供する予定だ。なお、大手銀行では社内教育用に既に利用しており、大学の遠隔授業などで利用したいとして引き合いがあるようだ。


■ FTPの約20倍の転送速度の報道素材高速ファイル伝送システムを紹介

 「ファイルベース(テープからディスクへ)時代に向けたワークフローの革新」をテーマとし、ファイルベース化に向けたソリューションとして、放送局内のファイルベース化を支援する「報道素材高速ファイル伝送ソリューション」を展示紹介した。

 この「報道素材高速ファイル伝送システム」は、H.264エンコーダとファイル蓄積ソフト、高速ファイル伝送ソフト、ファイルサーバシステムからなる。現地取材先で撮影した映像をH.264エンコーダ「IP-900E」でエンコードしてPCのファイル蓄積ソフトにて蓄積する。高速ファイル伝送ソフトを使い、蓄積した映像ファイルを1分単位でファイル分割して受信サーバへ送る。この高速ファイル転送ソフト「BI.DAN-GUN」は、同社が開発した高速ファイル転送エンジンを使っており、「通常のFTPと比較して約20倍の伝送速度を実現している」と映像システムソリューション本部グローバルシステム部の今泉伸一朗氏は説明した。

 このBI.DANGUNで使用するファイル転送エンジンは、UDPプロトコルに送信中に消失したパケットを再送することなく受信側で自動復元する独自のRPS(Random Packet Stream)技術を使っており、「回線品質の悪いエリアでも転送スピードが落ちることがない(同氏)」という。

 サポートする映像ファイルは、MXF、WMV、AVI、MP4、MPEG、FLV、MOVなどで、センター側のファイルサーバーシステムでは、「分割する単位は任意に決めることができるが、その分単位で転送しているため、転送途中から映像の試写が可能」と今泉伸一朗氏は説明した。

IPTV映像配信ソリューション

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高速ファイル転送ソリューション

高速ファイル転送ソリューション

#interbee2019

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