【NEWS】凸版印刷 ライトフィールド技術を利用したHMDモジュール「TransRay」と描画エンジンを開発 医学的な効果証明し協業拡大へ3月からモジュール提供

2018.10.19 UP

従来のヘッドマウントディスプレイの場合、

従来のヘッドマウントディスプレイの場合、

今回開発された「TransRay」の場合

今回開発された「TransRay」の場合

 凸版印刷は、VRを活用したロボットの遠隔操作のためのHMDモジュールと、3Dセンサーで撮影したシーンを3DCGにリアルタイム変換する描画エンジンを開発した。
 HMDモジュールは「TransRay」(トランスレイ)と呼ぶ。大きな特徴は、HMDが単眼のピント調節による奥行き知覚にも対応している点にある。

■ライトフィールド技術で奥行き感のある空間をリアルタイム描画
 従来のHMDでは、両眼視差による奥行き知覚のみ対応し、ピント調整による奥行き知覚には対応できていないことから、両方の視覚特性の間で差異が発生し、これが酔いや疲労の大きな要因の一つになっていた。
 「TransRay」では、ライトフィールド技術を活用し、画像表示装置と画像処理を組み合わせ、ピント調節の情報を伝達できる特殊なディスプレイを実現している。対象空間の光線情報を描画エンジンによってリアルタイムに表示することで、奥行きを知覚させ、自然なピント調節をさせている。これにより、自然な見え方に近くなり、酔いや疲労の軽減に期待ができる。

■医学的な効果を証明 来年3月からパートナー探索
 ライトフィールドは光線空間とも呼ばれ、3次元空間における視覚情報を、空間中を伝わる光線の情報として再現したもの。撮影後に画像のピント位置を変更できるライトフィールドカメラや裸眼立体ディスプレイなどの応用例がある。
 今回の「TransRay」は大阪大学大学院医学部 感覚機能形成学教室 不二門 尚教授との共同研究において医学的な効果が証明され、2018年9月、日本眼光学学会で発表している。現在関連特許を出願中。
 今後、協業先や研究パートナーの探索のため、研究開発向けモジュールと描画エンジンの提供を2019年3月より開始する。

従来のヘッドマウントディスプレイの場合、

従来のヘッドマウントディスプレイの場合、

今回開発された「TransRay」の場合

今回開発された「TransRay」の場合

#interbee2019

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