【NEWS】アマゾンウェブサービス 高解像度映像の自動変換サービス「Amazon Elastic Transcoder」を発表 放送、映像アーカイブの提供サービスの負荷を大幅軽減

2013.2.1 UP

サービスの概要図

 Amazon.comの関連会社、Amazon Web Services, Inc.(以下AWS)は1月29日、異なるフォーマット間で映像ファイルを変換するサービス「Amazon Elastic Transcoder」(アマゾン・エラスティック・トランスコーダー)を発表した。
 スマートフォン、タブレット、ウェブ・ブラウザやその他デバイスへの変換用に、あらかじめ定義されたトランスコード・プリセットを提供。高解像度でデータ量の大きいビデオファイルを、ウェブサイトやモバイルデバイス、テレビ用ソフトウェアでの再生用に最適化した小さなファイルに変換できる。 企業用、教育用、個人用、放送用など様々な用途を対象にしている。
 米国、欧州、日本を含むアジア・パシフィックでサービスを提供している。変換に要した時間と選択した解像度によって課金される従量課金制。事前の支払いや一定期間の契約の必要はない。また、毎月最初の20分のコンテンツ変換を無料で提供するAWS無料利用枠を提供しているという。
 
■変換ツールのプリセットが可能 作業・コストの負荷を低減
 ファイル変換はこれまで、高価な変換ソフトを購入し、対応させたい各デバイスの音声や映像の環境を設定しテストをするといった手間がかかった。また、ピーク時の負荷に合わせるため、変換に必要な適正容量を用意する必要があり、そのほとんどはピーク時以外は使わないため、高い投資になっていた。
 Amazon Elastic Transcoderでは、よく使用されるデバイス用にあらかじめ定義されたプリセットを提供しているため、異なるデバイス用に正しい設定やアウトプットのフォーマットを探す、トライ・アンド・エラーの必要がない。ユーザー自らが事前設定できるカスタマー・プリセットも提供しているため、特別なビデオサイズやビットレートなど、ユーザー特有の再利用可能な変換環境を作成できるという。
 変換作業が終了するまでの時間を最小限にし、無駄な容量をなくすために、負荷によって自動的にスケールアップやダウンを行う。Transcoding Pipeline(変換パイプライン)という特長を利用することで、複数のファイルを並行して変換、整理できる。これにより、任意の時間に選択した方法でファイルを変換できるように設定できる。

■大学、人気スポーツ番組などで実績
 例として、報道機関がニュース速報用に 「最優先変換パイプライン」を利用したり、消費者発信型メディアにおいて、ターゲットの異なるデバイス向けに高解像度、中解像度、低解像度の別れたパイプラインを利用できる。
 同社のUtility Computing Service担当バイスプレジデントであるチャーリー・ベル氏は「対応しなくてはいけないデバイスの数が急増しているため、映像の変換は高価で難しくなっているとお客様が教えてくれました」という。「彼らは、異なるデバイス上のビデオ対応の複雑さと、変換業務を指揮するために必要なソフトの、両方の専門 家である必要がありました。両方とも、彼らのビジネス的ゴールである、必要なデバイス上で一番きれいに見える高品質の映像を確保する、ということに何の関係もありません。AWSは、お客様が容易かつコスト効率よく、これらの問題を解決できるようにAmazon Elastic Transcoderを設計しました」
 生徒や教員向けに50言語を超える、何百時間分の映像資料を提供しているワシントン大学の言語習得センター(Language Learning Center)では、増加する映像資産をAmazon Elastic Transcoderを使用し、簡単にウェブやモバイル向けのコンテンツとして変換している。
 総合格闘技のテレビ番組「アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ」を主催するZuffaは、1試合で数百ギガバイトになる大容量の映像をAmazon Elastic Transcoderで提供している。
 また、映像制作者、出版社、広告主をつなぐ、テクノロジ・ソリューション・プロバイダである OneScreen,Incが提供するプラットフォームMedia Graphは、AWSクラウドに新たにAmazon Elastic Transcoderを追加したという。

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