【NEWS】KTV「4Kフェスタ」開催 4K地デジ放送をアピール エリア放送波によるエンド・トゥ・エンドの送受信をデモ

2015.7.1 UP

送信側

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受信側

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Harmonic社からもElectra X3での4K60p/HEVCライブエンコーディングクオリティを披露

Harmonic社からもElectra X3での4K60p/HEVCライブエンコーディングクオリティを披露

コンパクト4Kメモリープレイヤー「PMQ-PZ1」

コンパクト4Kメモリープレイヤー「PMQ-PZ1」

 関西テレビ放送(KTV)は6月4日、「カンテレテクニカルフェア2015」を開催した。KTVによる4K伝送、放送技術開発などの展示「4Kフェスタ」や基調講演、放送技術・製品に関するセミナーが催された。(ザッカメッカ・山下香欧)

■HEVCコーデックを使用したエリア放送波による4K60p伝送実験
 KTVの放送技術展示コーナーの一角では、「地上波デジタル放送規格のエリア放送波による4K伝送実験」が行われた。これは、4K60pのライブ映像や4K60p映像コンテンツを放送波で送受信するデモ。会場では、施設内のUHF送信アンテナからOFDM(64QAM)で、エリア放送波10mWで送信。館内に設置したアンテナで受信した。
 4KコンテンツはElemental Technologies社のライブエンコーダーの最新モデル「L601AE」でリアルタイムにHEVC符号化し(ビットレートは15Mbps)、マルチプレクサでASIにして64QAMで送信。受信側では地上波4Kチューナー試作機(パナソニック社製STB)を介して4K UHD TVに再生した。   
 昨年は「ISDB-Tによる初の4K伝送実証試験」として国内外で注目され、有効性をアピールした。今年は、昨年に続く4度目の実験となった。地上波デジタル放送規格に沿った機器を使用し、一般家庭における受信側も4K地デジ対応STBを使うなど、昨年の実験からさらに一歩実用に近づいた。

■KDDI、東芝から超高精細映像伝送に関連する符号化技術が実演
 KDDI研究所(KDDI)はソフトウェアベースの4K/HEVCリアルタイムエンコーダーを参考出展。今回は、Intel Xeon E5-2680(128G Byteメモリ)を搭載したPCワークステーションでリアルタイムにHEVCにエンコードし(25Mbps)、4K対応STBでデコードしてHDMI経由で4K UHD TVに再生した。
 PCエンコーダーには4K非圧縮ディスクレコーダーより3G-SDI経由でKTVの4Kコンテンツデータを入力。KDDIのHEVC符号化ソフトウェアは、マルチコアCPUアーキテクチャでマルチスレッド処理やマルチPCによる分散処理が展開でき、8K/4Kスケーラブル伝送および多視点映像伝送といった拡張方式にも対応できる。正式な商用化は未定だが、システムインテグレーションの一環として、同技術を採用している企業があるという。
 東芝は、昨年のInterBEEの頃に発表した、スケーラブル拡張(SHVC)エンコード技術を紹介。SHVCエンコード技術は、超高精細映像の伝送で必要な追加伝送帯域を低減できる。これにより、HDTV、4K/8Kなど、複数の解像度の映像配信を併存したサービスが実現できるという。SHVCではエンコードの際に「レイヤ間予測」を実施している。これは、HEVCエンコードで利用される「画面間予測」と「画面内予測」に加え、変形を伴う動きや不規則な動き、ボケ画像領域に対して適用する。これによって、データ量を抑えることができる。また、動きの少ない領域に多くのデータ量を割り当てることで、主観画質を改善。時空間画像処理であらかじめ4K画像からノイズ成分を除去することで低ビットレートでの解像度感の低下を抑制している。このため、追加ビットレートが低くても、4K映像が持つ解像度感を維持できるとしている。
 デモンストレーションでは、
 (1)KTVから提供された4K60p映像を35Mbpsの HEVCにエンコードしたストリーム
 (2)現行地デジ相当の画質として14MbpsのHD/MPEG-2にエンコードしたストリーム
 (3)SHVC化した10Mbpsのストリームを4K UHD TVに再生して映像画質の比較
    の3つのデモを実施していた。 

■計測技研が4Kカメラ用フォーカスアシストを初公開
 計測技術研究所は4Kカメラに装着できるフォーカスアシストユニット(FAU)「FA-P1」を初めて一般公開した。同FAUはIDXのVマウントで4Kカメラに装着することで、カメラオペレーター自身でフォーカス合わせができる。フォーカスゲインおよび補助信号ON/OFFを調整できる専用リモートコントローラーも用意されており、ファインダーをのぞきつつ手元で制御が行える。7色からフォーカス補助信号色を決め、フォーカスゲイン、ノイズ除去、フォーカス合致判定で使う値(ACT Pixel)の3つのモードを組み合わせて調整する。入力には2SI(QFHD)とSquare Division(QFHD)、出力にはカラー、モノ、フォーカス補助信号から選択が可能。入出力映像信号は10bit、YCbCr4:2:2。モニターには2Kにダウンコンバートして表示することができる。今秋までには正式発売および出荷される予定。

■ソニー XAVCベースのプロダクションサーバーを出展
 ソニービジネスソリューション(ソニー)はXAVCベースのストレージと再生ソリューションとして、業務用プロダクションビデオサーバーと、新製品4Kメモリープレイヤー「PMW-PZ1」を紹介した。プロダクションコントロールステーションと最大8TBまで拡張可能なストレージユニット「PWS-4400」で組み合わせたプロダクションサーバーに、ネットワーク経由でマルチチャンネルの記録や再生のコントロールと管理ができるという、新ユーザーインターフェイスがお目見えした。7月には既存ユーザーに提供できる予定だという。本サーバーシステムは、4K60pの2ソースでハイライトやスローリプレイができる4Kライブプロダクションのワークフローに組み込まれる。またベースバンドではなくIPネットワークで各システム間をつなげるというIPライブプロダクションシステムとしての進化にも挙げられている製品の1つだ。

■コンパクト4Kメモリープレイヤー「PMQ-PZ1」
 ソニーからは、4Kカメラで収録したコンテンツデータをすぐに再生できるコンパクトな4Kメモリープレイヤー「PMW-PZ1」も展示された。HDMI(2.0)、3G-SDIインタフェースを持っているため業務用から4K UHD TVまで様々なディスプレイデバイスと接続でき、さらにSxSメモリーカードスロットがフロントパネルに用意されており、カメラから取り出したSxSカードを挿入してすぐに現場ですぐに再生・確認できる。またUSB3.0経由でポータブルハードディスクのデータも再生できるようになっている。ただし4K映像データの転送速度によっては再生時にフレーム落ちが発生する可能性があるという。SxSメモリーカードから、USB3.0経由で外部ストレージへコピーできる便利な機能も搭載されている。本製品は来月初旬には出荷される予定。出荷当時の対応コーデックはXAVC Intra/Longで、XAVC S/MPEG HD422/MEPG HDについては次期ファームウェアバージョンアップで対応していく。

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コンパクト4Kメモリープレイヤー「PMQ-PZ1」

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#interbee2019

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