【映像制作の現場から】日本初“デジタル3D”によるスリラー映画『戦慄迷宮3D』

2009.9.29 UP

(c) ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009
(左)清水監督、(右)谷島プロデューサー

(左)清水監督、(右)谷島プロデューサー

日本初のデジタル3D立体視映画(写真は清水監督)

日本初のデジタル3D立体視映画(写真は清水監督)

「是非、劇場で体感していただきたい」と語る清水氏(写真中央)

「是非、劇場で体感していただきたい」と語る清水氏(写真中央)

<<富士急ハイランドの人気アトラクションをモチーフに>>

 「THE JUON/呪怨』(04)の世界的ヒットで知られる清水崇氏の3年ぶりの新作『戦慄迷宮3D』が完成した。(10月17日(土)東京・新宿バルト9 大阪・梅田ブルク7 ほか全国ロードショー)

 日本で初のデジタル3D映画となる。モチーフとなったのは富士急ハイランドにある同名の人気アトラクション(世界最大のお化け屋敷)だ。
 「”映画セットのような精巧な造りと規模を活かしたリアルなストーリー”との発案が、近年急速に進歩を遂げたデジタル3D技術と結びついた」と谷島正之プロデューサーは語る。


<<「必然のある恐怖描写、心の闇をとらえた演出」に期待>>

 谷島氏は、清水監督の起用理由について「人間ドラマとして必然のある恐怖描写、心の闇をとらえた演出」を期待したと話す。
 清水作品における”日常の、平凡な風景に潜む恐怖”を重厚な構成で紡ぎ上げる作風には定評がある。
 清水監督は今回の演出にあたって「“怖さ”推しの派手な3Dホラーの定石を裏切る、冷たく美しく重いスリラーに挑戦した。これは“青春の終わり”の物語」という。


<<若手実力派俳優が多数参加 「高い臨場感でストーリーを楽しんで欲しい」>>

 演じるのはカンヌ映画祭・最優秀男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥、前田愛を始め若手実力派俳優たち。青春のドラマを重視したテーマに相応しいキャスティングだ。
 「あらゆるものが飛び出す3Dでは観続けられるのが15分ほど。本作ではむしろ3D映画である事を意識しなくなるくらい、画面の中に入り込んだような臨場感の中でストーリーを楽しんでほしい」(谷島氏)


<<IMAGICAによるHD24pカメラを2台使用>>

 日本初のデジタル3D映画として映像、音響ともに野心的な試みが作品の随所に折込まれている。

 3D技術はIMAGICAの全面協力によるもの。この映画の為に作られたHD24pカメラが2台使われた。仕様は極秘となっているが、実際のアトラクションという限られた空間に合わせ、またステディカムにも対応するようコンパクト化が成されている。


<<特殊モニターを使い、現場で視差調整>>

 撮影は遊園地が閉園した後、深夜を跨いで行われた。本来薄暗いお化け屋敷での画面は、立体効果には向いていない。

 そこでポストプロでのカラーコレクションの為に充分な光量を確保し、清水監督とクルー(撮影:田辺司/3Dスーパーバイザー:宇井忠幸)は、3Dの原理である視差調整を特殊なモニターでカット毎に行い、仕上げの際にも再確認と微調整。
 気の抜けない、実に根気の要る作業となった。音響は音響は5.1chで製作。最終ダビングは劇場と同じ環境での3D映写が可能なミディアルタ(東京・富ヶ谷)のステージにて、スタッフ全員が専用メガネを掛けながら進められた(既報:http://www.inter-bee.com/ja/magazine/detail_column.html?id=313&lang=ja)。

 「3D映画は家族や若者向けだけではありません。是非、劇場で体感していただきたい」(清水監督)公開は10月17日。

企画・配給:アスミック・エース
©ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009

(左)清水監督、(右)谷島プロデューサー

(左)清水監督、(右)谷島プロデューサー

日本初のデジタル3D立体視映画(写真は清水監督)

日本初のデジタル3D立体視映画(写真は清水監督)

「是非、劇場で体感していただきたい」と語る清水氏(写真中央)

「是非、劇場で体感していただきたい」と語る清水氏(写真中央)

#interbee2019

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