【SIGGRAPH2009】デジタルコンテンツ協会 日本のCG技術を紹介

2009.8.7 UP

日本のR&Dの最新技術を紹介

 (財)デジタルコンテンツ協会(会長 中鉢良治ソニー副会長)は、5日午後「Industrial Application of CG in Japan」セッションを開催し、日本で行われているCG、インタラクティブメディア関係の研究開発状況を発信した。
 今年で4回目となるこのセッションは、日本のR&D状況を海外に発信する目的で、DCAJがSIGGRAPHビレッジ(旧インターナショナル・リソースセンター)で時間と時間を確保し、開催されている。今年も1時間のセッションが行われ4社からの発表があった。例年は3社であるが、座長の杉沼浩司博士(映像新聞社 論説委員)によれば「今年は、特に優れた発表案件が集まったため、個々の発表時間を短縮して、4本の発表を収めた」という。

■KDDI研究所
モーションキャプチャーデータから指定した動きを判別
 最初に、KDDI研究所の徐建鋒博士が、モーションキャプチャーデータから、指定した動きを取り出す(判別する)技法について発表した。6種類の特徴情報を指定するだけで、必要な動きを抽出できる。従来、動きデータを検索することは非常に難しく、精度も得られなかったが、発表された方法では「歩く」「走る」といった高次な概念での検索が可能となっている。

■NICT
複数視点からの観察が可能な立体ディスプレイ装置
 続いて、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)のロベルト・ロペス=グリベール博士が、同研究所で開発している立体ディスプレイ装置「gCubik」について解説した。この立体ディスプレイは、複数の観察者が同時に違和感なく画像を観察できることを特徴としている。観察者毎に、その位置に応じた立体感が得られる。この装置の持つ意味と、技術的背景をグリベール博士は解説した。なお、このディスプレイ装置は、Emerging Technologiesでも展示されている。

■大日本印刷
異方性反射を用いた印刷物への立体加工技術
 大日本印刷の河合直樹氏は、印刷物への立体加工技術を発表した。CGでおなじみの異方性反射を用いて、独特の反射像を金属泊に発生させることで形状表現を行う。現時点では、CADデータにより反射像を制御しているが、将来的には自然画像をソースとしたい、と研究の方向を示していた。

■NTT未来ねっと研究所
高品質IPネットワークによる制作環境
 最後に、NTT未来ねっと研究所の君山博之氏が登壇し、同社の高精細映像制作システムi-Vistoについて解説した。遠隔地を高品質IPネットワークで結び、制作作業を行うためのツール類が示された。現在、4Kディジタルシネマの制作にまで対応しているが、今後は8K制作も視野に入れて研究開発を進めるという。

#interbee2019

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