【NEWS】米Vimeo クリエイター向け映像コンテンツ販売のプラットフォームを提供 販売価格の9割をクリエイターに還元

　InterActiveCorp（IAC）の関連会社で、ネット向けに高品質な映像配信プラットフォームを提供する米Vimeo社は3月12日、「オープン・セルフ・ディストリビューション・サービス」と呼ぶ、ネット上での映像コンテンツ有料公開システムを開始した。Vimeoで年間会費199ドルを支払っている「プロメンバー」は、自らの映像コンテンツをVimeo上でレンタル、販売の両方の価格を設定して公開できる。Vimeoは、transaction cost（処理費用）として、売り上げの10%を得る。価格の設定や公開対象国、公開期間、ページデザインなどは、すべてプロメンバー自身が決められる。また、Vimeoでの公開に限らず、自分のサイトで公開することも、あるいは両方のサイトに公開することも可能。
　VimeoのCEO ケリー・トレイナー（Kerry Trainor）氏は、次のように話す。
　「Vimeoは、美しいHD品質で作品を公開・配信できる場を提供することで、クリエイターを応援しています。今回のVODの機能強化によって、クリエイターは自分の作品で売り上げを得て、その大部分を自分の報酬として得られることになります」
　Vimeo On Demandで入手した映像コンテンツは、ネットを通じて、モバイルデバイス（アンドロイド、iOS、ウィンドウズ）や、コネクテッドTV（パナソニック、サムソン、フィリップス）でも視聴可能。現在、Vimeoは、月間9300万の視聴者がいるという。
　クリエイティブ開発部門のバイスプレジデントであるブレーク・ホイットマン（Blake Whitman）氏は、新サービスの意義について次のように述べている。
　「かつては、不明瞭で労働集約プロセスと位置づけられていたものが、Vimeoオンデマンドの提供により、オープンで単純なものになります。私たちは、Vimeoのコミュニティとビジターに可能な限りベストな経験を提供できるように常に努力しています。それが、viewable content（視聴可能コンテント）の新しい世界を開き、クリエイターを支援していくことになるのです。このVimeoオンデマンドの第一段階を提供することを誇りに思うとともに、すでに、我々はクリエイターにフォーカスした次なるサービスを準備しています」
　Vimeoオンデマンドは、アカデミー賞にノミネート歴を持つ個人アニメーション作家、ドン・ハーツフェルズ（Don Hertzfeldt）氏の最新作「It’s Such a Beautiful Day」の上映会でお披露目をした。これは、「SXSW インタラクティブ+ フィルムフェスティバル」の催しの一環として、3月12日の11時から12時30分に行われた「Vimeo シアター at SXSW」でのこと。上映会では、ハーツフェルズ氏やVimeoのテイラーCEOが質疑応答に対応した。同作品は今後、Vimeoオンデマンドでレンタル価格2ドル、販売価格6ドルで提供される。