【NEWS】ブラックマジックデザイン 高級車ジャガーの中国版ショートフィルム制作でDavinciResolveが採用 500ショットを3日間でカラーグレーディング

2013.12.9 UP

ジャガーの鮮やかな色をカラーグレーディングで再現

ジャガーの鮮やかな色をカラーグレーディングで再現

カラーグレーディングにより効率的な制作を実現した

カラーグレーディングにより効率的な制作を実現した

 ブラックマジックデザインは12月9日、中国国内の劇場とウェブサイトで公開している英国の高級車ジャガーのショートフィルムシリーズのカラーグレーディングにDavinciResolveが使用されたと発表した。

■上海 MZ Post Productionのカラリスト、カオ氏がカラーグレーディングを担当
 制作は、中国最大手のプロダクション会社のひとつであるGwantsi(http://www.gwantsi.com)。カラーグレーディングは、上海を拠点とするMZ Post Production(http://www.4colorist.com/en/CommercialsAndMusicVideos)のオーナー兼カラリスト、アーロン・カオ(AaronCao)氏が担当した。
 シリーズ名は「F-Type,YourType」(http://vimeo.com/77492382)。登場する3人の主人公、それぞれの夢の追求を描く3編のエピソードで構成されている。
 監督はクリス・リード(ChrisReed)氏。3編には、台湾出身の人気俳優、ジミー・リン(Jimmy Lin、林志穎)と、中国 バレエ界で注目を浴びるバレリーナ ホウ・ホングラン(Hou Honglan)、中国の女優で、チャン・イーモウ監督作品「金陵十三釵」でデビューを飾ったニー・ニー(NiNi、倪妮)の3人が登場する。

■500ショットを3日間でカラーグレーディング
 3編のショートフィルムの総ショット数は500以上あり、これらを3日間ですべてカラーグレーディングする必要があったという。カオ氏は、「DaVinciResolveのツールを用いた効率的なカラーグレーディングのおかげで、目標を時間通りに達成することができた」と話す。収録された映像はトーンが一定ではなかったため、ジャガー・Fタイプの魅力を存分に映し出す完璧なルックを実現するため、膨大なカラーコレクションが必要だったという。

■プライマリーカラーコレクションを充分に行うことで作業の柔軟性を確保
 異なるシーンで照明の違いによるジャガーの色の違いを処理する作業について、カオ氏は、監督とのやりとりを次のように説明する。
 「クリス(監督)は、リアルなイメージが損なわれないよう、すぐにセカンダリーカラーコレクションを行うのではなく、まずはプライマリーカラーコレクションに十分な時間を費やして色を補正することを要求しました。それによって作業は複雑になりましたが、DaVinciResolveのツールのおかげで、私はクリスの要求に対し常に柔軟に対応することができました。今回は、カーブをカスタマイズすることで車の色をプライマリーカラーコレクションで調整し、より自然でリアルなイメージを実現できたのです」

■微調整の要請ごとにノードの追加・削除で対応
 カオ氏はまた、DaVinciResolveのノードベースのグレーディングが「効率的なワークフローの鍵となった」という。監督からのグレーディングの微調整の要請に対して「彼のOKサインが出るまでノードを追加・削除し、簡単に調整を行うことができた」(カオ氏)。また、監督が複数のグレーディングの選択肢を決めかねているときに、「DaVinciResolveで、ノードのオン・オフを切り替えて、グレーディング結果を確認してもらいました」とカオ氏は話す。これによって、より簡単に、かつ迅速に決断を下すことができたという。

■監督の指摘ごとにフラグで色分け
 カオ氏はまた、DaVinciResolveのフラグ付けの機能について、「ショートフィルムのようなプロジェクトでは効率的」と指摘する。監督がキーショットや問題のあるショットを見付けているときに、それらに赤、青のフラグをつけたり、また、異なるグレーディングにフラグをつけることにより、効率的に映像を探し出せたという。
 「オブジェクトトラッキング機能も多用した」という。「トラッキングしたい対象を指定するだけで、あとはDaVinciResolveが自動でトラッキングしてくれた。この機能で時間を大幅に削減できました」(カオ氏)。

ジャガーの鮮やかな色をカラーグレーディングで再現

ジャガーの鮮やかな色をカラーグレーディングで再現

カラーグレーディングにより効率的な制作を実現した

カラーグレーディングにより効率的な制作を実現した

#interbee2019

  • Twetter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube