株式会社ディーアンドエムホールディングスの「Digital Audio Recorder DN-H4600N」/「PMD620」

2007.11.21 UP

今年のInter BEEではテレビ業界のテープレスが目玉になっているが、ラジオ業界は数年前からテープレス時代に突入している。
スタジオにズラ~ッと並んでいたテレコが姿を消し、それに取って代わって登場したのがDENONのデジタルオーディオレコーダー DN-H5600Nだった。
今ではラジオの制作現場ではすっかりお馴染みの機器で、どこの局に行っても見かけるが、それもそのはず、すでに1000台の納入実績があるそうだ。2001年の発売から6年が経過しているが、まだイメージ的には新しい機器という感じがする。
今年のinter BEEで、そのDN-H5600Nの廉価版として出展されているのがDENONの「Digital Audio Recorder DN-H4600N」だ(ブース番号:3106)。これまでのものよりも少しスマートな2Uサイズのボディになり、ブラック主体のパネルが新しさを感じさせるモデルだ。もちろんDN-H5600Nとの互換性はあるので、これまでに作ったファイルをそのまま使うことができる。
今回、新しくなった点は、4ch入力になり4ch同時録音が可能になったこと、CFに直接録音できるようになったこと、ネットワークによりファイル転送が可能になったこと、そしてUSBポートが追加されたことだ。
そして何よりの魅力は価格がDN-H5600Nの約半分になったことではないだろうか。
来月発売ということで、すでに導入を決めている放送局も多いであろう。
ただし勘違いしてはいけないのが、このDN-H4600Nは、DN-H5600Nの後継機ではないということ。DN-H4600Nは本体に小さなモニター画面もついていて、その画面を見ながら録音、編集、再生が可能だが、これまでのようなコントローラーはついていないため、すべて本体での作業となる。編集をするのであれば、これまでどおりDN-H5600Nの大きなモニターを見ながらやったほうが効率的であろう。つまりこのDN-H4600Nは、レコーダーとして、プレーヤーとしてスタジオで使用したり、マスターでの送出用に使用したり、ラックに入れて公開録音の現場などに持ち込んで使うことを想定して作られているようだ。
再生機として使用する際には、専用のコントローラーにより最大96素材のポン出しも可能だ。
スタジオにあるDN-H4600Nで収録したものを編集室に持ち込んでDN-H5600Nで編集する…。今後は、スタジオにはDN-H4600Nが並び、編集ルームにDN-H5600Nが置かれるようになるのかもしれない。

また、同じブースでもうひとつ気になるものを見つけた。
Marantz PROFESSIONALの「SOLID STATE RECORDER」というハンディタイプのレコーダーだ。102mm×62mm×25mmというコンパクトなサイズで簡単に高音質の音声録音ができるというもの。録音フォーマットはMP3とWAVが選べ、記録用メディアは、SD/SDHCとなる。片手で操作することを追及しており、録音開始も録音ボタンをワンプッシュするだけ。単3電池2本で5時間の録音が可能で、コンデンサーマイクも内蔵されているので取材現場や街頭インタビューなどの場面で楽に使えそうである。もちろん外部マイクにも対応する為、ファンタム電源出力も持っている。
アメリカでは今月発売だそうだが今回のinter BEEでは、参考出品となっている。日本国内での発売時期は未定だが、価格は4万円台後半になりそうだ。

【ラジオディレクター・野村 満】

#interbee2019

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