【CEATEC2011】KDDI 視点とともに音場も動く自由視点コンサートを公開

2011.10.26 UP

自由視点コンサートのデモ。タブレットで視点位置を指定できる
バンドメンバーの後ろに回り込んだ例

バンドメンバーの後ろに回り込んだ例

開発チームの堀内俊治博士(KDDI研究所)

開発チームの堀内俊治博士(KDDI研究所)

 KDDIは、KDDI研究所が開発した自由視点コンサートを出展した。KDDI研究所は、自由視点技術の研究を行ってきているが、今回は3次元音場制御技術と組み合わせ「自由視点コンサート」の形でデモされた。コンサートの演奏者の位置を対話的に個別に配置でき、同時に音響も変化する。本展示にはCEATEC AWARD (豊かで夢のある 生活・社会部門)準グランプリが授与された。

■出演者を自由に配置
 自由視点コンサートは、KDDI研究所が10年以上研究してきた自由視点技術と、三次元音場形成技術を組み合わせたものだ。デモでは、楽器を演奏するバンドを水平面内で自由な視点から見るばかりか、個々の演奏者を自由な位置に配置することが示された。自由視点技術は、複数のカメラ(今回は6台)で撮影した映像を、分析、処理することで、どの視点位置からの見え方も再現する、というものである。今回は、視点の移動ばかりでなく、対話的に演奏者を動かすことにも対応した。演奏者が動くと、音源の位置(聞こえてくる音)も画面内の動きに合わせて変化する。これは、三次元音場形成技術によるものである。

■カラオケに応用も
 会場では、タブレット上で画面を操作するデモも行われた。自由視点の処理は、人物ビルボード方式が使われており、処理は軽くなっている。サーバでは高負荷の分析・合成処理が行われ、手元のタブレットでは低負荷の処理が行われる。今回のデモでは、三次元音場処理はタブレット上で行われている。
 今回のデモで、自由視点技術を応用して、特定の演奏者が発する音を強調したり、低減するといった処理が可能なことを見せた。今後、カラオケなどで、利用者が、演奏時にバンドの配置や音の配置を動かすことが可能となる。新しい対話性に発展する可能性が見えて来た。

バンドメンバーの後ろに回り込んだ例

バンドメンバーの後ろに回り込んだ例

開発チームの堀内俊治博士(KDDI研究所)

開発チームの堀内俊治博士(KDDI研究所)

#interbee2019

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