あなたの撮った映像は、何点? カラオケのように、点数表示される動画判別技術を開発! KDDI研究所

2008.11.7 UP

KDDI研究所は、情報通信技術の調査・研究開発、コンサルティングなどを行うKDDIグループの研究開発部門です。固定通信と移動通信、放送との連携を考えたFMBC(Fixed Mobile and Broadcast Convergence)、次世代ネットワークや超高速無線伝送技術、セキュリティ、アプリケーションなど、幅広いテーマで情報通信技術の研究開発を進めています。今年のInter BEEでは、「プロアマ動画判別技術」を展示します。


■動画撮影における「プロ」と「アマ」の技術を判別

 KDDI研究所は映像コンテンツのワークフローとして、「素材収集→オーサリング→一時分配・二次分配の→コンテンツ管理」という流れを考えています。今年のInter BEEではそれぞれの分野で製品、技術を出展しますが、そのなかでもっとも注目を浴びそうなのが、コンテンツ管理に関する「プロアマ動画判別技術」です。
 この技術は、動画コンテンツが「プロによって制作されたもの」か「アマチュアによって撮影されたもの」かを自動的に判別するものです。
 近年、個人が撮った映像をネットに公開することは一般的になっています。携帯電話のカメラや小型ビデオカメラが普及し、動画撮影がより手軽になり、動画共有サイトの一般的なったことがその背景にあります。
 しかし、ここで問題となるのは、テレビ番組をはじめとする著作権侵害コンテンツが不正に投稿されるケースです。そこで、この技術を使って著作権侵害コンテンツを検出し、その著作権を保護することができます。 
 この技術は、プロとアマチュアの映像における撮影機器、撮影技術、制作工程などの違いをKDDI研究所の独自の手法で解析することにより開発されました。動画コンテンツそのものの特徴を解析するために、著作権を保護すべき動画コンテンツの事前登録が不要であり、一度も投稿されたことがない新規の動画コンテンツに対しても有効であることがこの技術の大きな特徴です。
 

■あなたも小津安二郎になれる?
 将来、アマが映画監督並みの映像を生み出せるかも

 今年のInter BEEではこの技術をさらに発展させ、動画コンテンツを投稿すると、その映像がカラオケの点数のように「プロ度○点」といったように採点されるシステムを展示します。
 画像データを連続的に解析、抽出された映像の特徴からカメラ操作や撮影時の画面の安定性などの評価値を計算、評価値から「プロ度」「アマチュア度」のスコアを算出、といった作業を経ますが、会場では、来場者がビデオカメラで撮影した映像をパソコンに取り込み、瞬時にプロ、アマ度を測定し、来場者の腕前を点数化するデモンストレーションを行う予定です。
 この技術は、コンテンツ制作現場やコンテンツ制作に関わる教育現場などでの利用が考えられます。
 また、この技術をさらに発展させれば、アマチュアの撮った映像を、有名な映画監督の雰囲気を加味させた映像に自動編集することも将来は可能となります。小津安二郎風、黒澤明風などといったプロ並みの作風がアマチュアでも製作できるようになり、動画共有サイトの新たな可能性を創出するかもしれません。
 KDDI研究所ではこのほかに、携帯型ビデオ伝送システムVistarFinder、インマルサットBGAN、イリジウム携帯電話、MPEGソフトウェア開発キットMP-Factory Ver.5、HDTV画質評価ソフト、映像伝送サービスシリューション、ネットワーク型追いかけ再生アプリケーションなどの技術や製品を出展、展示します。

【Inter BEEニュースセンター】

◎画像
プロアマ動画判別技術の概念図

#interbee2019

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